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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

札幌東労基署・看護師自殺、一転労災認定 長時間労働確認!(平成30年10月18日.毎日新聞)

札幌市の看護師、杉本綾さん(当時23歳)が2012年に自殺したのは過重労働が原因として、杉本さんの母親(55)が国に労災認定を求めた訴訟で、札幌東労働基準監督署は月100時間を超える時間外労働が確認されたとして一転、労災を認定することを決めました。母親と原告側弁護団が平成30年10月17日記者会見し、明らかにしました。訴訟については取り下げます。

●訴状によりますと、杉本さんは2012年4月に市内のKKR札幌医療センターに就職。仕事を自宅に持ち帰るなど長時間労働が続き、市内のアパートで12月に自殺しました。母親が2014年1月に労災保険の遺族補償年金の申請をしたのに対し、同労基署は同10月に「自殺と業務の因果関係はない」として労災を認めず、不支給を決定。昨年2月の札幌地裁の第1回口頭弁論でも、国側は請求棄却を求めていました。

●弁護団によりますと、同労基署がこの日、再調査で月100時間超の時間外労働が確認されたなどとして、早ければ月内にも不支給を取り消す方針を伝えたといいます。母親は今後、病院側を相手取り、損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こす方針です。母親は「『自分は大丈夫』と一人で抱え込む人が体と心を壊す。誰にでも起こることだと知ってほしい」と話しました。

2018年10月18日 09:14

夜勤中倒れ68歳死亡、労災申請「高齢者労働に配慮を」!(平成30年10月18日.朝日新聞)

高校の警備員だった男性(当時68)が勤務中に急性心筋梗塞(こうそく)を発症し、死亡したのは、長時間労働による過労が原因だったとして、男性の妻が東京労働局渋谷労働基準監督署に労災申請しました。遺族と代理人弁護士が平成30年10月17日に記者会見して明らかにしました。

●男性はグローブシップ警備(東京)の契約社員として、4年ほど前から東京都世田谷区の私立高校の警備業務をしていましたが、今年2月7日の夜勤中に倒れ、4月2日に亡くなりました。

●代理人によりますと、男性の勤務は「夜勤・全日」「日勤早出」「宿直早出」の3パターンで、いずれの日も終業時刻は翌日午前8時半でした。昨年9月からは3人後退から2人交代勤務になり、残業時間は多い月で130時間を超えていました。休日もほとんど取れず、発症前1か月間は22日連続で勤務し、3日連続で帰宅できない時もあったといいます。同社は「労基署が審議中の事案であり、コメントは控える」としています。

2018年10月18日 09:03

教員の働き方改革、「変形労働時間制」を提案 文科省!(平成30年10月16日.朝日新聞)

小中学校の教員の長時間労働が問題となる中、文部科学省は平成30年10月15日、「変形労働時間制」の導入を軸とした働き方改革のたたき台になる案を、中央教育審議会の部会に示しました。

●労働時間を年単位で調整する制度で、文科省は導入することによって学期内に週3時間の勤務を増やす一方、年間15日の休みを確保できる勤務イメージを示しました。部会では「部活や研修があるのに、長期の夏休みがとれるのか」「時間外労働の歯止めにつながらない」との意見も出ており、引き続き議論することになりました。

●文科省が示したイメージでは、主に1年単位で平均して1週間あたり40時間を超えない範囲で業務の繁閑に応じて労働時間の配分を認め、夏休みなどの長期休暇で休日を消化します。一方、勤務時間の上限を守らない場合の法的な罰則の導入は「慎重であるべきだ」としました。同省は年内に働き方の指針を示します。

2018年10月16日 09:16

外国人労働者に新たな在留資格 単純労働対象に大転換!(平成30年10月15日.朝日新聞)

外国人労働者の受け入れ拡大に向けて、政府が来年4月の導入を目指している新たな制度の骨子が明らかになりました。一定の技能水準と日本語能力を身につけた外国人を対象に、在留資格「特定技能」を新設し、熟練具合に応じて「1号」と「2号」に分ける内容で、より熟練した「2号」は家族帯同や長期滞在が認められるようになります。

●就労目的の在留資格は現在、大学教授や弁護士などの「高度な専門人材」に限定しています。新制度は建設や農業などの単純労働も対象としており、大きな転換となります。政府は、関係閣僚会議を開き、骨子を了承する予定。法務省はこれを受け、出入国管理法などの改正案を秋の臨時国会に提出する方針です。

●骨子によりますと、受け入れ対象となるのは「人手不足に悩み、外国人労働者を必要とする分野」。ただ、具体的には示しておらず、法案成立後に省令などで決めることになる予定です。現在、14分野が検討の対象となっています。

2018年10月15日 09:09

労働条件の通知、メールでも可能に 厚労省が規制緩和!(平成30年10月9日.日経新聞)

厚生労働省は、企業が労働者に書面で交付すると定めている労働条件の通知方法を、電子メールなどでも可能にするよう規制を緩和します。

●利便性を高めるための措置で、書面として印刷できれば情報管理上、問題ないと判断しました。労働基準法に基づく省令を改正し、2019年4月から適用します。労働条件の通知書は働く上での賃金や労働時間、休日などに関する規定が盛り込まれている。労基法で企業は労働契約を交わす際に必ず明示する必要があります。

2018年10月09日 08:56

年金支給開始年齢、一律引き上げ「考えず」70歳超の選択制を推進!(平成30年10月5日.日経新聞)

根本匠厚生労働相は平成30年10月3日の記者会見で、原則65歳の公的年金の支給開始年齢を一律に引き上げることについて「ただちには考えていない」と明言し、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で浮上している68歳への引き上げ案を否定しました。一方で、働く高齢者を増やすため、年金を受け取る年齢を70歳を超えてからでも選べるようにする制度改革を進める方針です。

●2019年は年金財政を5年に1度、検証する年で、制度見直しへの議論が厚労省内で始まっています。公的年金は1階部分の国民(基礎)年金の支給開始年齢が原則65歳。さらに2階部分の厚生年金について、65歳に引き上げている最中です。支給開始年齢をさらに引き上げれば、将来世代の給付水準を維持しやすくなる半面、給付開始直前の有権者や高齢者らの反発を招きかねません。2019年夏の参院選を控え、厚労相は一律引き上げ論をまず封じた格好です。

●根本厚労相は負担増には踏み込まず、健康寿命の延伸で支え手に回る高齢者を増やすことを重視する考えを示しました。企業に「65歳の定年も継続雇用も延長してもらう」と発言。高齢者が長く働き、年金を受け取る時期をできるだけ遅くしてもらう緩やかな改革を描きます。財務省は基礎年金に投入している税金を抑えるためにも支給開始年齢の一律引き上げを検討課題としますが、厚労省は人口減少などに応じて給付を抑える「マクロ経済スライド」をきちんと実施すれば、将来にわたって年金財政を維持できるとの立場です。根本厚労相も同様の考えを示しました。安倍晋三首相は今回の内閣改造で、政権の目玉に掲げる全世代型社会保障改革の担当閣僚を新たに設け、茂木敏充経済財政・再生相を兼務させました。官邸主導で改革を進める姿勢が鮮明ですが、制度を所管する厚労相との足並みがそろうかどうかも課題になりそうです。

2018年10月05日 09:50

全国の地域別最低賃金が改定されます! (平成30年10月4日.朝日新聞)

都道府県の地域別最低賃金額が改定されます。発効年月日は、平成30年10月1日から遅くとも10月6日には最新の金額になります。

●最低賃金については、「働き方改革実行計画」において、「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく予定で、これにより、全国加重平均が1000円になることを目指しています。

 

最新・地域別最低賃金改定リスト


厚生労働省リンク 

2018年10月04日 09:56

派遣社員の「同一賃金」、仕組み作り難航 2020年春施行! (平成30年10月4日.朝日新聞)

働き方改革関連法で企業が求められる「同一労働同一賃金」をめぐり、派遣社員の賃金水準の決め方の議論が難航しています。ほかの非正社員と違って給料を払うのが実際に働いている会社ではなく、派遣会社のためです。法律には二つの方式が盛り込まれており、厚生労働省は平成30年10月2日、一方の具体案を初めて示しましたが、一筋縄には進みそうもない状況です。

●同一労働同一賃金は、正社員と非正社員との不合理な待遇差の解消をめざす制度です。非正社員はパートや有期雇用、派遣社員などで、厚労省によりますと、派遣社員は2017年6月時点で約156万人います。法律が賃金水準の決め方の原則と定めているのが、「均等・均衡待遇方式」と呼ばれる仕組みです。派遣会社が、派遣先の正社員の待遇と比べて派遣社員の賃金を決めます。しかし、派遣社員は派遣先がたびたび変わるため、この方式では職場が変わるたびに賃金が上下しかねません。派遣会社にとって、管理の負担も重くなります。このため例外として、派遣会社が、労働者の過半数で組織する労働組合などと協定を結べば、賃金などの待遇を決められる仕組みも示されています。ただし、派遣社員の賃金が「同種の業務で働く一般労働者の平均額を下回らない」という条件を満たす必要があります。経験や能力に応じて上がる賃金体系も協定で整える等の対応を考慮すれば、派遣先が変わっても賃金が変わりにくいといえます。

2018年10月04日 09:26

国内第2位の健康保険組合、解散を決定 51万人が加入! (平成30年10月1日.朝日新聞)

派遣社員やその家族約51万人が加入し、国内2位の規模となる健保組合「人材派遣健康保険組合」が組合会を開き、平成31年4月1日付で解散することを決めました。企業と従業員が折半する保険料率が9・7%まで上昇、今後見込まれるさらなる負担増を避ける狙いがあります。


●関係者への取材で明らかになりました。加入者の大半は主に中小企業が入る「協会けんぽ」に移る見通しです。協会けんぽの平均保険料率は10%で、それを超える保険料率の組合は解散し移行した方が負担軽減となります。人材派遣健保は2018年度予算で12億円の赤字を想定。積立金を取り崩して穴埋めしています。加入者の高齢化と65歳以上の医療費を賄うための支出の重さから、今回解散を決めました。高齢者の医療費は健保組合の拠出金で一部を賄う仕組みになっていて、高齢化の進展に伴い拠出額は伸び続けています。

●国は、協会けんぽが加入者の医療費として払った額の16・4%を補助しています。今年度は1兆1745億円で、加入者が増えれば国費負担も増えます。7月には、生活協同組合の従業員と家族約16万4千人が加入する「日生協健康保険組合」も解散を決定。厚生労働省は、この2健保組合の加入者が協会けんぽに移った場合、国費負担は年120億円増えると試算しています。

2018年10月01日 12:49

三菱電機、裁量労働制の3人労災 過労自殺も! (平成30年9月27日.朝日新聞)

三菱電機の男性社員5人が長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して2014~2017年に相次いで労災認定され、うち2人が過労自殺していたことがわかりました。5人はシステム開発の技術者か研究職でした。3人に裁量労働制が適用されており、過労自殺した社員も含まれていました。労災認定が直接のきっかけではないとしながらも、同社は今年3月、約1万人の社員を対象に適用していた裁量労働制を全社的に廃止しました。

●2016年11月、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に勤めていた研究職の30代の男性社員が、長時間労働が原因で精神疾患を発症したとして労災認定され、本人がその事実を公表しました。柵山正樹社長(当時、現会長)は2017年1月の記者会見で「二度とこのような事態が起こらないように取り組む」と陳謝し、労働時間の正確な把握に力を入れる考えを示していました。朝日新聞の取材で、これ以前にも労災が2件、2017年にも2件認定されていたことが新たにわかりました。関係者によりますと、5人のうち裁量労働制を適用されていたのは3人。このうちコミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に勤務していた40代の社員は、長時間労働が原因で精神障害を発症して自殺したとして2017年6月に労災認定されています。若手のため裁量労働制を適用されていなかった名古屋製作所(名古屋市)勤務の社員(当時28)も精神障害を発症し、2014年12月に過労自殺と認められており、4年間に2人が過労自殺していました。

●三田製作所(兵庫県三田市)に勤めていた40代の社員は2013年に脳梗塞(こうそく)を発症。東京・丸の内の本社勤務だった40代の社員も、2016年にくも膜下出血を発症しました。この2人も長時間労働が発症の原因だったとして、それぞれ2015年3月と2017年8月に労災を認められました。裁量労働制は実際に働いた時間にかかわらず、一定時間を働いたとみなして残業代込みの賃金を払う制度。労働時間管理が甘くなり、長時間労働を助長する危険性が指摘されてきました。制度の廃止により、対象だった社員は原則として残業時間に基づいて残業代を受け取る働き方に変わりました。同社は多少の人件費の伸びを見込んでいるといいます。三菱電機は朝日新聞の取材に対し、新たにわかった4件の労災認定の事実をすべて認めました。4件とも社内に周知していないといいます。それぞれ「個別の事情がある」(人事部)として、労務管理に構造的な問題はないとしています。

2018年09月27日 11:07