新潟市民病院「過労が原因」女性研修医自殺、労災認定へ!(平成29年6月1日.毎日新聞)
「残業最多で月251時間」 2016年1月、新潟市民病院の当時37歳の女性研修医が自殺したのは過労が原因だったとして、新潟労働基準監督署は平成29年5月31日、労災認定する方針を決めました。遺族に対しても、方針を通知しています。●亡くなった研修医は木元文(あや)さん。看護助手をしながら医師を目指して勉強を続け、2001年、新潟大医学部に合格。卒業後の2013年から研修医となりましたが、2015年4月に後期研修医として同病院に移ると、救急患者対応の呼び出し勤務が激増。2016年1月24日夜、行き先を告げず一人で自宅を出たまま行方不明になり、翌朝、家族が自宅近くの公園で遺体を発見しました。 新潟県警によりますと、死因は低体温症で、遺体のそばには睡眠薬と飲み終えた酒が落ちていたといいます。自殺前、家族に「人に会いたくない」と漏らしていたといい、県警は自殺と判断しています。 木元さんの夫は2016年8月、「長時間労働による過労と精神疾患が自殺の原因」などとして同監督署に労災を申請しました。木元さんの電子カルテの操作記録から月平均時間外労働(残業)時間は厚生労働省が「過労死ライン」と位置付ける80時間の2倍を超える約187時間、最も多い月では251時間に達していたと主張しました。
●病院側は木元さんが自己申告していた残業時間は月平均約48時間だったと反論。「電子カルテの操作記録の多くは医師としての学習が目的で、労働時間に当たらない」と説明していました。 木元さんの夫は毎日新聞の取材に「労災認定され安心したが、亡くなった人は戻らない。過労死は病院による殺人に等しい」と話しました。「全国過労死を考える家族の会」東京代表で、自らも医師の夫を過労死で亡くした中原のり子さんは「勤務医の過労死は全国的な問題。聖職者意識や犠牲的精神など個人の力で解決できるものではなく、社会的な支援をすべきだ」と話しています。
2017年06月01日 09:31