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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

失業給付の受け取り2カ月から短縮を検討 首相明言、転職を後押し!(令和5年2月20日.朝日新聞)

仕事を失った人に国が支給する失業給付について、政府は自己都合で退職した人にのみ、受け取りまで2カ月超の時間がかかる今の仕組みを見直す検討に入りました。政府の「新しい資本主義実現会議」で岸田文雄首相が「労働移動を円滑化するため、自己都合で離職した場合の失業給付のあり方の見直しを行う」と述べました。

●失業給付は、仕事を失った後にハローワークで手続きをすることで、直近の賃金の5~8割程度の金額を90~150日間にわたり受け取ることができます。ただ、自己都合で退職した人は、手続きを始めてから実際に失業給付を受け取るまで、2カ月超の制限期間が設けられています。解雇や倒産など会社の都合による失業と同程度の保護が必要だと認めるには、勤め先を辞めてから一定の期間にわたり失業が続いている必要があるとの考えです。

●政府は、新たな技能を習得するリスキリングや労働移動を通じて、働き手の賃上げを進めたいとしています。働き手が自発的に転職できるようにするため、失業給付の制限期間の短縮や撤廃について「慎重に検討すべきではないか」と、この日の会議で示しました。6月末までに策定する指針に盛り込むかを検討する方針です。

●他の発言
・公的セクターや政府調達に参加する企業で働く人の賃金を引き上げる
・中小企業の賃上げ実現へ、生産性向上や下請け取引の適正化、価格転嫁を促進する
・フリーランスの取引適正化も強化する
・今後も必要な政策対応に躊躇(ちゅうちょ)なく取り組む-物価高対策
・将来世代への責任として対応する-防衛費増の財源
・国家戦略として資産形成支援、長期的には運用収入そのものの倍増も見据える
・2025年をめどに全都道府県で自動運転の社会実験実施目指す
 
2023年03月15日 09:57

東京都営交通協力会に是正勧告 労働時間を適正把握せず!(令和5年3月14日.産経新聞)

東京都交通局から都営地下鉄の駅業務などを受託している一般財団法人「東京都営交通協力会」(江東区)が、労働時間を適正に把握していなかったなどとして、東京労働局などから相次いで是正勧告や是正指導を受けていたことが令和5年3月13日分かりました。

●協力会によりますと、都営地下鉄の駅に勤務する職員の出勤、退勤時間を記録しておらず、労働時間を把握していませんでした。出勤・退勤時に労務責任者が行った点呼の時間も記録がありませんでした。このほか、時間外労働に対する割増賃金の未払いも判明。亀戸労働基準監督署から労働安全衛生法に基づく是正勧告を受けました。また、職員を募集する際、応募者に労働条件を適正に明示していなかったなどとして、東京労働局から職業安定法に基づく是正指導を受けたといいます。協力会の担当者は「是正勧告、是正指導を受けたことは真摯(しんし)に受け止め、必要な改善、対応を的確に取っていきたい」としています。
2023年03月14日 12:29

健康保険証廃止、マイナに一本化 カードなしは資格確認書で診療!(令和5年3月13日.共同通信)

政府は、健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に一本化し、マイナンバーカードを持たない人は「資格確認書」で保険診療を受けてもらうとしたマイナンバー法など関連法改正案を閣議決定しました。ただ確認書は有効期間最長1年の更新制とし、患者の窓口負担もマイナ保険証より重くする方針です。2024年秋の実施を目指しますが、カード取得の「事実上の義務化」との指摘が出ています。

●確認書は健康保険組合などが本人の求めに応じて発行します。カードはあっても保険証機能を持たせていない人も必要で、カードを紛失した人や更新手続き中の人も対象となります。経過措置として現行保険証を最長1年間は使えます。改正案には他にもカード取得促進策を盛り込みました。顔つきの変化が早い1歳未満は顔写真なしで申請できるようにします。成人のカードは発行から10回目の誕生日まで有効ですが、この場合は5歳の誕生日までを想定しています。マイナンバー制度の有効活用も図ります。行政機関が把握済みの住民の口座を、公金受取口座として登録する制度を設けます。
2023年03月13日 11:52

「ごはんですよ!」の桃屋に是正勧告、36協定結ばずに「時間外労働」!(令和5年3月9日.livedoorNEWS)

主力商品「ごはんですよ!」で知られる食品メーカー「桃屋」(東京都中央区)が、36協定を結ばずに時間外労働をさせていたなどとして、中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが令和5年3月7日までにわかりました。勧告は2月20日付。

●桃屋は36協定を未締結のまま従業員に時間外労働や休日労働をさせていたほか、就業規則に定期昇給の定めがあるのに、定期昇給が廃止されても就業規則の変更がされないなどの法令違反が指摘されたといいます。また、適正な労働時間管理のための対策を講じることなどの指導があったとされます。

●こうした是正勧告について、事実確認のため取材を申し込んだところ、同社は次のように文書で回答しました。「所轄労働基準監督署から是正勧告を受けたことは事実でございますが、ご指摘頂きました内容につきましては、労働基準監督署および外部専門家へ相談しご指導を頂きながら現在社内で適宜対応している状況であり、個別の回答については控えさせていただきたく存じます」
2023年03月09日 12:56

韓国、わずか5年で「夕方のある暮らし」危機に…集中労働で休む権利後回し!(令和5年3月9日.Yahoo!ニュース)

韓国での話ですが、政府が労働時間を柔軟化することを核とする「労働時間制度改編案」を令和5年3月6日に確定したことで、「夕方のある暮らし」をスローガンに2018年から実施されてきた週最大52時間労働の枠組みが、わずか5年で大きく揺らいでいます。改編案は延長労働の時間管理の単位を拡大する一方、選択労働制と弾力労働制も柔軟化し、仕事が集中する時期に週52時間以上働き、代わりに休暇の活性化で休息権を保障するとする内容が盛り込まれています。政府は改編案について「労働者の選択権(時間主権)、健康権、休息権を保障するためのもの」と説明しています。労働界は「労働権、健康権、休息権なき三無の残業法」(職場パワハラ119)として強く反発しており、経営界は「古い法と制度を改善する労働改革の出発点」(経営者総協会)として歓迎しています。

●政府が示した改編案の核となる延長労働の時間管理単位の拡大は、現在は週単位(12時間)のみが使える延長労働時間を月(52時間)、四半期(140時間)、半年(250時間)、年(440時間)単位も使えるようにし、特定の日、週、月、四半期などに自由に集中できるとする内容です。選択肢は2つ。(1)週最大64時間労働を、退勤と出勤の間の11時間連続の休息なしで勤務するか(2)週64時間以上の労働で、11時間連続休息権が与えられるかです。雇用労働部のイ・ジョンシク長官は、このような延長労働時間管理を説明しつつ、「労働時間の選択権を拡大したもの」だと語っています。ただし労働現場での延長労働の柔軟化は、結局は使用者の意思により労働時間を不規則に増やすことになると懸念されます。民間公益団体「職場パワハラ119」は改編案について「(政府の提案した)11時間連続休息制度なき64時間労働においては、午前4時退勤、午前9時出勤で週4日連続労働も可能となる」と説明した。また「政府の主張どおり自律と選択だというなら、労使が対等に労働時間を決められるようになっていなければならないが、韓国の労働者の86%には労働組合がなく、労働時間を決めるべき労働者代表は社長の弟や営業本部長だ」と批判しました。政府はこのような懸念に対して、労働者代表の民主性と代表性を強化する方策を改編案に組み込んでいます。

●改編案はまた、「業務に対するかなりの裁量が認められる高所得・専門職、一定規模以上の株を持つスタートアップの労働者」には、延長労働を制限したり、延長労働手当てを支給しなくてもよい「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を検討することも研究課題として設定しました。また、選択労働制の精算期間を全業種について1カ月から3カ月へと拡大しましたが、当初は労働者の時間選択権を強調しているこの制度では、週40時間以内は延長労働手当てなしに労働時間を柔軟化するなど、悪用される恐れがあるとの懸念が生じています。労働時間の柔軟化は「集中労働」を招き労働者の健康を害するとの懸念に対して、政府が用意した「健康保護装置」は、どのようなケースであっても4週間の週平均労働時間は64時間以内とし、1週間で労働時間が64時間以上になる場合は11時間連続休息権を付与するというものです。これは、平均の労働時間は制限できるものの、日単位、週単位での不規則な労働がもたらすリスクは依然として残ります。特に注目すべきは、弾力的労働時間制(特定の労働日・週の労働時間を延長するのではなく、特定期間の平均労働時間を週40時間とするもの)を実施すれば、本来はあらかじめ定めておくべき労働時間を「機械の故障、業務量の急増などの避けられない理由の発生時に事後的に変更できるように」するという内容が改編案に含まれていることです。不規則労働に加え「突発労働」も可能となるわけです。ソウル聖母病院職業環境医学科のキム・ヒョンニョル教授は「長時間労働そのものも問題だが、突発労働、不規則労働が健康に及ぼす影響も大きい」とし、「この間の研究結果をみれば、日単位、週単位で不規則に労働する人々は不安障害が深刻化する。週当たり労働時間が7日前に比べて10時間増えると、心血管疾患の危険性が大きく高まる」と語っています。

●2018年7月から実施されている週最大52時間労働は、弾力労働制の拡大や30人未満の事業所に対する事実上の適用除外により、現在も完全に実施されているとはいえません。ただし「週に最大52時間働ける人の時間に合わせて仕事のやり方を変えなければならない」という認識は広がり、それによって実際の労働時間も減ってきています。制度実施前の2017年には244万7千人にのぼった週52時間以上働く労働者は、2021年には100万1千人と半数以下に減少しています。ただ、依然として経済協力開発機構(OECD)の平均(1716時間)に比べ、韓国の年間労働時間(1916時間)は200時間ほど長い。実労働時間の削減の必要性は依然として残っているわけです。 政府は実際の労働時間の削減に向けて「労働時間貯蓄口座」の導入などによって長期休暇を取りやすくする制度的基盤を築くことを決めています。「団体休暇、長期休暇の活性化のための国民キャンペーン」などで、人の顔色をうかがわない休暇取得の拡大を図る計画です。ただし年次有給休暇の消化率は、2021年には58.7%にとどまるほど、休暇取得は活発になされていません。これは延長・休日労働に対する手当てが賃金のかなりの部分を占めるという、ゆがんだ賃金構造が大きく影響しているが、これに対する対策は改編案にはない。イ・ジョンシク長官は「ゆがんだ賃金体系が長時間労働を強めている面があるが、これは共生賃金委員会で別途議論する」と語っています。ソウル科学技術大学のチョン・フンジュン教授は「政府が労働市場の柔軟化を強調しているうえに、制度適用も複雑なため、特定の週に過度に働き休むべき時には休めないなど、制度が乱用される恐れがある」とし、「特に仕事量の変動にともなう労働時間の柔軟化の必要性が大きく、延長労働がなければ賃金が少ない小規模な事業所では労働時間が増える一方、大企業や公共機関のような労働組合がある事業所は大きな影響を受けないため、労働時間の両極化が起きる可能性もある」と語りました (パン・ジュンホ、チャン・ヒョヌン記者)。
2023年03月09日 12:46

雇用調整助成金コロナ特例、3月末ですべて終了 厚労省!(令和5年3月3日.日経新聞)

厚生労働省は、従業員の休業手当を払う企業を支援する雇用調整助成金で、新型コロナウイルス禍で設けた特例を3月末にすべて終了することを正式に決めました。

●給額の上乗せに続き、支給要件の緩和も終える。支給額が6兆円を超え、約3年と長引いた雇用の下支え策は、労働力の円滑な移動を阻んだと指摘されます。副作用を含めた検証が欠かせません。同日に開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会に特例の終了を諮り、了承されました。3月中に省令を改正し、4月からは通常の支給要件に戻します。支給対象かどうかを決める売上高の落ち込みに関し、特例として一部でコロナ禍前との比較を認めるなどしていたのを改め、前年水準との比較とします。雇調金は一時、1人あたりの1日の支給上限額を1万5000円まで引き上げていました。すでに2月から通常の8355円に戻しています。雇用保険の被保険者以外の労働者を助成対象としていた特例も3月末で終えます。政府はコロナ禍による失業の増加を抑えるため、2020年に雇調金の特例を設けて、雇用を維持する企業への支援を拡大しました。その後の完全失業率は2〜3%程度で推移しています。厚労省は雇調金などにより、20年4〜10月の完全失業率を2.6ポイント分抑制できたと試算しています。

●労働政策研究・研修機構によりますと、米国の失業率は一時14%程度まで上がり、英国やフランスも5%を超えました。日本は失業率が5%台に達したリーマン・ショック時と比べても、雇用への打撃を抑えることができました。一方、雇調金の支給額上乗せや支給要件の緩和が長引いたことで副作用も生じました。企業が雇調金を支えに従業員を抱え込む「雇用保蔵」が起き、情報通信などのデジタル分野や介護、医療といったサービス需要が拡大する産業への人材移動を阻害したと指摘されます。米国と英国はコロナ禍に対応した特別な雇用支援策を2021年中に終了しています。欧州では労働者による新たなスキル取得の支援を充実させ、労働力の円滑な移動や産業の新陳代謝に成功している国も増えています。コロナ禍では企業の雇用維持支援に重点を置く日本の政策の問題点も浮き彫りになりました。財源難も深刻です。令和5年2月24日時点で支給決定件数は770万件超、支給決定額は6兆3000億円を超えました。本来の雇調金向けの財源だけでは足りず、失業等給付のための積立金からの借り入れや一般会計からの繰り入れも余儀なくされています。
2023年03月03日 09:33

ワンクリックで解雇Google日本法人で初の労組が結成 巨大IT企業で続々起きる新たな波!(令和5年3月2日.東京新聞)

巨大IT企業Google(グーグル)の日本法人で働く従業員らが、同法人では初めての労働組合を結成しました。グーグルは昨年約8兆円の利益を上げ業績好調なはずですが今年1月、全世界で1万2000人を解雇すると発表。労組結成はこれに不安をおぼえ、抗議するためです。グーグルに限らず、アマゾンやツイッターなど米国発の世界的IT企業で一方的な解雇が横行していますが、ボタン一つで従業員を消去するかのような手法には批判が集まっています。

●「説明会をやればやるほど組合員が増えています。みなが解雇におびえています。この加速度が不安の裏返しと言える」。東京管理職ユニオンの神部紅あかいさん(41)は、グーグル日本法人の労組の現状をこう語ります。グーグル社は1月20日、全世界の従業員の6%に相当する1万2000人の解雇を発表した。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)の名で全従業員に電子メールが送られ、解雇の対象は「世界のあらゆる地域、全部門に及ぶ」と説明。2月に入ると、今度はグーグル日本法人代表の奥山真司氏から、「3月中に何らかのアクションが起きる」とのメッセージが送られました。「解雇なのか、ただの事業編成なのか。解雇としたら、対象者は誰なのかなど、一切触れられていない。あまりに一方的なやり方だ」と神部さんが従業員の思いを代弁します。東京管理職ユニオンはこれらのメールが送られた2月以降、グーグル日本法人で働く数十人を組織し、支部を結成。グーグル日本法人で労働組合が結成されるのは初で、組合員は50人を超える見込みといいます。

●米国内で待遇や労働環境の改善を求めて労働組合を設立する動きも。昨年4月、米アマゾンで初となる倉庫従業員による労働組合が結成されました。6月にはアップルの米国内店舗で労働組合を結成することが従業員投票で決まるなど動きが広まっています。「労働組合への拒否反応が強い米国で、設立の動きが続いているのは要注目だ」と言うのは、ITジャーナリストの星暁雄氏。「米国流の資本主義では、いつでも、どこでも解雇できる。それを前提に、景気が良い時期には積極的に雇用し、状況が変わればすぐ解雇していた」。だが、昨年来続く大量解雇はこれまでとは状況が違うと話しています。「市場が好調だったIT企業では、解雇されても別の雇用があったが、いまは気楽に構えられる状況ではない」日本での状況について、星氏は「外資系企業の従業員は、ある程度は『いつ解雇されるかわからない』という思いは持っているはずです。しかし今回はさすがに経営者、資本家に都合が良すぎないかという異議が出てきているのだろう」とみます。日本では、解雇は判例や法律で制限されてきました。ただ、「新型コロナによる経済的打撃や技術革新のスピードの高まりもあり、日本型雇用を維持できなくなっている」と神戸大の大内伸哉教授(労働法)は国内の労働環境の変化を指摘する。「日本とは対極に簡単に解雇できる米国はいきすぎだが、今後、解雇が不可避となった際には、次に就職するための訓練などセーフティーネットの整備が重要だ」と強調しています。

●一方で「米国企業だからといって治外法権ではない。労働契約法に基づき、解雇には合理的な理由が必要だ」と指摘するのは龍谷大の脇田滋名誉教授(労働法)。今回の組合結成の動きについて「労働法を空文化させないために、行政の厳格な対応とともに、労組の力が重要。欧州では、組合が団体交渉を通じた解決で大いに力を発揮している」と労働者保護を訴えます。前出のグーグル日本法人のエンジニアの男性は言う。「経営側は従業員のことを考えてくれていると思っていました。ただ、労働者と経営者には緊張関係がないと、結局切られるのは労働者側。組合の必要性を痛感した」と語り、こう続けます。「今まではなれ合いだったが、経営側がある種豹変ひょうへんした。そうなると、こちらも組合という形で武装し、戦わないといけなくなる。黙ってやられっぱなしというわけにはいかない」
2023年03月02日 09:26

労働安全衛生法の省令が改正 2023年4月から一人親方にも保護義務!(令和5年2月27日.厚生労働省)

2023年4月1日の11省令の改正施行により、危険有害な作業をする事業者には、健康障害を防ぐため、作業やその一部を労働者でない一人親方などに請け負わせるときや他の作業に従事する人に対しても保護義務が課されます。

●アスベスト(石綿)や電離放射線などを取り扱う危険有害な作業をするとき、事業者が保護すべき対象が2023年4月1日から「労働者」に当てはまらない一人親方や資材搬入業者などにも広がります。労働安全衛生法の改正省令が施行されるためで、厚生労働省が建設・製造業の関係事業者に周知を図っています。

●一人親方は労働者ではないため、労働安全衛生法では保護対象とはなっていませんでした。改正のきっかけは、石綿のばく露により健康被害を受けた作業員やその家族が国に賠償を求めた「建設アスベスト訴訟」の最高裁判決です。2021年5月に出された判決では、労働安全衛生法上の「労働者」に限らず、個人事業主の「一人親方」らについても、「人体への危険は(法的な)労働者か否かで変わらない」などとして国の責任を認めました。
 
2023年02月27日 09:16

障害者雇用率、現行2.3%から段階的に2.7%に引き上げ!(令和5年2月21日.NHKnews)

厚生労働省は企業が雇用すべき障害者の割合(障害者雇用率)を現行2.3%から、2026年7月にかけて段階的に3年後には2.7%に引き上げることを決めました。

●5年ごとに見直す現在の障害者雇用促進法を改正しない限り、次回の雇用率引き上げが議論される際は、3%の大台が視野に入ることになります。従業員1万人規模の企業にとって、0.3%の増加は30人の雇用増となります。引き上げは2段階に分けて行い、
▽2024年4月に2.5%とし、
▽2026年7月に2.7%にします。
また、
▽国や地方公共団体の雇用率は現在の2.6%を3年後に3%、
▽教育委員会は現在の2.5%を3年後に2.9%に引き上げます。

●審議会では、障害者団体から雇用率の引き上げにあわせた対応の強化を求める声が上がった一方、企業側からは数字の達成のみを優先すると雇用の質の向上が難しいとして率の設定や引き上げる時期への懸念も出されました。こうした意見も踏まえ、会議の冒頭に厚生労働省が示した案では2.7%への引き上げ時期を3年後の4月としていましたが、結局、3か月後の7月となりました。厚生労働省によりますと去年6月時点で企業で働く障害者は61万人余りと増え続けていますが、雇用率を達成した企業は48%にとどまっていて、厚生労働省は障害者の雇用を増やす企業への助成金を拡充するなどの対応も進めることにしています。

●障害者雇用に詳しい慶應義塾大学の中島隆信教授は「障害者雇用は、数合わせのように雇用率を達成する「量」の時代から、企業の収益に貢献する業務に関わってもらうために、仕事の内容を見直す「質」へと転換してきている。機械的な雇用率の引き上げだけでなく、幅広い視点から議論を行っていくべきだ」と指摘しています。そのうえで、「障害者雇用の場では、調子の波が出てしまう精神障害、発達障害の人たちの働く場を、どう広げるかが課題となっている。そうした人たちを1つの企業、部署で雇うのは難しいので、複数の障害者を複数の企業で雇い、その日に調子のいい人が働くなど、「働き方」の方法を考えていくことが必須になってくる」と話していました。
2023年02月21日 09:28

失業給付の受け取り2カ月から短縮を検討 首相明言、転職を後押し!(令和5年2月20日.朝日新聞)

仕事を失った人に国が支給する失業給付について、政府は自己都合で退職した人にのみ、受け取りまで2カ月超の時間がかかる今の仕組みを見直す検討に入りました。政府の「新しい資本主義実現会議」で岸田文雄首相が「労働移動を円滑化するため、自己都合で離職した場合の失業給付のあり方の見直しを行う」と述べました。

●失業給付は、仕事を失った後にハローワークで手続きをすることで、直近の賃金の5~8割程度の金額を90~150日間にわたり受け取ることができます。ただ、自己都合で退職した人は、手続きを始めてから実際に失業給付を受け取るまで、2カ月超の制限期間が設けられています。解雇や倒産など会社の都合による失業と同程度の保護が必要だと認めるには、勤め先を辞めてから一定の期間にわたり失業が続いている必要があるとの考えです。

●政府は、新たな技能を習得するリスキリングや労働移動を通じて、働き手の賃上げを進めたいとしています。働き手が自発的に転職できるようにするため、失業給付の制限期間の短縮や撤廃について「慎重に検討すべきではないか」と、この日の会議で示しました。6月末までに策定する指針に盛り込むかを検討する方針です。
2023年02月20日 12:30