改正労働者派遣法が成立!(平成27年9月11日・朝日新聞)
働く人を代えれば企業が派遣社員をずっと受け入れられるようになる改正労働者派遣法が平成27年9月11日午後、衆院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決、成立いたしました。派遣社員を受け入れる期間の制約を事実上撤廃することで、派遣労働の固定化につながる可能性は残ります。●改正法は今月9日、すでに参院を通過しています。ただ施行日を当初の「9月1日」から「9月30日」に変更するなど修正したため、再び衆院に送られていました。
●これまでの労働者派遣法は、業務によって派遣社員を受け入れられる期間が異なっており、専門的とされる「26業務」には制限が無く、それ以外は原則1年、最長3年となっていました。改正法では、業務に関係なく「原則3年」にする一方、労働組合などの意見を聴いた上で人を代えれば、同じ仕事を派遣社員に任せ続けられるようになります。野党は「不安定な派遣労働を広げる」などと反対してきました。
●一方で改正法は、派遣会社に対して派遣期間を終える派遣社員の雇用を安定化させるため、派遣先企業への直接雇用を求めたり、新たな働き口を提供したりすることを義務づけました。国会審議の中で安倍首相も「正社員を希望する人にはその道が開かれるようにする」と答えています。ただ、こうした雇用安定化策の実効性を疑問視する声は野党などから相次いでおり、新たに派遣会社に義務づける教育訓練も会社任せで、雇用の安定につながるかどうかは不透明と言わざる負えません。
2015年09月11日 13:46