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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

裁量労働で過労死の認定 遺族側が立証 三田労基署!(平成28年1月28日.毎日新聞)

証券や国債などの市場情報を提供する東京都内の会社でアナリストとして働き、心疾患で亡くなった当時47歳の男性について、東京都の三田労働基準監督署が過労死として労災認定していたことが分かりました。男性は仕事の進め方などを労働者の裁量に委ね、実際の勤務時間とは関係なく一定の時間を働いたとみなして給料を支払う「裁量労働制」で働いていました。労働時間が重要な判断材料になる過労の労災認定で、労働時間が不明確な裁量労働制の勤労者が過労死と認定されるのは極めて異例なことです。遺族は「裁量労働制で労働実態が分からず泣き寝入りしている遺族はたくさんいると思う。経営者がきちんと労働時間を把握すべきだ」と話しています。

●遺族代理人の棗(なつめ)弁護士によりますと、男性は1996年に入社。市場の動向を分析し、ネットを通して顧客にリポートを発信していました。会社側と合意のうえで裁量労働制で働き、残業は月40時間とみなされていました。2013年7月に倒れ、心室細動で亡くなりました。 過労死の労災認定は、直前の1カ月の残業が100時間を超えるか、発症前2〜6カ月の残業が月平均80時間を超えるのが基準。男性は裁量労働制だったため正確な労働時間を会社側が把握しておらず、みなし残業時間の40時間では労災認定は困難とみられていました。

●遺族側はリポートの発信記録や同僚の証言などを基に男性の労働実態を調べました。遺族によりますと、男性は午前3時ごろに起床して海外市場の動向を分析。午前6時ごろに出社し、朝一番の顧客向けリポートの発信記録はいずれも午前6時40分ごろでした。リポート数は午後5時半までに30を超え、早朝出勤したにもかかわらず「他の従業員より早く帰るな」と注意されたり、高熱でも出勤を命じられたりするなど本人の裁量は実質的になかったといいます。 遺族側は調査から発症前1カ月の残業を133時間、発症前2~6カ月の平均残業を108時間と判断し、2014年8月、三田労働基準監督署に労災認定を申請。同署は2015年3月、労災認定しました。

2016年01月27日 14:00