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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

最低賃金、過去最高の31円引き上げ…急激な物価高対応で全国平均961円に!(令和4年8月2日.讀賣新聞)

今年度の最低賃金(時給)の目安を決める中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は令和4年8月1日夜、引き上げ額の目安を全国平均で31円と決めました。急激に進む物価高を背景に引き上げ幅は28円となりました昨年度を上回り、過去最高額を更新しました。上昇率も3・3%で過去最大となりました。目安通りに改定されれば最低賃金の全国平均は961円(現在は930円)となります。東京都、神奈川県に次いで、大阪府で初めて1000円台に到達します。

●最低賃金は2016年度以降、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞で上昇率が0・1%にとどまりました2020年度を除き、政府方針に沿って3%程度引き上げられてきました。これまでは2016年度が3・1%で過去最大でしたが、今年度はそれを上回りました。 小委員会は、各地の経済状況や物価を踏まえ、都道府県をA(東京、神奈川、大阪など6都府県)、B(茨城、静岡、兵庫など11府県)、C(北海道、徳島、福岡など14道県)、D(青森、愛媛、鹿児島など16県)の4グループに分けて目安を提示。今回はA、Bを各31円、C、Dを各30円の引き上げとしました。

●今年度は、ロシアのウクライナ侵略に伴う物価高や急激な円安などで労働者の生活が 逼迫ひっぱく していることを背景に、労使とも最低賃金を引き上げる方向で認識が一致していました。しかし、労働者側が大幅な引き上げを求めたのに対し、使用者側は原材料高による収益圧迫などを理由として上げ幅の抑制を主張。労使双方の代表と公益委員(学識者)による協議が7月25日まで計4回行われましたが、目安が示されない異例の事態となっていました。厚労省や公益委員によりますと、8月1日午後に開かれた5回目の協議では、公益委員が引き上げの基準として「3・3%」を提示。労働者側は「最低賃金が最も低い県でも、時給950円を上回らなければ単身者でも生活ができない」として全体の引き上げを求める声が出た。使用者側からは近年の大幅な引き上げについて「中小企業の経営実態を十分に考慮していない」との苦言が呈される場面もあったといいます。協議は夜間まで続けられ、最終的に労使双方が公益委員の提示に沿って折り合う形となりました。
2022年08月02日 09:38