無給で時間外労働、月80~160時間超 保育園に残業代790万円支払い命令!(令和4年5月12日.京都新聞)
京都市左京区岩倉の保育園「セヴァ子ども学園」に勤務していた男性保育士(53)が、保育園側に未払いの残業代などを求めた訴訟の判決が令和4年5月11日、京都地裁であり、児玉禎治裁判官は、園側に計約790万円の支払いを命じました。●男性は、同保育園に約15年間務めていましたが、勤務中は休憩が取れない上、月80~160時間超の時間外労働を無給で行っていたなどとして、2018~20年分の未払いの残業代と、自身で負担していた定期健康診断費用の支払いなどを求めていました。一方、園側は男性が管理監督者の地位にあるため残業代などの支払い義務はないと主張していました。
●判決理由で児玉裁判官は、職務内容や責任の程度などから男性は管理監督者に当たらないとした上で、園では人員が不足し、クラスを1人で担任したため休憩時間も現場を離れられなかったと指摘。ほとんどの保育士が毎日、残業しており、「男性のタイムカードが示す労働時間は正確」と認定しました。健診費用も事業者が負担すべきであるとしました。男性は「判決を聞いてほっとした。園に残っている他の職員たちが安心して働けるようになってほしい」と話しました。セヴァ子ども学園は、園の監査を巡る京都市の汚職事件で今年2月、園長で運営法人の理事長が逮捕されています。
2022年05月12日 09:03