脱時間給法案・民法改正・カジノを断念、安保法案の審議優先!(平成27年9月4日・日経新聞)
政府・与党は労働時間ではなく成果に賃金を払うホワイトカラー・エクゼンプションの新設を盛り込んだ労働基準法改正案の今国会成立を断念することにしました。さらに債権や契約に関する規定を抜本的に見直す民法改正案も見送りが決まりました。開催期限が9月27日までの今国会は戦後の通常国会では最長ですが、安全保障関連法案の審議を優先するため、重要法案の審議に影響が及んでいます。●政府は安保法案について、参院で採決されなくても衆院で再可決できる「60日ルール」が適用できる9月14日を念頭に、中旬には成立させたい考えです。民主党などが猛反発しており、採決後は国会が空転する可能性が高いとみられます。
●政府・与党は企業の派遣労働者受け入れ期間を事実上撤廃する労働者派遣法改正案を来週、9月10日にも成立させる考えです。安保法案と合わせて野党が反発を強めるのは避けられず、労基法改正案の成立は難しいと判断しました。
●民法改正案は1896年の制定以来初の抜本的な見直しとなり、金銭賃借などの契約で当事者が特に定めなかった場合に適用する「法定利率」を年5%から3%に下げるなどが柱となります。衆参両院の法務委員会は取り調べ可視化などを盛った刑事司法改革関連法案を先に扱ったため、審議入りも困難な状況です。
●カジノを中心とした統合型リゾート推進法案(カジノ法案)も先送りとなります。カジノを解禁し、政府に運営ルールなどの法整備を求める内容ですが公明党が慎重姿勢を崩していません。
2015年09月04日 16:12