マイナンバー制度:3日午後、改正法成立へ!(平成27年9月3日・共同通信)
国民に番号を割り当てて行政手続きに活用するマイナンバー制度で、2018年から預金口座にも任意で番号を適用する改正マイナンバー法案が、3日午後の衆院本会議で可決、成立します。政府は国民の資産を正確に把握し、脱税や年金の不正受給を防ぐ狙いがあります。今後、預金口座にマイナンバーが付けば、お金が複数の口座に分散されていても、税務当局は預金総額を把握しやすくなりますが、これに対し消費者団体などからは、国の監視が強まることや国民のプライバシーが侵害されるとの不安、さらに番号の利用範囲拡大に伴い国や企業から個人情報の流出する恐れが高まるとの指摘が出ています。●同時に審議された改正個人情報保護法案も成立します。個人情報の取り扱いルールを定めて企業が活用しやすくする一方、立ち入り調査権を持つ「個人情報保護委員会」を来年1月に新設し、企業などによる情報の不正利用を防きます。両法案は、ことし5月に衆院を通過しましたが、年金情報の流出問題で国の情報管理体制への不安が強まり、審議は一時中断していました。基礎年金番号とマイナンバーを結びつける時期を延期するよう法案が修正された後、8月28日に参院で可決。衆院であらためて採決する運びとなりました。
●現行のマイナンバー法は、10月から個人番号を各世帯に通知し、来年1月から税金、社会保障、災害関連の3分野を中心とした行政手続きで番号を活用すると定めています。改正法案では、番号の利用範囲を拡大します。預金口座への適用に加え、特定健診(メタボ健診)の結果や予防接種の履歴の管理にも活用し、自治体が独自に番号を使いやすくすることも盛り込んでいます。預金口座への適用は今のところ利用者の任意ですが、政府は金融機関と協力して番号付与を促し、2021年度以降は義務化することを目指しています。
2015年09月03日 15:33