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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

〈就職氷河期非正規社員の現状〉月収18万円、40代後半…政府は支援の方針も!(令和5年5月2日.Yahoo!ニュース)

コロナ禍も、そろそろ収束の兆しが見てきたことから、企業の活動も活発化しています。それに伴い、かなりの人手不足なっていますが、そんな状況でも声がかからず、取り残されているのが就職氷河期世代の、非正規の人たちといいます。

●40代後半の、就職氷河期世代の男性は「新卒カードを生かせなかった。」と嘆きます。「大学生の時は本当に状況が厳しくて、たくさんの企業にアタックしたものの全滅でした。その後は正社員で働くことができず、アルバイトや契約社員の立場を行ったり来たりしながら、零細企業に就職したのですが、そこがひどくて…。仕事はつまらないし、こき使われるし、もうヘトヘトです」 男性の給料は、たった18万円だといいます。月収18万円の独身なら、手取り14万円ほどしか残りません。急激なインフレとなっている現在、これでは人間らしい生活は送れないといいます。

●2005年以降、雇用環境は改善したものの、既卒者には厳しい状況が続きました。なかでも、正社員としてキャリアを積めなかった人たちは悲惨です。コロナが収束の兆しを見せて様々な業界も回復基調となり、人手不足が叫ばれています。そんななか、企業が強く求めるのは、未来を担う若手と、途切れなくキャリアを積んできた経験者です。非正規のまま年齢を重ねた氷河期世代は「スルー」されているのが現状です。東京都労働局『令和3年度 職業安定業務年報』で、年齢別の有効求人倍率(一般常用、および常用的パートタイム)をみますと、2021年の場合、年齢全体では1.09倍。各年代は、40代後半が0.86倍。現役世代のなかでも、氷河期世代はお呼びでないということなのでしょうか。

●企業としては、たとえ人材不足だとしても、これまでキャリアを積んでこなかったアラフィフ、アラフォーの世代を採用し、一から教育する余裕はないのかもしれません。政府は氷河期世代の就職支援をうたっても、企業側としては、「キャリアのない人材を育てる余裕はないし、正直遠慮してほしい」というのが本音といえます。前出の40代後半の男性の現状について、自己責任論で片付けるのは簡単です。また同様に、正規の立場で働きたくても働けない人たちを、努力不足として突き放しても、何の解決にもならないでしょう。生まれたタイミングが悪すぎて、割を食ってしまっている就職氷河期世代。自己責任論で放置することなく、企業と政府が一丸となり、手を差し伸べることが必要なのではないでしょうか。
2023年05月02日 09:49