ソニー社員が海外駐在中に過労死 労災認定!(令和3年3月30日.日経新聞)
ソニーの40代男性社員が2018年、駐在先のアラブ首長国連邦(UAE)で突然死したのは長時間労働が原因として、三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが3月15日、分かりました。遺族代理人の尾林芳匡弁護士らが都内で記者会見し明らかにしました。認定は今年2月26日付。●尾林弁護士は会見で「国内では労働時間の把握が企業の義務になっているが駐在は裁量労働のような形で、残業の記録が残っていなかった」と指摘。「海外赴任中の過労死事案は相当数発生していると考えられ、警鐘を鳴らすものだ」と強調しました。ソニーは取材に「亡くなった社員に対し、心からご冥福を祈る。認定を真摯に受け止め、社員の健康管理に一層努める」と回答しました。尾林弁護士によりますと、男性は2007年入社。2015年11月に同国のドバイへ赴任し、カメラやビデオ機器の販売業務を担当しました。多忙で長時間労働を強いられ、2018年1月、日本出張から戻った約10日後、心臓性突然死のため45歳で亡くなりました。
●三田労基署は、発症前3カ月間の時間外労働が月平均79時間53分だったと認定。過労死ラインとされる「月80時間」におおむね該当すると評価したといいます。会見に出席した男性の妻は「過労死が世界的に有名な会社でも起きていることを知ってもらい、二度と同じ事がないよう願う」とのコメントを読み上げました。
2021年03月30日 09:28