質の高い教員確保へ「教員不足解消を」 全日本中学校長会長に聞く!(令和6年2月14日.朝日新聞)
公立学校教員に、残業代を出さない代わりに基本給の4%を「教職調整額」として一律に上乗せ支給することを定めた教員給与特措法(給特法)。●その見直しを含む教員の処遇改善の議論が、文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会で近く始まる。
●全日本中学校長会の会長で特別部会委員を務める東京都文京区立音羽中校長に、給特法や今後の議論のあり方について考えを聞いた。
――給特法をめぐっては、基本給の「4%」となっている教職調整額を「10%以上」にするという意見がある一方、給特法を廃止して残業代を出す制度にするよう求める声もあります。
全ての人が納得する報酬の制度というものは恐らくないでしょうから、難しさを感じます。給特法の扱いについても、特別部会としてどういう形にすべきかをこれから議論する時に、私個人が部会以外の場で意見を述べるのは適切ではないと思います。特別部会では、これまでも少数意見を含め様々な考え方を盛り込んで改善を図ろうと議論してきています。ただ、処遇改善は、法制度面の見直しも含めて検討する必要があると考えています。
教員が多忙で処遇改善が必要になっているということは、一般にも知られてきたとは思います。ただ、この議論が、教員が楽をしたいとか、もっとお金がほしいという動機から行われているのではないということを理解していただきたいと思います。
世の中を見渡したときに、学校の先生だけが大変な仕事なのかと言えば必ずしもそうではないなかで、優れた人材に教員になってもらい、教育の質を高めるという目的をかなえるために処遇改善が必要だと広く理解を得られるような議論や、制度設計が求められると思います。
2024年02月14日 11:36