日立、実習計画の賃金満たさず昇給・賞与規定もなし!(平成31年3月7日.朝日新聞)
日立製作所とグループ会社計11社が昨年、国の監督機関「外国人技能実習機構」から数々の技能実習適正化法違反を指摘されていました。グループで30万人を雇い、経団連会長を出している日本有数のグローバル企業の足元で、実習生を不正に働かせていた実態が明らかになりました。日立と系列10社に技能実習業務で違反として改善勧告・指導がおこなわれました。●明らかになった改善勧告書では日立製作所大みか事業所(茨城県日立市)で、実習生の賃金が昨年7月段階で、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金に達していないと指摘していました。社員の賃金規則には昇給や賞与の規定があるのに、実習生にはなく、「日本人と同等の待遇となっていない」とも言及し、法令順守の徹底を求めています。また改善勧告を受けたグループ企業の中には、東証1部上場企業である日立金属や日立ハイテクノロジーズが含まれています。朝日新聞は昨年6月、日立アプライアンス多賀事業所(日立市)について不正実習の疑いがあることを、親会社である日立製作所に取材で指摘しました。しかし、同社は「(技能が学べない)不適合は生じていない」と否定。しかし、翌月に実習機構の実地検査で、必須作業の外注などの不正が判明しました。同社広報・IR部は2月下旬、「不適合なし」と昨年答えた理由について、「コメントしない」としています。
●日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)にも昨年7月以降、実習機構に加えて法務省、厚生労働省が複数回、実地検査に入っています。関係者によりますと、検査では両省の幹部らが「実習計画にない窓付けの作業をさせているではないか」と現場で指摘しましたが、日立は「不正はない」との立場を崩していないといいます。この間、実習生がしわ寄せを受けています。実習不正があるとみる国は、笠戸での実習計画や実習生の査証(ビザ)更新を認めず、日立は昨年10月から計99人の実習生を相次ぎ解雇した。同社の中西宏明会長は昨年10月の記者会見で「実習生のビザが変更されたので、就労させると違法になるので、違法を避けるため、とりあえず解雇した。笠戸での技能実習に違法性はないと信じている。」などと説明していました。
2019年03月07日 10:08