外国人労働者に特化した統計を新設へ…賃金・勤務形態など把握、待遇改善に活用!(令和4年6月30日.讀賣新聞)
厚生労働省は、国内企業で勤務する外国人労働者の賃金や勤務形態、労働時間などを把握できる統計を来年度に新設する方針を固めました。外国人労働者に特化した統計が整備されるのは初めてです。統計は労働市場の分析や政策立案の基盤データと位置づけられ、外国人労働者の待遇改善や就業支援、専門性の高い人材と企業のマッチングなどに活用します。同省は来年度の概算要求に関連費用を盛り込む方針です。●同省によりますと、昨年10月時点の外国人労働者は約172万7000人で、9年連続で過去最多を更新。国内全労働者の3%程度を占めています。新型コロナウイルスの感染拡大から経済活動が回復すれば、就労者数はさらに増えると見込まれます。労働市場における割合も、少子化に伴い日本人労働者が減少する中で、相対的に高まっていくとみられています。外国人労働者を巡っては、同省が集計する「外国人雇用状況の届出」で、技能実習や永住者といった在留資格別の人数が把握できるにとどまります。賃金については、賃金構造基本統計調査の一部に外国人のデータが含まれていますが、サンプル数が少ない上に勤続年数と昇給の関係など詳細な内容がないため、労働実態の把握は困難でした。
●新統計は日本人労働者との比較を可能にするため、同省が従来実施している雇用動向調査などと同様の事項を盛り込みます。
具体的には、
▽正規・非正規など雇用形態別の労働者数
▽賃金
▽労働時間
▽離職率
などを数値化し、産業別や企業規模別、都道府県別に示します。個々の外国人労働者や勤務先の事業所に対する調査は来年度から年1回実施します。国籍や在留資格・期間のほか、職種や収入、昇給、勤続年数、社会保険への加入状況など雇用・労働に関する項目を中心に調べます。母国での学歴、親族への仕送り額といった外国人に特有の項目も設けます。調査方法としては、外国人を雇用している事業所を通じて調査票を送付するほか、直接回答できる多言語対応の専用サイトを新設します。調査の詳細な内容は現在、同省の有識者研究会で検討中で、総務省の承認を得て決定することになります。
2022年06月30日 09:20