「6割の休業手当」もらえた人は4割に満たず・コロナ禍、非正規雇用の労働環境!(令和3年6月22日.共同通信)
コロナ禍で雇用環境が厳しくなる中、非正規雇用で働く人たちの中には、つらい思いをした人も少なくはありません。例えば、緊急事態宣言の影響で飲食店が休業や営業時間の短縮をして仕事そのものが減れば、勤務日・時間が減らされるということは十分考えられます。日本労働組合総連合会(連合、東京)が18歳~65歳の非正規雇用で働く人1,000人を対象に実施した「コロナ禍における非正規雇用で働く人の実態と意識に関する調査2021」でも、厳しい実態が浮き彫りになっています。休業手当の支給状況 「支給されなかった」勤め先が休業・時間短縮していた人の51.7%、「6割未満」は9.5%、一方、「10割支給された」は20.5%、「6割以上支給された」は18.3%にとどまっています。●まず、勤め先がコロナ禍でどんな対応を取ったかを聞きますと、「出勤日数および労働時間削減」(22.5%)、「在宅勤務(テレワーク)の実施」(12.4%)、「休業などによる自宅待機指示」(9.8%)、「時差出勤の実施」(8.5%)などが中心。業種別で見ると、宿泊業・飲食サービス業では半数強の52.9%が「労働時間を削られた」と答えました。一方、コロナ禍の影響が比較的小さいとされた情報通信業ではテレワーク実施が47.1%に達するなど、業種間で大きな違いが出ています。勤め先の労働時間削減についてさらに聞きますと、同じ業務の正社員と非正規雇用の社員がいる場合、両方を対象に労働時間を削減したケースが66%、非正規雇用社員のみの労働時間を削減したケースは32.1%。やはり、非正規雇職員のみがつらい思いをするケースも少なからず存在するようです。
●休業となりますと心配なのが収入面。(勤め先が休業や時間短縮をしていた人410人に休業手当の支給状況を聞くと、「休業手当は支給されなかった」が51.7%と半数強で、「休業手当は6割未満」は9.5%。「休業手当は10割支給された」20.5%、「休業手当は6割以上支給された」18.3%。と、労働基準法の規定通りに休業手当が6割以上支給されたケースは計38.8%と4割に満たしませんでした。コロナ禍で勤め先から受けた労働契約内容変更では、「途中解雇」(11.7%)、「雇止め」(9.7%)、「退職勧奨」(9.1%)、「賃金の減額」(12.4%)といった回答が多くありました。
2021年06月22日 09:49