JR運転士の「労働の事実認めて」 1分間分の未払い賃金”56円”支払い命じる判決!(令和4年4月21日.RSK山陽放送)
争っていたのは1分間分の賃金「56円」です。JR西日本の運転士が「労働の事実を認めて欲しい」と未払い賃金を求めて会社を訴えた裁判の判決が言い渡されました。岡山地裁は、会社側に56円全額の支払いを命じました。この裁判は病気のため今月3日に亡くなった運転士・和田博文さんがJR西日本を相手に起こしたもので、和田さんの死後代理人の弁護士が引き継いでいます。●訴状などによりますと和田さんは一昨年6月、岡山駅で回送列車を車庫に移動させる作業を担当。しかし、到着ホームを間違えたことで作業の完了が1分間遅れました。和田さんは給料から1分間分の賃金と残業代をカットされましたがその金額は56円。和田さんは「業務上のミスに対する賃金カットは不当だ」として56円と慰謝料など約220万円の支払いを求めていました。裁判でJR西日本側は「1分間の作業は、会社が指示したことを行わずに生じたもので労働には当たらない」などと主張してきました。きょう岡山地裁が下した判決は、56円全額の支払いをJR西に命じました。判決理由について岡山地裁は「指示をしていない労働であっても会社側が拒絶せずに労務の提供を受けた場合には賃金請求権が発生する」などとしています。
●慰謝料については「金銭を持って慰謝しなければならないほど違法な行為とはいえない」と原告の主張を退けました。閉廷後、原告側の弁護士と和田さんが所属していた労働組合が記者会見を開きました。(西山 あかね弁護士)「(判決は)当然の結果だと思う。亡くなられた原告も報われると思いますし、労働組合の活動として会社の体質改善を求めるというところでも、非常に意義があることではないかと」(JR西日本労働組合 中央本部 前川 誠 書記長)「会社の方も非を素直にちゃんと認めて、和田さんに謝罪をするなりきちんと対応をしてほしい」判決に対しJR西日本岡山支社は控訴しない方針ですが「和解に至らなかったことは残念」とコメントしています。
2022年04月21日 13:46