労働法令違反85% 厚労省調査、全国のツアーバス!(平成28年4月28日.日経新聞)
今年1月に起きた長野県軽井沢町のスキーバス事故で、厚生労働省は、ツアーバスを運行する貸し切りバス会社に対する「集中監督」で労働関係法令違反の有無を調べた結果、85%に当たる166事業所で違反が認められたと発表しました。厚生労働省は書面で是正勧告しました。●違反の内訳は、労働基準法36条に基づく「36協定」を結ばずに時間外労働をさせていたなど、労働時間関連が95事業所で最多。39事業所が労働安全衛生法が定める年1回の健康診断を受けさせておらず、15事業所が36協定を結ばずに休日も働かせていました。集中監督は1~3月、労働基準監督署などが全国の196事業所を選んで抜き打ちで実施。違反があった事業所には改善報告書を提出させる方針です。
●休憩も含めた拘束時間や運転時間の上限を定めた告示への違反状況も調査し、61%に当たる119事業所で違反がありました。告示で定める最大拘束時間の超過が最も多く、特定の運転手の時間外労働が1カ月で約130時間に上るケースもありました。厚生労働省は2012年に関越自動車道で7人が死亡したバス事故の際にも、約300事業所を調査。9割以上で違反が見つかっていました。厚生労働省の担当者は「違反率がなかなか低下しない。今後も抜き打ち調査などで地道に指導する」と話しています。
2016年04月28日 09:48