雇用調整助成金で失業率2・6ポイント抑えた…労働経済白書!(令和3年7月19日.読売新聞)
政府は午前、2021年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を閣議決定しました。「雇用調整助成金」などの支援策で、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年4~10月の完全失業率の上昇を2・6ポイント程度抑えて月平均2・9%にとどめたと分析しています。●雇用調整助成金は、企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が助成する制度です。2021年2月までに約4割の企業が利用し、雇用の維持に努めました。申請手続きの簡素化で利用が進み、産業別では「飲食・宿泊業」が73・2%と最も高く、「製造業」が49・9%で続いています。支給上限額はコロナ対策で1人日額1万5000円に引き上げられています。白書によりますと、2020年はコロナ禍で経済活動が抑制され、雇用情勢が悪化しました。緊急事態宣言が発令された同年4月には、休業者が前年同月比で420万人も増えました。完全失業率は同年10月に3・1%まで上昇しましたが、雇用調整助成金による雇用の下支え効果もあり、リーマン・ショック後の最悪時(5・5%)より低水準にとどまりました。
●一方、助成金の支給増加で財源が 逼迫しており、「負担の在り方が今後の課題」と指摘しています。白書では、緊急事態宣言下で普及したテレワークについても考察しました。コロナ禍でテレワークを導入した企業や労働者で、2020年12月時点も継続して利用している割合は56・7%にとどまりました。白書は、「時間や場所を有効に活用し、誰もが生産性を高めて働くことができる新しい働き方として根付いていくことを期待したい」と締めくくりました。
2021年07月19日 10:17