過労死の建築士は「実質的に労働者」…賠償命令!(平成28年9月20日.読売新聞)
東京都の準大手ゼネコン戸田建設の施工図作製を任されていました栃木県内の当時47歳の1級建築士男性が過労死したのは同社の安全配慮義務違反があったなどとして、遺族が同社に計約7910万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が宇都宮地裁でありました。●裁判長は原告側の主張を認め、同社に約5140万円の支払いを命じました。判決によりますと、男性は1987年頃に同社の関東支店(さいたま市)と業務委託の準委任契約を結び、支店の業務に従事していました。2004年2月、高根沢町の現場事務所で倒れ、脳幹出血で死亡しました。訴訟では、男性が同社の労働者だったかが争点となり、判決では、男性に従属義務はなかったのですが、建設現場への常駐を求められたり、作業着や名刺を支給されて「出向者」として管理されていたりしたことなどから、「実質的に使用される労働者だった」と認定しました。
●同社は勤務時間や業務量を確認せず、死亡直前の半年間のうち4か月は、月80時間超の時間外労働があり、「心身の健康に配慮していない」とも指摘しました。遺族は、2005年に宇都宮労働基準監督署に労災請求しましたが、「労働者ではない」と不支給処分になりました。2006年に労働保険審査会に再審査請求し、不支給処分が取り消され、さいたま労基署が2009年に労災認定を行いました。
2016年09月20日 09:43