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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

高齢者労災防止へ助成制度新設!(令和元年8月26日.共同通信)

働く高齢者の労働災害を防ぐため、厚生労働省は、安全確保に取り組む中小企業を対象とした助成制度を新設する方針を固めました。

●政府は高齢者の就労を促進していますが、同時に労災被害も増えています。安全対策にかかるコストやノウハウの面から対応が遅れがちな中小企業を支え、高齢者が安心して働ける環境を整えるのが狙いです。来年度予算の概算要求に盛り込む方針です。

●若者に比べて体力や注意力が低下する高齢で働く人が増えるのに伴い、労災の被害に遭う高齢者は増えています。厚労省によりますと、2008年の60歳以上の労災死傷者(休業4日以上)は約2万3千人で、2018年には約3万3千人に増えています。
2019年08月26日 09:31

新入社員2人に労災認定・セクハラや長時間労働でうつ病!(令和元年8月22日.日経新聞)

神奈川県厚木市の外壁塗装会社ユーコーコミュニティーの新入社員だった女性2人がうつ病を発症したのはセクハラや長時間労働が原因だったとして、労働基準監督署が労災認定したことが8月21日、分かりました。代理人の弁護士らが東京都内で記者会見し明らかにしました。

●弁護士らによりますと、今年1月に平塚労基署、同7月に厚木労基署が認定しました。同社は「元従業員が精神疾患にり患されたことは大変遺憾。労災認定については労基署の調査結果内容を確認できていないのでコメントを差し控える」としています。弁護士らによりますと2人は2017年4月に入社し11月にうつ病を発症。同僚の前で会長から「みんながおまえを嫌いになる」と叱られたり上司に体を触られたりしました。労基署は発症前1カ月の残業時間は85時間を超えていたと認定しました。

●2人は美大出身で技術職希望でしたが、営業担当に配属され、1日当たり200軒を訪問することを課せられました。セクハラ被害を訴えると会長が「セクハラは神様が与えた試練」などと言い、耐えるよう求められたといいます。同社は「女性が活躍できる会社」などとうたっていますが、会見に同席した女性は「長時間労働は当たり前でパワハラ、セクハラも見て見ぬふりの劣悪な環境だった」と話しました。
2019年08月22日 09:12

埼玉県内企業、3分の1が外国人労働者雇用!(令和元年8月20日.日経新聞)

県内企業の3分の1が外国人労働者を雇用していることがぶぎん地域経済研究所の調査でわかりました。外国人労働者を雇用している理由については約6割の企業が人手不足を挙げました。業種別でみますと、製造業は約半数の企業が雇用し、非製造業は2割にとどまっています。調査は県内企業553社を対象に5月上旬に実施し、192社(製造業108社、非製造業84社)から回答を得ました。

●外国人労働者を雇用している企業の割合は35%で、雇用していない企業は65%でした。業種別でみますと、製造業で雇用している企業は47%でした。「金属機械」の100%、「輸送用機械」の70%、「精密機械」の67%が雇用しています。非製造業で雇用している企業は19%でした。外国人労働者を国籍別(複数回答)でみると、中国がトップで52%、次いでベトナム50%、インドネシアとブラジルが17%、フィリピン15%、韓国14%の順で続いています。雇用形態別(同)でみますと、正社員がトップで57%、技能実習生40%、パート・アルバイト27%、派遣社員15%の順。外国人を雇用している理由(同)については「人手不足が深刻なため」がトップで57%、「意欲ある優秀な労働力を確保できる」が54%、「グローバルに対応するため」が22%でした。

●外国人労働者を雇用していない理由(同)については「社内の受け入れ態勢が不十分」がトップで59%、「言葉・コミュニケーションに不安がある」が58%、「外国人に適した業務がない」が42%でした。新たな在留資格による外国人労働者の雇用については「未定」が53%と最も多く、「雇用は考えていない」が29%、「雇用したい」が18%でした。今後の外国人労働者の雇用については「未定」がトップで46%、「雇用は考えていない」が29%、「現状程度で雇用したい」が14%、「現在より増やしたい」が11%でした。
2019年08月20日 09:36

「いじめ・嫌がらせ」最多5599件 個別労働相談!(令和元年8月19日.大阪日日新聞)

大阪労働局は、2018年度の民事上の個別労働相談のうちパワーハラスメントを含む「いじめ・嫌がらせ」件数が、過去最多の5599件あったと発表しました。当事者間の自主的な解決を促す「助言・指導」申し出や、専門家が入って解決を図る「あっせん」申請も過去最多でした。

●民事上の個別労働紛争相談は、個々の労働者と事業主のトラブルの防止や解決を支援する「個別労働紛争解決制度」の一つ。同局によりますと、2018年度の全体数は1万9785件で、前年度比2・4%減。深刻な人手不足の中で「解雇」や「労働条件の引き下げ」などの相談件数は減少した半面、「いじめ・嫌がらせ」は前年度比9・4%増。相談全体に占める割合は、項目別で最も多い25%でした。

●増加の要因として、人手が足りず1人当たりの仕事が増え、職場に余裕がなくなっている点や、人間関係が希薄になっている社会環境などがあるとみており、担当者は「匿名でも大丈夫なのでまずは相談から始めてほしい」と呼び掛けています。
2019年08月19日 16:40

増えるパワハラ相談 18年度の千葉県 労働紛争最多!(令和元年8月13日.日経新聞)

千葉県内で労使間のトラブルをめぐる相談が増えています。千葉労働局の集計によりますと、2018年度の民事上の労働紛争に関する相談件数は前の年度に比べて14%増の8162件にのぼり、過去最多を更新しました。なかでも職場での嫌がらせやいじめなどパワーハラスメント(パワハラ)に関する相談の増加が目立ち、労働局も対応に追われています。

●労働紛争に関する相談内容の内訳をみますと、パワハラを中心としたいじめや嫌がらせが件数全体の32%で最も多く、解雇(12%)、自己都合退職(12%)、労働条件の引き下げ(11%)が続きます。いじめや嫌がらせの相談件数は前の年度に比べて21%増えており、全体の伸び率を上回っています。

●千葉労働局の担当者は「転職に成功した労働者が以前の勤務先で受けたトラブルを相談するケースが目立つ」と話しています。人手不足を背景に転職先の選択肢が増加し、パワハラを受けた職場を辞めやすくなったことで、被害者が泣き寝入りせずに済むようになったようです。
2019年08月13日 16:43

森友改ざん職員自殺「労災」財務省認定、心身とも「過重な公務」!(令和元年8月9日.中日新聞)

学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、決裁文書改ざんを強要されたとのメモを残して昨年3月に自殺した近畿財務局の男性職員=当時(54)=について、近畿財務局が公務員の労災に当たる「公務災害」と認定していたことが、政府関係者への取材で分かりました。認定は昨年冬。肉体、精神面での過重な公務との因果関係があったと判断したとみられます。

●財務省は調査報告書で、文書改ざんは当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官(61)が方向付け、本省が財務局に指示したと明記していました。今回の認定は本省幹部が遺族を訪ねて報告、謝罪したといい、不正を再び起こさない取り組みが問われます。財務省理財局は、国有地の大幅な値引きが報道で知れ渡った後の2017年2月下旬~4月、近畿財務局に指示し、決裁文書から安倍昭恵首相夫人に関する記述や政治家秘書らの働き掛けを示す部分を削除しました。この時期に男性職員は担当の管財部に所属していました。毎月100時間に及ぶ残業実態を親族に漏らしていたとされ、2017年夏ごろから体調を崩し休職。改ざんが発覚した直後の昨年3月7日、神戸市の自宅で自ら命を絶ちました。

●調査報告書は個人を特定していませんが、管財部職員らが改ざん指示に抵抗、反発した経緯や、本省からの照会や取材対応で「多忙を極めた」ことを指摘。こうした経緯を踏まえ、公務災害と認定したようです。財務省は個別の認定案件の詳細を明らかにしていません。佐川氏らは有印公文書変造・同行使容疑などで大阪第一検察審査会の「不起訴不当」議決を受けましたが、大阪地検特捜部は再び不起訴とする方向で検討しています。労働問題に詳しい佐々木亮弁護士の話では、月100時間程度の時間外労働を理由に公務災害を認定したとみられますが、財務省本省からの決裁文書改ざん指示や、本人が抵抗した事情も踏まえた印象を受けます。国民のために働く公務員が不本意なことをする後ろめたさと、発覚時に自分の責任になるのではないかとの思いで、二重に精神的な負荷が高かったはずです。絶望の中で働いていたと想像できます。被害を防ぐには上に立つ者が、民間企業でいう企業倫理を踏まえた指示をし、部下に無用な精神的負荷をかけないようにするべきです。
2019年08月09日 09:25

副業の規制緩和 難航、労働時間通算見直しに反対論!(令和元年8月9日.日経新聞)

副業や兼業をしやすくするため、労働時間の管理を柔軟にしようとしている規制緩和が難航しています。

●政府は全ての職場での労働時間を通算する現行制度の見直しを閣議決定しましたが、過重労働につながるとの声もあり、厚生労働省は慎重な姿勢を示しています。今秋にも議論が本格化する予定ですが、決着は見通せない状況です。
2019年08月09日 08:52

3割の病院「労働環境は改善しない」医師の働き方改革!(令和元年8月8日.日経新聞)

日本の病院の32%が、厚生労働省が進める「医師の働き方改革」では医師の労働環境は改善しないと回答しました。その理由で最も多かったのは「勤務医不足が解消されないから」でした。日本病院会の調査で明らかになったもので、千里リハビリテーション病院(大阪府)院長の塩谷泰一氏が日本病院学会(8月1~2日、札幌市)で報告しました。塩谷氏は、働き方改革を実現するためには「医療の縮小(量の縮減)」か「勤務医の増員」しかなく、これが実行できない病院には「再編・統廃合の道しか残されていない」との見方を示しました。調査名は「勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」で、日本病院会の医療政策委員会が実施しました。期間は、厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会の議論が進んでいた2018年10月12日から12月28日。対象は日本病院会の会員の2478病院で、413病院から回答がありました(回答率16.7%)。開設主体別では、国が27施設、地方自治体が116施設、公的が90施設、医療法人が125施設、その他が55施設でした。同様の調査は2013年、2015年に次ぐ3回目となります。調査内容は、勤務医不足・地域偏在、労働時間・労働賃金、労働基準法遵守、医師の働き方改革の4つの柱からなります。今回は、その一部の結果が公表されました。

●労働時間・労働賃金に関する質問では、以下の点が明らかになりました。宿日直については、「宿直は週1回、日直は月1回を限度」とする労働基準局長通達を遵守できている病院は63%でした。しかし、遵守できていない病院も38%と多い結果でした(回答392病院)。また、労働基準監督署から宿日直許可を受けている病院は49%と半数に達せず、受けていない病院が26%も存在しました(回答405病院)。「不明」も21%でした。宿日直の業務内容については、32%の病院が「勤務中に救急医療などの通常労働が頻繁に行われている」と回答(回答398病院)。「行われていない」は32%にすぎませんでした。「行われている」と回答した病院の88%は、この状態を「不適切と認識」しており、80%は許可の取り消しになることも認識していました。また、宿日直業務に対する賃金の支払いは、13%が「宿日直手当のみ」、62%が「宿日直手当+実労働時間賃金あるいは定額の割増賃金」であり、「全て時間外勤務として割増賃金」は12%に過ぎませんでした(回答304病院)。時間外勤務が月80時間、年960時間を超える医師については、45%が「いる」と回答(回答377病院)。その内訳をみますと、500床以上の病院が76病院と大病院ほど多い結果でした。なお、こうした長時間労働の医師に対しては、院長あるいは所属長による面談を「行っている」は58%で、「行っていない」の42%と拮抗していました。

●労働基準法遵守の項目では、労働基準局から是正勧告を受けたことがある病院は、調査対象の50%と急増しました(回答399病院)。前回調査(15年)では25%、前々回調査(13年)でも32%でした。是正勧告の対象となった労働基準法違反は、労働時間(32条)違反が47%、割増賃金(37条)違反が40%、時間外労働(36条)違反が25%などだった(回答200病院)。調査では、45%の病院が「日本の医療は労働基準法違反を前提として成り立っていると思う」と回答しました(回答392病院)。「思わない」が21%、「分からない」が34%でした。医師の働き方改革に関連した質問では、63%が医師の時間外勤務削減に向け、医師の働き方を見直していました(回答395病院)。その内容は、「医師事務作業補助員の増員」(65.2%)、「チーム医療の推進」(44.0%)、「宿直明け勤務の制限」(38.0%)などが上位でした(回答250病院、複数回答)。一方で、「連続勤務時間の上限設定」(5.2%)、「勤務時間インターバルの導入」」(3.6%)、「宿直回数の上限設定」(2.8%)、「救急受け入れの制限」(1.6%)などは、少数でした。厚労省が緊急的に取り組むべきとした「医師の労働時間短縮に向けた取り組み」について、実施できた項目も尋ねています。その結果は、医師の業務の一部を他職種に移管する「タスク・シフティング」が53%と半数を超えていましたが、それ以外は「36協定の自己点検」(46%)、「女性医師等に対する支援」(41%)、「医師の労働時間管理の適正化に向けた取り組み」(36%)、「医師の労働時間短縮に向けた取り組み」(24%)、「既存の産業保健の仕組みの活用」(13%)と低率でした。また、厚労省が検討している医師の働き方改革の進展で、「労働環境が改善する」と考えている病院は50%にとどまり、「改善しない」が32%でした(回答395病院)。「改善しない」の理由には、「勤務医不足が解消されないから」が81%に上り、「労働基準法を遵守すれば必要な診療体制を維持できない」(66%)、「医療の特殊性が存在するから」(61%)などと続いています(回答128病院)。塩谷氏は、働き方改革には「病院のマネジメント能力の強化・充実が求められる」と強調。改革を実現するためには「提供する医療の『量の縮減』」か、あるいは「勤務医の『数の増員』」しかないとまとめました。そして、これが実行できない病院には「再編・統廃合の道しか残されていない」との見方を示し、発表を締めくくりました。
2019年08月08日 11:56

京アニ事件、労災の対象に・京都労働局長「迅速に対応」!(令和元年8月5日.朝日新聞)

京都労働局の南保(なんぽ)昌孝局長は7月30日の定例会見で、京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件について、「多くの方が就業中に被災された可能性が高い」と述べ、今回の事件が労災にあたり、亡くなった従業員の遺族や、負傷した従業員が補償の対象になるとの見通しを明らかにしました。

●京都南労働基準監督署が労災の観点からすでに調査に着手し、今後、遺族や本人から請求があれば、迅速に対応する方針だといいます。南保氏は「35人もの方が亡くなられ、心を痛めている」と話しています。
2019年08月05日 09:10

公文の先生は「労働者」FC契約めぐり「画期的」判断!(令和元年8月1日.朝日新聞)

フランチャイズ(FC)契約を結んでいる学習塾「公文式教室」の指導者が労働組合法上の「労働者」にあたるかどうかが問われた審査で、東京都労働委員会は7月31日、指導者を労働者と認める判断を示しました。そのうえで、指導者約600人でつくる労働組合「全国KUMON指導者ユニオン」(東京都)が求めた団体交渉に応じるように、公文教育研究会(大阪市)に命じました。

●FC契約をめぐっては、コンビニエンスストアの店主を労働者と認めるかどうかが議論になってきました。同ユニオン代理人の宮里邦雄弁護士は「多様な働き方が増えるなかで、FC契約でも、労働者としての団結権が認められたことは画期的だ」と評価しました。公文教育研究会などによりますと、国内には約1万6千の教室があり、ほとんどの指導者がFC契約を結び、ロイヤルティー(権利使用料)を支払っています。同ユニオンは2015年以降、ロイヤルティーの減額や、教室の近くに新たな教室を開かないことなどを求めて団体交渉を申し入れてきましたが、拒否されていました。

●都労委は今回、教室の指導者の実態を検討。指導方法や教材を自分で選ぶことができず、労働力として事業組織に組み込まれているほか、労務の提供の対価として報酬を受け取っているなどとして、労働者にあたると判断しました。団体交渉の拒否は不当労働行為にあたると認定しました。公文教育研究会は「指導者は独立した事業者」と主張しており、都労委の命令を不服として、中央労働委員会に再審査を申し立てる方針だといいます。
2019年08月01日 09:16