「パワハラで自殺」 遺族が提訴 「ばかやろう」と5時間叱責!(令和3年6月2日.毎日新聞)
仙台市太白区の医療法人「翠十字」でケアマネジャーとして勤務していた男性(当時41歳)が2016年10月に自殺したのは、上司のパワハラが原因だったとして、男性の遺族が1日、同法人に約6300万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こしました。遺族側は、精神疾患を巡る労災の認定基準にパワハラが追加されて1年になるのに合わせて提訴したとしています。●訴状によりますと、男性は同法人の理事長らが経営する関連会社で、水素エネルギー開発の業務も行っていた2016年3月ごろから、仕事中のミスを理由に上司の部屋に何度も呼び出されるようになり、長いときは約5時間にわたり「ばかやろう」などと何度も叱責されました。うつ病などと診断され、同年6月に退職。別の法人で勤務していた10月に失踪し、11月に遺体で発見されました。
●提訴後に記者会見した男性の妻は「心が折れるほど叱責するのはパワハラ。言動がどれだけ人を傷つけているか。夫だけではないと思うので、社会に広く知ってもらいたいと提訴した」と話しました。妻は2017年9月、労災を申請。2018年9月に仙台労基署がいったん不支給を決めましたが、妻は不服を申し立てていました。昨年6月、厚生労働省が労災の認定基準を改定。これを受けて宮城労働局は不支給決定を取り消し、仙台労基署が労災認定しました。同法人の代理人弁護士は「訴訟手続きにおいて、ご遺族側に当法人の主張に対する反論を求め、事実関係を解明したい」とコメントしています。
2021年06月02日 09:43