介護施設勤務の男性「過労死」認定、7000万円賠償命令 和歌山地裁!(平成27年8月11日・読売新聞)
和歌山県広川町の介護老人福祉施設で勤務していた当時49歳の男性がくも膜下出血で死亡したのは過労が原因として、遺族が施設を運営する社会福祉法人「和歌山ひまわり会」などに約8390万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が平成27年8月10日、和歌山地裁でありました。●裁判官は「くも膜下出血と業務との間には因果関係がある」と過労死を認定した上で、男性の心身の健康への注意義務を怠ったとして約6980万円の支払いを命じました。判決によりますと、男性は平成15年から施設の事務管理室長として勤務。同僚2人が退職してからは業務が増加し、2022年10月にくも膜下出血で死亡しました。発症前4カ月の月平均の時間外労働は約116時間で、御坊労働基準監督署は2023年6月、男性の死亡が業務に起因すると判断し遺族補償年金の支給を決定していました。
●判決を受け男性の妻は「全面的に認められて感謝しているが、夫は2度と帰ってこない」と涙をぬぐいました。同施設は「判決文を精査し対応を決める」とコメントしました。過労死問題をめぐっては、過労死防止基本法の制定を国に求める意見書を遺族らが提出し、2025年12月に同県有田川町議会で採択された。その後、2026年11月に「過労死等防止対策推進法」が施行され、今年7月には同法に基づく対策大綱が閣議決定されました。遺族は「過労死ゼロを目指して、雇用者に過労死について関心を持ってもらいたい」と力を込めました。
2015年08月11日 13:07