TOP

一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

寮追い出され、所持金わずか追い詰められる非正規労働者―支援求める人急増!(令和2年5月25日.時事通信)

新型コロナウイルスの影響で経済が厳しさを増す中、仕事を失った非正規労働者らが住まいを追い出される事例が相次いでいます。所持金も少なく、民間団体が東京都内で開催する食料配布には、感染拡大以降訪れる人が急増。支援者は「新たに困窮する人が出ている」と懸念を深めています。

●横浜市鶴見区で派遣労働者として働いていた男性(46)は4月上旬、月末までの契約が更新されず、会社の寮からの退去を迫られました。当初は「他に移ればよい」と楽観していましたが、求人に応募しても対面での面接が受けられず、県外で探そうにも「感染拡大防止から他県の人は採用できない」と断られました。仕事を見つけられないまま、A4サイズのかばんに2日分の着替えと洗面道具だけを詰め込み、5月初めに寮を後にしました。現在は横浜市中区の簡易宿泊所を仮住まいとしているものの、6月上旬までの宿泊料金を支払った後の所持金は8万円。新たな収入がなければ、続けて泊まることは難しいといいます。男性は生活保護を申請中ですが、「約20万円の給料をもらっていたのに、いきなり生活保護になるとは思わなかった」と現実を受け止めきれない様子。「家さえあれば何とかやり直せるのに」と苦渋の表情を浮かべました。

●NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)などが東京都新宿区で実施している週末の食料配布や相談会には、3月以降から参加者が急増。5月16日には通常の2倍超となる約180人が食料を受け取りに来ました。同法人の大西連理事長は「不安定な雇用環境で働く労働者ら仕事や住居、貯蓄を失った人が来ているのでは」と指摘。「(参加者は)雇用環境が回復するまで増加するだろう」と話しています。9日の相談会に訪れた男性(57)は、日雇い労働で生計を立て、普段はネットカフェに寝泊まりしていましたが、2月ごろから仕事が急減。4月以降は収入がゼロとなったため野宿生活を送っており、雨の日はジャンパーを布団代わりに人家の軒先で寝ることもあるといいます。「緊急事態宣言が解除されないと状況は変わらない。仕事があればやっていけるのに」と不安を募らせています。
2020年05月25日 08:55