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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

過労自殺男性の両親に「大した仕事していない」!(平成29年10月5日.読売新聞)

信州名鉄運輸(長野県松本市)長野支店で勤務していた男性(当時28歳)の自殺の責任を巡り、両親が平成29年10月4日、会社側に計7784万円の損害賠償を求める訴訟を長野地裁に起こしました。提訴後、長野市内で記者会見した男性の父親(61)は「息子のつらさ、苦しさ、悔しさを思えば、泣き寝入りすることはできなかった」と語り、会社側から十分な説明や謝罪がないことに憤りをあらわにしました。

●記者会見に同席した代理人の山崎泰正弁護士によりますと、自殺した男性の2014年4月から15年1月までの時間外労働は、月100時間から175時間に上りました。ただ、これは業務パソコンの記録に過ぎず、男性にはそれ以上に相当な時間外労働があったといいます。配送を手配しきれなかった荷物があると、業務後の深夜に自らトラックで届けていましたが、会社がタイムカードを導入しておらず「実際にはどれくらい働いていたのか把握できない」としました。

●男性は2015年2月の朝、母親に「何のために生きているかわかりません。つらい…もう限界です」とメールを送った後、自殺しました。父親は公表した手記で「会社の説明や対応は全く納得できるものではない。息子が『大した仕事をしていなかった』と悪意に満ちた言葉も放っています。会社の息子の扱いが違法であったと認めてもらうために裁判を起こした」と思いを吐露しました。信州名鉄運輸は取材に対し、「訴状が届いていないため、コメントは差し控える。顧問弁護士と協議した上で対応を考えたい」としています。
2017年10月05日 08:42