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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

障害者雇用率、現行2.3%から段階的に2.7%に引き上げ!(令和5年2月21日.NHKnews)

厚生労働省は企業が雇用すべき障害者の割合(障害者雇用率)を現行2.3%から、2026年7月にかけて段階的に3年後には2.7%に引き上げることを決めました。

●5年ごとに見直す現在の障害者雇用促進法を改正しない限り、次回の雇用率引き上げが議論される際は、3%の大台が視野に入ることになります。従業員1万人規模の企業にとって、0.3%の増加は30人の雇用増となります。引き上げは2段階に分けて行い、
▽2024年4月に2.5%とし、
▽2026年7月に2.7%にします。
また、
▽国や地方公共団体の雇用率は現在の2.6%を3年後に3%、
▽教育委員会は現在の2.5%を3年後に2.9%に引き上げます。

●審議会では、障害者団体から雇用率の引き上げにあわせた対応の強化を求める声が上がった一方、企業側からは数字の達成のみを優先すると雇用の質の向上が難しいとして率の設定や引き上げる時期への懸念も出されました。こうした意見も踏まえ、会議の冒頭に厚生労働省が示した案では2.7%への引き上げ時期を3年後の4月としていましたが、結局、3か月後の7月となりました。厚生労働省によりますと去年6月時点で企業で働く障害者は61万人余りと増え続けていますが、雇用率を達成した企業は48%にとどまっていて、厚生労働省は障害者の雇用を増やす企業への助成金を拡充するなどの対応も進めることにしています。

●障害者雇用に詳しい慶應義塾大学の中島隆信教授は「障害者雇用は、数合わせのように雇用率を達成する「量」の時代から、企業の収益に貢献する業務に関わってもらうために、仕事の内容を見直す「質」へと転換してきている。機械的な雇用率の引き上げだけでなく、幅広い視点から議論を行っていくべきだ」と指摘しています。そのうえで、「障害者雇用の場では、調子の波が出てしまう精神障害、発達障害の人たちの働く場を、どう広げるかが課題となっている。そうした人たちを1つの企業、部署で雇うのは難しいので、複数の障害者を複数の企業で雇い、その日に調子のいい人が働くなど、「働き方」の方法を考えていくことが必須になってくる」と話していました。
2023年02月21日 09:28