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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

妊娠・出産・復職の1年以内の降格「違法」マタハラ、厚労省が基準決定!(平成27年4月10日・朝日新聞)

マタニティーハラスメントをめぐり、厚生労働省は、妊娠や出産、復職などから1年以内の降格や契約打ち切りなどの不利益な取り扱いは、原則として男女雇用機会均等法などに違反すると判断することを決定し公表しました。マタハラをめぐる指導が厳しくなることで、企業は対策を迫られそうです。

●企業はたとえ「本人の能力が低い」などの理由をつけても、妊娠や出産、復職から1年以内は、社員にとって不利益な取り扱いは違法とされることになります。妊娠前から能力不足について指摘がされ、機会もあったのに改善の見込みがない場合などを例外として示しました。

►One-point
今回の基準を決定した直接のきっかけは、2014年10月23日の最高裁判決といいます。妊娠中に負担の少ない業務に移ったことをきっかけに降格させることは原則違法とする主旨の判例です。

参考: 10月23日最高裁判例
妊娠を理由にした降格は、男女雇用機会均等法に違反するとして、広島市の病院に勤めていた理学療法士の女性が運営元に約170万円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は10月23日、均等法に違反すると判断、女性側敗訴とした1、2審判決を取り消し、審理を広島高裁に差し戻しました。
◎女性は2004年4月に勤務先のリハビリテーション科副主任となりましたが、第2子を妊娠した2008年2月に軽い業務への転換を希望。翌月付で副主任の地位を外され、女性は2011年10月、退職しました。最高裁が2審の結論を変える際に必要な弁論を開いた際、女性の代理人は「降格を簡単に許せば、出産する選択を踏みとどまらせる可能性もある」などと主張。病院側代理人は「裁量権を逸脱していない」と訴えていました。この日の弁論で、女性は「妊娠したために、なぜこのような目に遭わなくてはならないのかと苦しんだ」との陳述書を提出。代理人の弁護士は「降格を簡単に許せば、出産する選択を踏みとどまらせる可能性もある」と訴えました。一方、病院側代理人の弁護士は「降格は、本人の同意も得ており裁量権を逸脱していないことは明らかだ」と述べていました。

2015年04月10日 15:52