最低賃金「20円上げ」攻防 厚労省、労使議論開始!(平成28年6月17日.日経新聞)
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、2016年度の最低賃金(現在は全国平均798円)を決める議論を始めました。安倍政権は年3%程度の引き上げを目指しており、時給で20円超の上げが実現するかが焦点です。今夏の決着に向け、労使の攻防が激しくなる見通しです。●3年間続けたアベノミクスで雇用情勢などは改善しましたが個人消費は低迷が続いています。最低賃金に近い水準で働く人は約750万人と高水準で、賃金底上げにより「成長と分配の好循環」(塩崎厚労相)を引き出す狙いです。最低賃金は都道府県ごとに異なり、過去3年間の引き上げ額は合計で約50円となり2016年度に20円超で合意すれば過去最大だ。
●中小企業経営者からは「大幅な引き上げは経営の重荷になる」と懸念する声があがっています。経済指標だけみると大幅な増額は困難ですが、政治圧力は強まる一方です。安倍政権は一億総活躍プランなどに中期的に「全国平均1000円を目指す」との方針を掲げていますが、全労連は「きちんとした生活には時給1000円でも足りない」(幹部)と不満を表明しています。
2016年06月17日 15:05