メタボ健診データ:8割が検証不能…厚労省3年放置!(平成27年9月7日・毎日新聞)
特定健診(メタボ健診)の医療費抑制効果を検証するために厚生労働省が集めた健診データを会計検査院が調べたところ、8割の約3760万件が診療報酬明細書データと合致せず検証に活用できていないことが分かりました。
●システムの不備などが原因で、厚労省は3年前には事実を把握していたにもかかわらず対応を怠っていました。正確な検証ができないおそれがあり、検査院はシステム改善などの対策を講じるよう求めました。
●厚労省が作成した入力マニュアルの内容が異なっていたため、医療機関の担当者は特定健診の被保険者証等番号・記号を「全角」で入力する一方、レセプトデータは「半角」で処理していました。さらに、健保組合や同基金のシステムでは、健診データが「半角」、レセプトデータが「全角」に置き換わるようになっていました。このデータを匿名化処理した場合、同じ人物のデータなのに異なる人物のデータとして処理されてしまい、データが合致しなくなっています。
●厚労省は2012年の内部検討会で、2010年度のデータ合致率を「男性9.8%、女性15.7%」と説明。この時点でシステムの不備を把握していたとみられますが「精度には限界がある」として原因究明に取り組んでいませんでした。特定健診には1200億円超の国庫補助金が支出されており、厚労省は2018年度に医療費適正化計画の実績評価をまとめる予定です。検査院は「効果を適切に評価できなくなる」と指摘しており、厚労省は「既に集めたデータも照合できるように今年度システム改修を進める」としています。
2015年09月07日 16:18