残業176時間「ごめん、辛抱できん」 近大職員が自殺 労災認定求め国提訴!(令和2年8月7日.毎日新聞)
近畿大の事務職員だった男性(当時40歳)が自殺したのは過労が原因だとして、男性の妻(46)が、労災保険の遺族補償給付を不支給とした国の処分を取り消し、労災と認めるよう求める訴えを大阪地裁に起こしました。残業時間は死亡直前の1カ月で176時間に及び、男性は「生きてるのがしんどくなりました」などと遺書を残していました。7月5日に第1回口頭弁論があり、国側は争う姿勢を示しました。●訴状などによりますと、男性は2015年4月に総務部の課長補佐になり、卒業生が加入する校友会との連絡調整を担当。国内外の卒業生らが集まるイベント準備に追われていた同年7月8日夜、職場で命を絶ちました。パソコンの利用状況によりますと、同年6月中旬以降、過去1カ月間の残業時間は「過労死ライン」とされる100時間を超過。死亡直前には176時間に達し、連続勤務は24日間に及びまし。男性はメモ用紙に家族宛てのメッセージを残し、妻には「ごめん、辛抱出来んようになった」、子どもたちには「野球・受験頑張れ」「笑顔忘れず 頑張れ」などとつづっていました。
●東大阪労働基準監督署は2017年8月、男性がストレスなどによる精神障害を15年6月中旬に発症したと認定しました。しかし、残業時間は発症直前に月107時間だったものの、前月の68時間から倍増していない点などを考慮。業務による負担が労災要件に該当しないと判断し、遺族補償給付を不支給としました。一方、遺族側は、残業時間が月160~170時間台だった7月2~5日ごろに精神障害を発症したと主張。自殺直前まで残業が増え続け、業務の負担が重くなっていたと訴えています。妻は代理人弁護士を通じ、「労基署が発症時期を決めると、それ以降にどれだけ残業があっても評価してもらえないのはおかしい。労災だったと認めてほしい」とのコメントを寄せました。
2020年08月07日 09:27