労災認定で厚労省が厳格基準 労働時間、過小算定の恐れ!(令和4年2月1日.中日新聞)
厚生労働省が昨年、過労死などの労災認定をする際の労働時間の算定について、一定条件下の仮眠を除外したり、持ち帰り残業で極めて厳しい基準をとったりするよう全国の労働基準監督署に通達していたことが分かりました。●労働時間のとらえ方が労災被災者らの救済を目的とする労災保険法でなく、法令を守らせる労働基準法に基づいていることを問題視する声も聞かれます。労働時間が実態より過小に算定され、労災の「不認定」の増加につながる恐れがあります。厚労省の意図について、過労死問題に取り組む弁護士でつくる「過労死弁護団」は「働き方改革と言いながら、労災認定が増えるのは不都合だからではないか。(労働者より)経営側に立つ政権の意向に沿うためもある」と推測しています。
●通達は厚労省労働基準局補償課が昨年3月30日付の「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集」です。機密扱いですが、家族を過労死で亡くした遺族ら関係者の情報公開請求で明るみに出ました。労働時間の調査の留意点のほか、教育訓練や出張、警備員らの仮眠時間、持ち帰り残業などへの対応指針を示しています。
2022年02月01日 09:33