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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

「主任の残業代未払い」和解…名ばかり管理職!(平成27年8月31日・読売新聞)

大阪府東大阪市職員の30歳代の男性主任が、「権限も与えず管理職として扱い、残業代を支給しなかったのは労働基準法違反」として、時間外勤務手当など約520万円の支払いを市に求めた訴訟で、市が解決金180万円を支払う条件で大阪高裁で和解したことがわかりました。

●東大阪市は、一般行政職員(約1500人)の約7割にあたる主任以上を管理職としてきましたが、和解を受けて見直す方針です。訴訟記録などによりますと、男性は採用9年目の2011年4月、主任に昇格しています。一時休職する2012年11月までの間、給料のほか、管理職手当(月2万円)など計約100万円を支給されました。しかし、残業は月によっては100時間を超え、管理職でなければ時間外手当など218万円程度を受け取れるはずだったといいます。

●訴訟では、主任級の組織上の位置づけが争点になった。市側は「管理職の一端を担う立場」と主張しましたが、今年1月の1審・大阪地裁判決は、行政運営の重要事項に関与せず、出退勤は所属長が管理していると指摘。「労働基準法上、管理職とは経営者と一体の立場で重要な職務と権限を与えられ、待遇も優遇されている人で、主任級は管理職には当たらない」とし、市に約288万円の支払いを命じていました。市は判決を不服として控訴しましたが、高裁の和解勧告を受け、7月24日付で和解に応じています。代理人の弁護士は「男性の立場は『名ばかり管理職』そのものだった。サービス残業が横行する恐れがあり、適正な労務管理を望みたい」と指摘しています。
2015年08月31日 11:45