TOP

一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

「積極的に請求して」業務中に感染“コロナ労災” 認定は9割!(令和4年2月18日.西日本新聞)

業務中に新型コロナウイルスに感染し、労働災害(労災)として九州7県で認定された事例が、2020年からの約2年で計約1800件だったことが各県労働局への取材で分かりました。認定数は感染者全体の2%程度ですが、審査済みのうち9割以上が認定されています。感染力が強いオミクロン株の影響で今後も感染増加が予想される中、労働局は「業務に起因する感染は労災の対象。積極的に請求してほしい」と呼び掛けています。

●7県の労働局によりますと、昨年末までの県別累計認定件数は、福岡1022▽熊本229▽大分126▽長崎123など。福岡県では、感染した後に死亡し、遺族が請求して認められたケースもありました。厚生労働省は2020年4月、幅広い認定を全国の労働局に求めました。医師や看護師、介護職は業務外感染が明らかな場合を除き原則対象。その他の職種は業務による要因が明白な場合ですが、経路不明でも多くの顧客と接触する営業職など感染リスクが高い場合は認め、職場での休憩中も対象とします。認定されれば賃金や療養の補償が受けられます。同省の発表によりますと全国では医療、介護従事者が認定者数の6割超を占めており、九州でも同傾向とみられています。認定されやすい医療従事者などに比べ、その他の業種では請求がいまひとつ広がっていません。労働者支援団体などは「周知不足」に加え「職場の理解不足」を要因に挙げています。

●福岡県内の男性会社員(54)は、昨年9月に勤務先でクラスターが発生し、感染。熱やせきが治まった後も味覚異常や下痢などの後遺症に悩まされています。今年になって労災請求し、近く認定される見込みだといいます。男性は、予備知識があって自ら請求しましたが「会社は労災請求の説明に積極的でなく、その後社内に周知した様子もない」と不信感を募らせます。全国労働安全衛生センター連絡会議の古谷杉郎事務局長は「事業者が知らない場合に加え、責任回避やイメージダウンへの懸念から協力しないケースがある」と指摘。「事業者の協力がなくても請求はできる。必要な人はぜひ制度を活用してほしい」と話しています。
2022年02月18日 09:25