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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

「5%」こだわった官邸 最低賃金上げ幅、中小零細「あっぷあっぷ」! (令和6年7月25日.朝日新聞)

最低賃金(時給)の引き上げ幅をめぐる議論が、過去最高で決着した。5.0%(50円)に至る攻防には、「物価を上回る賃金」を掲げ、物価高の影響を差し引いた「実質賃金」のプラス転換を図る岸田文雄政権の強い意向があった。
●議論の舞台は地方に移るが、影響が大きい中小零細企業からは悲鳴も上がる。
●「やはり5%という数字はインパクトがある」。官邸関係者は24日、満足そうに語った。
●今年6月の骨太の方針には「2030年代半ばまでの早い時期に全国加重平均1500円を目指す」と明記。実現には毎年3.5%程度の引き上げが必要な計算で、今回は目標を掲げてから初の議論でもあった。
●政府は最低賃金の目安を決める中央審議会の運営には中立的な立場だが、6月の初会合から、大幅アップを求める強いメッセージを出した。
 
2024年07月25日 15:00

外国人労働者、韓国にごっそり 「時給は500円差」嘆く日本の業者! (令和6年7月23日.朝日新聞)

今年5月、外国人労働者を受け入れ、企業に派遣している団体で働く旧知の男性と電話で話していたときのことだ。「造船業界で、韓国のアジア人材の囲い込みがえげつない」。彼の「えげつない」という一言が、印象に強く残った。
●詳しく聞くと、8月、広島県内の造船や溶接など4社にインドネシアの10人を派遣する予定だったが、うち5人が採用を辞退したという。
●のちに韓国の造船会社にごっそりと引き抜かれたことが判明した。
●「こちらが提示した時給は1200円。韓国側は1700円。持って行かれてもしょうがない。昔はこんなことなかった」。彼はそう嘆いた。
 
2024年07月23日 15:00

AIは生産性を大きく高めない 議論を呼ぶMIT教授の悲観論! (令和6年7月18日.朝日新聞)

パソコンやインターネットが普及し、さまざまなハイテクの進化も続いているにもかかわらず、世界の先進国の多くは経済成長の低迷から抜け出せずにいる。
経済協力開発機構(OECD)加盟国全体の2024年の平均経済成長率は、わずか1.7%と予測されている。経済学者はこの現象を「生産性パラドックス[productivity paradox]」と呼ぶ。
●人工知能(AI)がこの停滞の連鎖を断ち切る――。いま、そんな期待が膨らんでいる。
●一方で、それを疑う見方も少しずつ出てきている。特に懐疑的な見解を提示しているのが、マサチューセッツ工科大(MIT)の労働経済学者の論文で、この問題をめぐる議論に火を付けた。
●AIは労働者の生産性に対して「わずか」な改善効果しかもたらさず、今後10年間の米国の経済成長への寄与率は1%未満しかない、と。米金融大手ゴールドマン・サックスのエコノミストたちは23年、生成AIは同じく今後10年間に世界の国内総生産を7%引き上げる可能性があると予測しており、教授の見立てはこれをはるかに下回る。
●楽観派たちは、AIに大きな期待を抱いている。
●しかし、もしAI推進派が間違っているとすれば、労働人口の高齢化や減少に直面し、生産性向上への突破口を切実に必要としている先進国にとっては、困ったことになる。
 
2024年07月18日 15:00

中小零細企業の賃上げ上昇率2.3% 3年連続で過去最高! (令和6年7月10日.朝日新聞)

今年の中小零細企業の賃金は前年より2.3%上がり、比較可能な2002年以降で3年連続で過去最高となった。厚生労働省が10日、今年度の最低賃金(時給)の改定を議論する審議会に参考資料として示した。大企業以外にも賃上げが広がっており、最低賃金の引き上げ幅を押し上げる材料になりそうだ。
●厚労省は従業員30人未満の1万6373社を抽出して調査し、5149社から回答を得た(回答率31.4%)。1人あたりの今年6月の賃金を前年6月と比べ、上昇率を調べた。
●全体の賃金上昇率は過去最高の2.3%で、1時間あたりの賃金の平均は1488円となった。就業形態別ではフルタイムの一般労働者が2.1%、パート労働者は2.8%上がった。
●業種別では、コロナ禍で落ち込んだ業績の回復が進む宿泊・飲食サービス業が2.8%と大きく伸びた。
 
2024年07月10日 15:00

春闘効果、社会全体への波及は見通せず 大手と中小の格差も拡大!(令和6年7月3日.朝日新聞)

労働組合の中央組織・連合が最終集計した今春闘の賃上げ率は5.10%となり、33年ぶりの歴史的な高水準となった。ただ、労組の組織率が下がる中、直接恩恵を受ける働き手は一握りだ。持続的な賃上げには、春闘の効果を社会全体に波及させる必要がある。
●「物価高と人手不足に加え、多くの労組で昨年を上回る要求を掲げ、しっかりと交渉した結果だ」。連合の仁平章・総合政策推進局長は3日の会見でこう振り返った。
●今年の春闘は、労組だけでなく、経団連などの経営側も賃上げの必要性を強く訴える異例の展開だった。要求自体が歴史的な高水準となり、満額回答が相次いだほか、ベースアップが11.8%に上った日本製鉄など労組の要求を超える大企業の回答も目立った。
● ただ、社会全体の賃金の底上げにつながるかは見通せない。
 
2024年07月04日 11:00

今治タオル製造の元技能実習生、「無断で在留資格変えられた」と訴え!(令和6年7月2日.朝日新聞)

愛媛県今治市の縫製企業で働いていたミャンマー国籍の元技能実習生6人が、実習内容と違う仕事をさせられ、在留資格を無断で変えられたとして、支援する労働組合などが松山市で2日、記者会見を開いた。
●中小製造業などの労組でつくる産業別組織JAMなどによると、元実習生は2022年9月に来日した20代の女性6人。
●実習内容は「子供服製造」だったが、実際は市の特産品で高品質で知られる「今治タオル」の製造に従事させられた。
● 23年11月、勤務先の監理団体や企業から「あと2年働くには手続きが必要」「このままだと辞めてもらうしかない」などと言われ、在留資格が「特定活動」に変更された。
●JAMによると、企業側は変更について説明したと主張しているが、資格の内容や理由について本人たちは理解が十分でなかったという。
●その後、無断で変更されたとして6人は退職。最後の1カ月分の賃金や残業代が支払われていないことからJAMに相談し、今回の件が発覚した。
●ミャンマーでは2021年2月に国軍のクーデターがあり、帰国に不安を抱えるミャンマー人のため、「特定活動」資格の在留が認められている。
●JAMによると、技能実習で入国後、実習内容の実態に合わせるため特定活動に無断で変える例が昨年から全国で増えている。今年に入って10件ほどの相談があり、「懸念している」という。
●JAMの安河内賢弘会長ら支援関係者は2日、今治市内の今治タオル工業組合を訪問、この企業は組合には入っていないが、今治タオル業界では外国人労働者に対する人権侵害が繰り返されてきたとして、「法令順守の対応がなされてきたのにもかかわらず今回の問題が起きたことは遺憾、産地全体で人権尊重の取り組みを徹底してほしい」などと求めた。
●JAMによると、今治タオル工業組合は誠意をもって対応したいと答えたという。企業側からも、未払いの賃金を支払い、認識の違いがあれば是正したいとの連絡があったという。
●この日の会見で、JAMの安河内会長は「再発防止策を含む改善の状況をみながら、労働当局に通告するかどうかなどを検討していく」と述べた。
 
2024年07月02日 17:00

「聞こえない人」歓迎のカフェ 発端はバイト面接「12回も落ちた」!(令和6年6月27日.朝日新聞)

聴覚に障害がある若者らが働くカフェバーが、JR平塚駅近くのビルの2階にオープンした。立ち上げたのはダンサーで、同市を拠点に手話ダンスを教える先生。きっかけは、教え子がアルバイトの面接に「12回も落ちた」ことだったという。
●平塚市紅谷町に6月、本格オープンした「UD Cafe&Bar -te to te-(ユーディーカフェ&バー テトテ)」。
●「UD」はユニバーサルデザインのことで、耳の聞こえる人、聞こえない人が自然につながる場になることをめざす。
●手話ができる方を店長に、聴覚障害のある4人の若者がスタッフとして働く。20席ほどの店内は、手話や筆談ボードなどで注文する客でにぎわっている。
●ストリートダンスに手話表現を採り入れた独自の「UDダンス」の提唱者で、かつて同市のダンスチームに加わって渡米し、NYのアポロシアターで好評を博したこともある。
●チームを離れた後、市の財団の講座でダンスを教えたところ反響が大きく、2019年に駅前にスタジオを借り、スクールを始めた。
 
2024年06月27日 09:30

「ハラスメントは労基署が監督を」 過労死防止法10年で川人弁護士!(令和6年6月20日.朝日新聞)

2014年6月に過労死等防止対策推進法(過労死防止法)が成立して10年が経つ。
●過労死や過労自殺の内容はどう変化しているのか、防止法は成果を生んだのか。
●「過労死弁護団全国連絡会議」代表幹事に聞きました。――精神障害の労災認定をみると、脳・心臓疾患に比べて女性の割合が高くなっています。
●女性がハラスメントや過重労働でうつ病になる事案は、ここ10年間、高い水準で増加傾向にあると思います。若い人だけではありません。女性の職場進出で40代、50代になってもフルタイムで働く人が増えています。管理職や管理職に近い立場で亡くなる事案もあります。
●専業主婦がいる家庭で男性が長時間労働になるというのが昔のパターンでしたが、共働きになり、男性だけが働いていた時と比べて労働時間が低い水準になるのかというと、そうではありません。両方とも過重労働の職場に入ってしまうということだと思います。
 
2024年06月20日 09:00

「仕事と両立難しい」、介護で頼った保険外サービス 利用者は急増中!(令和6年6月13日.朝日新聞)

千葉県内の男性(64)は、食品製造業の中小企業の社長として働きながら、近くに住む80代の母親の介護をしており、要介護1の認定を受けていて、身の回りのサポートが必要だ。
●介護が必要になったきっかけは3年ほど前で浴室で転倒し、アキレス腱(けん)を切ったために自力で歩けなくなったことだった。
●介護保険サービスは1回1時間、週2回の訪問介護を利用し、入浴介助や部屋の掃除などをしてもらっていたが、母親は今年2月に腰が悪くなると、さらにトイレや食事のサポートも必要になった。
●男性は職場を抜けて介護することが難しい。「要介護1で使えるサービス量には限界もあり、介護保険だけでは仕事との両立は難しい」と感じた。
 
2024年06月13日 11:30

労災認定に企業は不服を申し立てられる? 最高裁で弁論、判決は7月!(令和6年6月10日.朝日新聞)

労働者の病気やけがを、国が労災と認定した際、事業主が不服を申し立てられるかが争われている訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(堺徹裁判長)は10日、当事者双方の意見を聞く弁論を開いた。
●国側が「事業主の不服申し立てを認めれば労働者の保護を著しく損なう」と主張して結審し、判決期日は7月4日午後3時に指定された。
●この論点で最高裁が判断を示すのは初めて。最高裁の弁論は二審の判断を変えるのに必要な手続きで、事業主は不服申し立てができるとした二審・東京高裁の判断が見直される可能性がある。
●労災が認定されると、労働者に賃金の一定割合や治療費などが国から支給される。
●一方、労災保険の「メリット制」と呼ばれる仕組みで、従業員が労災認定されると事業主が払う保険料が増える場合があり、事業主側は認定に不服を言えないとされてきた。
 
2024年06月10日 08:30