残業代ゼロ法案導入アンケート:労働基準監督官の過半数が「反対」!(平成27年4月6日・毎日新聞)
高年収で専門的な業務に就く労働者を労働基準法の時間規制から除外する「残業代ゼロ制度」について、労働組合の全労働が労働基準監督官にアンケートを実施したところ、過半数が「反対」と答えたことがわかりました。アンケートは、現場で働く労働基準監督官約2000人を対象に昨年11月に実施し、1370人からの回答を基にしたアンケート結果です。●同制度を盛り込んだ労働基準法改正案が平成27年4月3日に閣議決定され、厚生労働相は同案を今国会に提出しますが、「身内」の監督官にも反対の声が根強いという実態が浮かびあがりました。
►ポイント
・ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に対する意見
「賛成」は13.3%
「反対」は53.6%、
「どちらとも言えない」が33.1%で、反対が半数を超えています。
・同制度の導入による影響についての意見
「長時間・過重労働がいっそう深刻化する」が73.4%
「長時間労働が抑制され効率的な働き方が広がる」は4.2%
「わからない」が22・4% で、懐疑的な立場が多数を占めています。
►One-point
毎日新聞の取材記事によりますと、東京都内の監督署に勤務する監督官は、に「残業に対する企業の意識を変えないまま労働時間の規制から除外すれば、残業させ放題になる」と制度を批判しています。北関東の監督官は「労働時間の規制は労働者を守るための基本。それを除外することは、監督指導の根拠を失うことにもつながる」と指摘しました。これらのアンケート結果について、厚労省の幹部は「現場の監督官から懸念の声があることは深刻に受け止める。理解してもらう努力が必要だ」と話しています。全労働委員長は「現場を知る監督官の声に耳を傾け、結論を急がずに制度の是非を検討してほしい」と十分な議論を求めています。
2015年04月06日 16:06