女性の非正規労働者89万人減2月の労働力調査前年比、宣言解除されても雇用危うく!(令和3年4月1日.東京新聞)
総務省が令和3年3月30日発表しました2月の労働力調査によりますと、女性の非正規労働者は前年同月比89万人減の1398万人で、減少幅は過去最大でした。全体の失業率は2.9%と横ばいですが、非正規女性の占める割合が高い飲食業や小売業などは依然厳しい状況です。統計に表れない水面下での雇用悪化も彼女らに集中、緊急事態宣言が解除されても危うい状況は続いています。●総務省の担当者は「今回の緊急事態宣言は、昨年4月と比べれば雇用に大きな影響は出なかった」と説明しています。たしかに、看護師ら医療福祉分野を中心に女性の正規労働者は増えています。しかし、非正規の厳しさは依然として際立っています。非正規女性を業種別にみますと、宿泊・飲食サービス業が前年同月比で24万人減少し、卸売・小売業が同20万人減りました。季節的な変動の要因を除いた前月比でみても、非正規の女性は全体で18万人減と3カ月連続の減少でした。
●厚生労働省によりますと最近、非正規女性らが副業などの「ダブルワーク」を求める動きも出ています。本業だけでは暮らせない層が増えている可能性があります。川崎市の飲食店アルバイトの女性(67)はもともと週4~5日勤務で月10万円近い収入がありましたが、今は土日のみ3時間ずつで月3万円程度。年金を加えても生活できず、ダブルワーク先を探すも断られ、今月に生活保護の受給が決まりました。「また仕事が増えてほしいけど、コロナがぶり返したら…」と不安が尽きません。
●野村総研はこの女性のように、仕事が半分以下に減り休業手当が出ないバイトを「実質的失業者」と定義、女性で100万人超いると推計しています。彼女らを失業者に含めると、2月で2.8%にとどまる女性の失業率は6%程度に上がります。日本総研の山田久氏は「雇用全体としては当初の予測ほど悪化していないが、非正規女性の実態は統計以上に悪い」と指摘。その上で「飲食店の体力が落ち第4波の懸念がある中では、宣言が解除されても彼女らの雇用は元に戻らず、厳しさが続く」と見通しました。
2021年04月01日 09:32