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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労働者不足解消のカギは中途採用とAI導入? - 令和8年2月分労働経済動向調査公開!(厚生労働省)

厚生労働省より、令和8年2月分の労働経済動向調査が公開されました。
毎年3カ月おきに公表されているこちらの調査結果ですが、今回の内容で特に目を引いた点は以下の通り。


●雇用そのものについては、緩やかに増加の傾向
雇用判断D.I.ディフュージョンインデックス、「増加」回答割合-「減少」回答割合の数値)は正社員等雇用で+6ポイント、パートタイム雇用で+2ポイントと、全体で見てややプラスの傾向にあります。
産業別に見た場合、情報通信業や不動産業、物品賃貸業などでの増加率が高い一方、金融業や保険業では若干のマイナス傾向が見られます。


●労働者不足については、依然として非常に高いまま
かたや、過不足判断D.I.(「不足」回答割合-「過剰」回答割合)のほうは、正社員等労働者で+49ポイント、パートタイム労働者で+28ポイントと、非常に高い数値を維持したままとなっています。
この数値は、コロナ禍が収束した2023年以降ほぼ横ばいとなっており、社会全体での労働者不足が如実に表れています。
特に、正社員等の49ポイントは深刻なレベルと言えるものです。それにも関わらず、雇用判断が緩やかな数値に留まっているのは、さまざまな労働関連法規の改正や、最低賃金の大幅増などから、増員の受け入れ態勢が十分に整っていない事業所の多さを示しているともいえるのではないでしょうか。


●業務効率化だけではもはや解決しない?
こうした事態に、事業所側が行っている対応として特に目立つのは、「中途採用の開始・拡大・強化」で、不足対応を行っている事業所の66%が実施しています。
次点で、「業務の効率化の推進」が40%、「臨時、パートタイム労働者の採用」37%と続いておりますが、やはり単なる効率化だけでは人員的に限界も見え始めているのかもしれません。


●AI導入企業は全体の3分の1に
今期の動向調査より、AIの導入状況が新規項目として追加されました。
こちらを見ると、現状での業務におけるAI導入事業所の割合は全体の3割ほどで、特に企業規模が小さいほど非導入の割合が高くなっています。
導入目的としては「作業負担の軽減や作業効率の改善」とする割合が93%と最も多く、次いで「人手不足の解消」47%、「労働時間の短縮や休暇・休日の増加」が46%と、やはり業務効率化を目的とした運用が目立ちます。
実際「作業負担の軽減や作業効率の改善」において、効果があったと回答している事業所は91%にもなり、AI導入のメリットがはっきりと表れている様相です。
これからの業務効率化において、AIの業務導入は喫緊の課題となるでしょうが、導入コストやランニングコストの面など、小規模の事業所にはまだまだ厳しいところも多いかと思います。



今期の動向調査から見えてきたのは、労働者不足の打開策として、中途採用やAI導入への注力が始まっていること。
国内の完全失業者数が180万人ほどとも言われている昨今ですが、それでも人手不足の気配は依然として高いままになっています。
今後AI技術の向上や、さまざまな法改正で、人手不足解消に向けてどのような対応がなされていくのか、注目していきたいところです。


本記事にて引用したデータの詳細は、以下のページからご覧ください。
(厚生労働省ホームページ):労働経済動向調査(令和8(2026)年2月)の概況
 
2026年03月31日 11:45