週の労働時間短縮の実験、「圧倒的成功」 アイスランド!(令和3年7月8日.CNN Business)
アイスランドで公務員を対象として試験的に給与そのままの「週休3日(週の労働時間を35~36時間)」に減らしたところ、職員の心身の状態が大幅に改善されたという研究結果が発表されました。実験はレイキャビク市の職員と国家公務員を対象に2015年と2019年の2回にわたって実施。給与は減らさないまま、労働時間を週35~36時間に短縮しました。参加者の多くは、それまで週40時間働いていました。シンクタンクのオートノミーと調査機関Aldaの研究チームによれば、実験に参加した職員は、ストレス感や燃え尽き感から健康状態、ワークライフバランスに至るまで、心身の状態が「劇的に」向上したといいます。●今回の実験はワーク・ライフ・バランスを改善しながら生産性を維持または向上させる目的で実施され、アイスランドの労働人口の1%強に当たる2500人が参加しました。調査の結果、ほとんどの職場で生産性やサービスは維持または改善されたことが分かりました。この実験を受け、アイスランドの労働組合は労働時間短縮の交渉を実施。同国の労働人口の約86%が労働時間を短縮しているか、労働時間短縮の権利を獲得したといいます。
●オートノミーのウィル・ストロング調査局長は「どこから見ても圧倒的な成功だった」と位置付け、「公務員は週の労働時間短縮のパイオニアになれる。他国の政府もこれを教訓とすることができる」と強調しました。一方、英サルフォード大学のダイガ・カメラーデ准教授はCNN Businessの取材に対し、今回の実験には期待が持てるものの、公務員は民間に比べて労働条件が良いこともあり、それが調査に影響を及ぼしている可能性もあると指摘しています。
2021年07月08日 09:22