東京ディズニーランドで労災認定 着ぐるみで腕に激痛!(令和4年4月4日.朝日新聞)
東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)でキャラクターの着ぐるみを着てショーやパレードに出演していた契約社員の女性(28)が、腕に激痛が走るなどの疾患を発症したのは過重労働が原因だったとして、船橋労働基準監督署(同船橋市)が労災を認定していたことが分かりました。●認定は8月10日付。遊園地のショーなどの出演者が出演中の転倒などによる負傷で労災認定されるケースは少なくありませんが、事故によるけがでない疾患は過重業務との医学的な因果関係の判断が難しく、労災が認められる例は珍しいといいます。女性は2015年2月から、様々なディズニーキャラクターに扮してショーやパレードに出演していました。女性によると、2016年11月ごろから左腕が重く感じ、手の震えが止まらなくなりましたが、休みを取りにくく出演を続けたといいます。2017年1月に入って症状は悪化。左腕をあげると激痛が走り、左手を握っても感覚がなくなったという。病院で診察を受け、神経や血流の障害で痛みが出る「胸郭出口症候群」と診断されました。治療のため休職し、しばらくは自由に腕を動かせなかったといいます。
●雇用契約は1年ごとの更新で、2016年11~12月のパレードの出演回数は計50回にのぼった。2016年末に出演したクリスマスパレードの衣装は首の動きが制限され、重さが10キロ近くありました。この衣装を着て、1回45分のパレードの間、両手を顔より上にあげているよう指示されていたといいます。2年弱の出演期間中に20~30キロの衣装を着ることもあったといい、首から肩、腕にかけて負荷がかかる業務に継続的に従事したことが発症の原因と認められました。症状は改善しつつありますが、完治はしていません。女性は業務量を減らしての復職を求めています。TDLを運営するオリエンタルランドの広報部は取材に対し、「あってはならない残念なことで、真摯(しんし)に受け止めています。トレーナーの配置やコスチュームの改善など、これまでの対策に万全を期していく」としています。
2022年04月04日 09:19