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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

A型事業所 国制度改正 障害者就労支援、県内7割 賃金確保難!(平成30年11月27日.愛媛新聞)

障害者が働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」が経営悪化を理由に廃業し、障害者を大量解雇するケースが全国で相次いでいます。

●県によりますと、県内で大量解雇は確認されていませんが、県内のA型事業所の7割超が2016年度、事業収入だけで利用者の賃金を賄えない状況でした。2017年4月の国の制度改正で補助金を賃金に充てられなくなり、県内の現場からは戸惑いや懸念の声が聞かれています。A型事業所は障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上を支払って職業訓練を行います。利用者数に応じて補助金を受け取れるため、事業収益を確保できなくても参入できる構造がありました。国は2017年4月に制度を厳格化。事業収入は利用者の賃金の総額以上を確保する必要があるとし、補助金の賃金への充当は原則禁止となりました。大量解雇は2017年度以降、愛知、岡山、広島などで判明し、国の制度改正が影響した可能性があります。

●愛媛県によりますと、県内のA型事業所の廃業は2017年度に2件、2018年度も9月現在で2件ありましたが「県内では大量解雇は確認されていない」としています。一方、2017年度の厚生労働省の調査によりますと、2016年度の経営実態を把握できた全国の3036事業所のうち71・0%の2157カ所が、事業収入で賃金を賄えない状態でした。県内は67事業所中50か所の74・6%で全国平均を上回りました。県は50事業所に経営改善計画書の提出を求め、うち33か所は2017年度に収支が改善。県は「計画書の提出後、事業収入が賃金総額を超えない場合も、再提出などで改善を続けてもらう」としています。厚労省は「生産活動の収益で賃金を支払うのがA型の本来の理念だが、それが可能な事業所は現時点で少ないことは認識している。(適正な事業所が)運営できなくなることは望んでおらず、改善計画による健全化を進めてほしい」と理解を求めています。国の補助金は環境整備などに用いて利用者の能力向上を図り、収益増につなげてほしいとしました。

2018年11月27日 09:29