企業内部通報者への「嫌がらせ」、役員ら懲戒対象に…政府が指針公表へ!(令和3年10月19日.読売新聞)
政府は、企業の不正を内部通報した人の保護強化策として、内部通報者に「嫌がらせ」などの精神的な不利益を与えた役員らについて、懲戒処分の対象とする方針を固めました。今年8月に定めた公益通報者保護指針の詳細な規定に明記し、近く公表する方針です。通報者への報復を防ぐ狙いがあります。内部通報者の保護強化策を盛り込んだ改正公益通報者保護法は令和4年6月1日に施行されます。それに先立ち、政府は今年8月、通報窓口の設置などを義務づけた指針を公表していました。●指針には、内部通報者に不利益な扱いをした場合、役員らを懲戒処分にする規定が明記された。今回、新たに公表する指針の詳細な規定「解説」には、通報者への不利益な扱いの定義に関して解雇や降格、減給など人事上の処分に加えて、嫌がらせなど精神的な不利益も対象に含めました。役員らが通報者を精神的に追い詰めた場合でも懲戒処分の対象とすることで、通報者への不利益な扱いを生まない仕組みを確立し、通報を促す狙いがあります。このほか、指針の解説は、通報受付窓口について、企業内に限らず法律事務所など外部組織に設置することも容認しました。中小企業が数社で共同の窓口を外部委託することを想定しています。
●受付窓口の担当者以外に通報内容が漏れるのを防ぐため、専用の電話番号やメールアドレスの設置や、情報を閲覧できる人を「必要最小限に限定する」ことも求めます。「操作・閲覧履歴を記録する」との文言も盛り込み、情報に触れた際の記録を残すよう義務づけました。同法は、300人超の企業や団体に通報窓口や調査体制などの整備を義務づけています。窓口の担当者には情報の守秘義務が課され、違反すれば30万円以下の罰金を科します。300人以下は努力義務とされています。
2021年10月19日 09:26