茨城の労災死者、5月から急増「異常な発生数」…労働局が注意呼びかけ!(令和元年7月8日.産経新聞)
5月から今月にかけて、県内の労働災害による死者が急増しています。これに歯止めをかけようと、茨城労働局は福元俊成局長が、労働災害防止関係団体や発注機関に対して、職場の安全衛生活動の総点検実施などの緊急要請を行い、1日にはつくば市内の工事現場でパトロールを実施しました。同局の担当者は「5月には2週間で3件の死亡労災があり、短期間での発生数が異常だ」と危機感をあらわにしています。●今年1月から4月までの労災による死者数は3人にとどまっていました。ところが、5月に入りますと工場の機械にはさまれるなど4件の労災事故が発生し4人が死亡。6月末時点で計9人が亡くなっています。前年同期の死者数(13人)よりは少ないものの、短期間に立て続けての発生が際立っています。同局は1日から7日の「全国安全週間」に合わせて啓発活動を実施。しかし、4日にも日本製鉄鹿島製鉄所(鹿嶋市)で、鉄くずを一時集積する可動式の床を点検中の社員1人が床の下敷きになり死亡するなど、死亡労災に歯止めがかからない状況となっています。
●特に気を付けてほしいのは、掃除や片付けなど通常作業以外の事故だといいます。通常作業以外では、基本の動作や安全装置の起動などがなおざりになることが多く、うっかりしたミスで死亡労災につながってしまうためです。7月に入り梅雨が明けると、今度は熱中症の危険性も増えます。同局は熱中症対策の啓発にも力を入れていくとしています。同局の担当者は「作業内容は常に変化する。大丈夫と思い込まずに作業開始前や終業時の安全確認などを通じた基本動作を忘れないで、死亡労災を防いでほしい」と呼びかけています。
2019年07月08日 10:10