TOP

一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

化学物質扱い、ぼうこうがん発症 5人が労災申請!(平成31年1月29日.毎日新聞)

ウレタン防水材などの原料に使われ、発がん性が指摘されている化学物質「MOCA(モカ)」を仕事で取り扱っていた労働者ら17人がぼうこうがんを発症した問題で、このうち5人が労災申請していたことが、厚生労働省への取材で判明しました。同省は作業状況の確認を進めるなど、仕事と病気の因果関係を慎重に調べています。

●厚労省の昨年10月の集計では、全国7カ所の事業所で、モカの取り扱い作業歴のある労働者と退職者計17人がぼうこうがんを発症していたことが判明。この時点でモカが原因だとする労災申請が一件もありませんでした。このため、同省は7事業所に対し、労働者らに労災制度の周知を求めるなど、労災申請を事実上促す対応を取ったといいます。

2019年01月29日 08:47

スバル社員投身自殺 過労と「上司トラブル」で労災認定!(平成31年1月28日.産経新聞)

SUBARU(スバル)の男性社員=当時(46)=が、上司の厳しい叱責(しっせき)や長時間労働を苦に鬱(うつ)病を発症して自殺し、太田労働基準監督署(群馬県)が男性の自殺を労災認定していたことが分かりました。認定は平成30年8月3日付。

●記者会見した遺族側弁護士によりますと、男性は平成6年にスバル(当時は富士重工業)群馬製作所に入社し、平成25年2月から水質や土壌などの公害防止にかかわる担当になりました。平成28年12月に「自分の力ではどうすることもできない」との遺書を残し、同所の屋上から飛び降り自殺しました。労基署は自殺の原因に上司とのトラブルを認めた。男性は平成28年春ごろから、昇進試験の準備や日常業務について、上司の課長から繰り返し指導などを受けるようになりました。目撃した複数の社員によりますと、「部屋の外に聞こえる大声で叱られた」「上司の前で立たされていた」といいます。

●同年7月からは、新工場建設に向けて業者とのやり取りなどで忙しく、死亡前の1カ月は残業が124時間に及びました。勤務記録上は「残業ゼロ」にしていましたが、スバル側は労災認定後に未払い残業代を認め、平成27年7月から1年5か月間の約408万円の追加支給をしています。弁護士を通じて、男性の長男(13)は「さみしくて何も考えられない」、長女(11)は「私の心の傷は一生消えない」とのコメントを寄せています。スバルは「心よりお悔やみ申し上げたい。大変遺憾に思い、従業員の健康確保に一層の配慮をする」とコメントしました。 

2019年01月28日 09:39

「368万円不当に天引き」保険外交員が代理店提訴 同種訴訟で4社目!(平成31年1月24日.毎日新聞)

保険代理店の元外交員(保険募集人)が、給与から経費などを不当に天引きされたと訴えている問題で、東京都新宿区の保険代理店「グッドウイン」で外交員として働いていた横浜市の男性(32)が約588万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こしました。

●弁護士らへの取材によると同社への提訴が判明したのは初めて。これで同種訴訟の被告会社は4社に拡大しました。男性の代理人を務める大久保修一弁護士が平成31年1月23日、毎日新聞の取材に明らかにしました。訴状によりますと、男性は2016年5月、契約社員として入社。入社時の面接で会社側から、保険の販売で得る手数料収入の8割を本人、2割を会社の取り分とする説明を受けましたが、2018年10月の退社までの2年半に支払われた給料は、支給されるべき額より約368万円低くしはらわれていました。

●男性側は給与支払いの際に会社から示された電子データなどを基に(1)会社に籍を置いているだけで発生する「在籍料」(2)会社が負担すべき社会保険料(3)顧客になる見込みのある人物を外交員に紹介した際に徴収する「情報料」(4)電子機器の使用料――などが不当に天引きされたと主張。退社しようとした際に会社から嫌がらせを受けた慰謝料など220万円を加えた計約588万円の支払いを求めています。男性は現在、別の金融関係の会社で働いています。取材に対し「ピンハネについて社内で話題にしたら、幹部に『辞めてもらって構わない』と言われた。こんな給与体系が容認されているのはおかしい。同じような目に遭っている人は多く、業界は正常化してほしい」と話しています。グッドウインの担当者は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。東京商工リサーチによりますと、同社はさまざまな会社の生命保険や損害保険を取り扱う代理店で従業員約750人。2017年の売上高は約71億円。 

2019年01月24日 12:42

障害者の雇用対策 労政審に原案提示 厚労省、お目付け機能強化!(平成31年1月21日.東京新聞)

厚生労働省は、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会を開き、中央省庁などの障害者雇用水増し問題を受けた障害者雇用促進法の改正に向けた原案を提示しました。厚労省による行政機関へのチェック機能を強める内容です。不正の再発防止を徹底するとともに、責任の明確化を図る狙いがあります。分科会で議論を進め、3月ごろの国会提出を目指します。

●原案は、厚労省が各行政機関に対して実態把握のために報告を求める権限の新設が必要だと明記。現在は厚労省が一括して発表している障害者の雇用状況について行政機関ごとに公表することで責任を明確化することや、障害者手帳の写しといった関係書類の保存を義務化するよう求めました。雇用の質の確保に向けては、採用や職場環境に関する計画策定や、障害者の相談や指導に当たる「生活相談員」の選任などを規定することとしました。

●民間企業の雇用促進策についても議論しました。現行では法定雇用率に算入されるのは労働時間が週20時間以上の障害者で、この枠組みは維持する方針です。一方で、短時間であれば働くことができる障害者の雇用を促進するため、採用する企業への給付金制度の創設を盛り込みました。中小企業対策では、積極的な取り組みを認定する制度を新設。評価する項目案として障害者の職場定着状況などを示しました。厚労省は(1)行政機関への立ち入り調査の実施(2)行政機関が障害者を解雇した際の届け出の義務化。といった内容も検討していますが政府内で調整中のため、この日は明記しませんでした。 

2019年01月21日 10:33

中小企業の4割、残業規制知らず=働き方改革で調査-日商など!(平成31年1月11日.時事通信)

4月から順次施行される働き方改革関連法に盛り込まれた時間外労働の上限規制について、中小企業の4割が知らないと回答したことが、日本商工会議所などが調査で分かりました。

●正社員と非正規の待遇差解消を図る同一労働同一賃金については半数近くが知らず、日商などは、「法律のさらなる周知が必要だ」と危機感を募らせています。それによりますと、「知らない」と回答した企業の割合は、時間外労働の上限規制で39.3%、年次有給休暇の取得義務化で24.3%、同一労働同一賃金で47.8%に上りました。

●時間外労働の上限規制は4月、同一労働同一賃金は2020年4月から導入されるが、中小企業には1年ずつ遅い2020年4月、2021年4月にそれぞれ適用されます。年次有給休暇の取得義務化は企業規模にかかわらず、今年4月から導入されます。調査は日商と東京商工会議所が、同法施行に先立ち、中小企業の準備状況を調べる一環として実施した。昨年10月下旬から12月上旬にかけて全国の中小企業2881社を対象に行い、2045社から回答を得ました。回答率は71.0%。 

2019年01月11日 09:11

雇用・労災保険で過少給付 勤労統計の不適切調査の影響!(平成31年1月10日.朝日新聞)

厚生労働省が「毎月勤労統計」を不適切な手法で一部調査していた問題で、同統計をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険で本来より少ない額を給付されていた人が複数いることが分かりました。

●不適切な調査が2004年に始まったことも判明。厚労省が過少だった給付額や対象者を調査中で、不足分を追加で支払うことを検討しています。過少額の総額について、厚労省幹部は「少なくとも数億円の規模になる」と話しています。

●同統計は厚労省が毎月、都道府県を通じて労働者1人当たりの現金給与総額や前年同月比の変化率などを調べて公表しています。統計法に基づく政府の基幹統計で、様々な指標の算出などに使われる。

2019年01月10日 09:15

違法裁量労働、社名を公表…ルール新設へ!(平成31年1月7日.読売新聞)

厚生労働省は、裁量労働制を社員に違法適用している企業名を公表するルールを新設する方針を決めました。制度対象外の業務で適用し、違法な長時間労働をさせた場合などに公表する。近く企業向けに通知し、運用を開始します。

●裁量労働制は、実際の勤務時間にかかわらず、あらかじめ決めた時間を働いたとみなし、残業代込みの賃金を支払う制度です。専門的な仕事の進め方を社員に委ねて生産性を上げるための制度ですが、長時間労働に陥りやすいとの指摘もあります。このため、労働基準法に基づき、システムエンジニアや弁護士など19の専門職と、経営計画などを立案する業務内容の社員にしか適用できません。

●新たに設ける社名公表ルールは、複数の事業場がある大企業が対象。裁量労働制を適用している社員の3分の2以上が制度対象外の仕事をしており、さらにそのうち半数以上が違法な残業をさせられている場合などに企業名が公表されます。

2019年01月07日 08:42

看護師の医療行為拡大へ 医師の長時間労働対策で方針!(平成30年12月21日.朝日新聞)

医師の長時間労働を減らすため、厚生労働省は、手術に伴う業務などの一部を医師から看護師に移すことを促す方針を決めました。医師から手順書で事前に指示を受けた看護師が診療を補助できる制度の研修を見直し、麻酔や手術を受けた患者の管理を担える環境を整えます。研修施設を来年に指定し、2020年度から新たな研修を始める予定です。

●医師の指示があれば、看護師は診療の補助として医療行為ができるようになります。国は2015年、看護師の役割を広げようと今の制度を開始。国が定めた内容の研修を受け、医師から手順書で指示を受けていれば、看護師の判断で医療行為ができるようになりました。対象は国が決め、「特定行為」と呼ばれます。手術後の痛みの管理や血液透析など21区分で38行為あります。

●ただ、87ある研修施設の多くは現在、限られた行為の研修しか提供していません。気管チューブの位置や薬の量の調整、体に入れた管の抜去など、手術後の管理に必要な行為すべての研修を受けづらく、看護師への業務移管は進んでいないのが現状です。麻酔管理でも同様の状況でした。厚労省は今秋に見直しに着手。手術後の患者の管理、麻酔管理、在宅・慢性期については、必要な行為の研修をまとめて受けられる内容にすると決めました。内容の重複などを考慮して、座学の時間を一部短くする方針です。

2018年12月21日 09:03

大手運送会社の下請け、違法労働で処分 超過勤務横行か!(平成30年12月20日.朝日新聞)

トラックドライバーの乗務時間超過などの不法行為が横行していたとして、国土交通省は12月18日にも、千葉県野田市の運送会社「関東西部運輸」に対し、関東にある全営業所の事業停止処分を出す方針を決めました。

●同社は関東の7営業所で大型トラックなど計約400台を保有、ヤマト運輸や日本通運の関連会社の下請けなどを担っています。昨年は最長で月約250時間の違法残業があったなどとして労働基準監督署から2回にわたり書類送検されました。

●その後も、国交省が立ち入り検査したところ、本社営業所に所属する282人のうち165人に対する過労防止の違反が続いていたことなどが発覚。このため国交省は今年7月、貨物自動車運送事業法に基づき本社営業所を30日間の事業停止にする行政処分をおこなっており、同社が乗務時間超過で書類送検や行政処分をされるのはこの2年で4度目となります。

2018年12月20日 08:49

長時間労働で死亡 遺族がおおさかパルコープ側と和解!(平成30年12月13日.日経新聞)

生活協同組合おおさかパルコープ(大阪市)の社員だった男性=当時(54)=が死亡したのは長時間労働が原因として、大阪労働局天満労働基準監督署が労災認定していたことが平成30年12月11日、分かりました。遺族側の代理人弁護士が明らかにしました。

●同日、同組合が謝罪したり解決金を支払ったりする内容で遺族側と和解しました。代理人弁護士によりますと、男性は大阪市内の同組合の店舗で畜産部門の責任者として精肉の発注や仕入れ、在庫管理を担当していましたが、平成29年3月、自宅アパートで倒れて死亡しました。同労基署は今年5月、パソコンの使用状況などから月80時間を超える長時間労働が認められるなどとした上で、労災認定しました。

●その後、同組合側から申し入れがあり、この日、双方で和解契約書が交わされました。代理人弁護士によりますと、同組合が安全配慮義務を怠ったと認めて謝罪するほか、今後について、タイムカードなど客観的な方法で労働時間を把握するなど、従業員の労働時間や健康の管理について一層力を入れることが盛り込まれました。この日、大阪市内で会見した男性の弟(47)は「なくなる10日ほど前『休みが全く取れない』と話していました。(同組合の)社員やパートが働きやすい環境になれば」と話しました。

2018年12月13日 09:07