スバル社員投身自殺 過労と「上司トラブル」で労災認定!(平成31年1月28日.産経新聞)
SUBARU(スバル)の男性社員=当時(46)=が、上司の厳しい叱責(しっせき)や長時間労働を苦に鬱(うつ)病を発症して自殺し、太田労働基準監督署(群馬県)が男性の自殺を労災認定していたことが分かりました。認定は平成30年8月3日付。
●記者会見した遺族側弁護士によりますと、男性は平成6年にスバル(当時は富士重工業)群馬製作所に入社し、平成25年2月から水質や土壌などの公害防止にかかわる担当になりました。平成28年12月に「自分の力ではどうすることもできない」との遺書を残し、同所の屋上から飛び降り自殺しました。労基署は自殺の原因に上司とのトラブルを認めた。男性は平成28年春ごろから、昇進試験の準備や日常業務について、上司の課長から繰り返し指導などを受けるようになりました。目撃した複数の社員によりますと、「部屋の外に聞こえる大声で叱られた」「上司の前で立たされていた」といいます。
●同年7月からは、新工場建設に向けて業者とのやり取りなどで忙しく、死亡前の1カ月は残業が124時間に及びました。勤務記録上は「残業ゼロ」にしていましたが、スバル側は労災認定後に未払い残業代を認め、平成27年7月から1年5か月間の約408万円の追加支給をしています。弁護士を通じて、男性の長男(13)は「さみしくて何も考えられない」、長女(11)は「私の心の傷は一生消えない」とのコメントを寄せています。スバルは「心よりお悔やみ申し上げたい。大変遺憾に思い、従業員の健康確保に一層の配慮をする」とコメントしました。