派遣社員の「同一賃金」、仕組み作り難航 2020年春施行! (平成30年10月4日.朝日新聞)
働き方改革関連法で企業が求められる「同一労働同一賃金」をめぐり、派遣社員の賃金水準の決め方の議論が難航しています。ほかの非正社員と違って給料を払うのが実際に働いている会社ではなく、派遣会社のためです。法律には二つの方式が盛り込まれており、厚生労働省は平成30年10月2日、一方の具体案を初めて示しましたが、一筋縄には進みそうもない状況です。
●同一労働同一賃金は、正社員と非正社員との不合理な待遇差の解消をめざす制度です。非正社員はパートや有期雇用、派遣社員などで、厚労省によりますと、派遣社員は2017年6月時点で約156万人います。法律が賃金水準の決め方の原則と定めているのが、「均等・均衡待遇方式」と呼ばれる仕組みです。派遣会社が、派遣先の正社員の待遇と比べて派遣社員の賃金を決めます。しかし、派遣社員は派遣先がたびたび変わるため、この方式では職場が変わるたびに賃金が上下しかねません。派遣会社にとって、管理の負担も重くなります。このため例外として、派遣会社が、労働者の過半数で組織する労働組合などと協定を結べば、賃金などの待遇を決められる仕組みも示されています。ただし、派遣社員の賃金が「同種の業務で働く一般労働者の平均額を下回らない」という条件を満たす必要があります。経験や能力に応じて上がる賃金体系も協定で整える等の対応を考慮すれば、派遣先が変わっても賃金が変わりにくいといえます。
2018年10月04日 09:26