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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

丸亀製麺元店長「『休憩』も働いていた」 労基署に訴え!(令和3年6月29日.朝日新聞)

人手不足が長く続いてきた飲食業界などで、勤務記録上は「休憩」だった時間も実は働いていたと、働き手側が労働基準監督署に訴える例が相次いでいます。労災認定された飲食チェーン元店長のタイムカードに1日6時間を超す休憩が記録されていたケースもありました。サービス残業の隠れみのになっている可能性も指摘されるが、働き手が記録を覆す証拠を示すのは簡単ではありません。

●大手うどんチェーン「丸亀製麺」の店長だった男性(22)は2019年6月にうつ病を発症し、20年10月、向島労基署(東京都墨田区)に労災認定されました。労基署に提出された19年4~6月の男性の勤務記録では、1カ月間の残業の合計が月44~54時間程度なのに、休憩は月52~68時間程度になっていました。残業よりも休憩が長い日がめだち、なかには早朝から深夜まで勤務した15時間の間に、計6時間45分の休憩が記録された日もありました。男性は勤務記録は事実と異なり、実際は働きづめだったと主張。休憩と記録したのは、上司に指示され残業を少なくみせるためだったと訴えました。労基署は、業務が過酷で男性がうつ病を発症したと認定しました。休憩ではなかったという男性の主張は証拠が不十分として、ほぼ勤務記録に沿った労働時間で労災補償額を算出しました。男性はこの認定を不服として、労基署を所管する東京労働局に審査を求めています。

●丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスは取材に、男性の休憩時間が「不自然なほど長い」ことを認めましたが、「上司が指示した事実はない」としています。男性への指導不足などから「男性が勤怠無打刻での労働を行うという判断に至ってしまう状況を作ってしまった」と主張しています。現在、男性側と和解に向けた話し合いをしているといいます。休憩時間をめぐる争いは、他の外食チェーン店でも起きています。そして立証には高いハードルがあります。
2021年06月29日 08:58

大阪メトロ社員自殺 労災認定 復職後に長時間労働で病気再発!(令和3年6月28日.NHKnews)

去年3月、大阪メトロの職場で自殺した男性社員について、労働基準監督署は長時間労働が原因だったとして、労災と認定しました。

●労災認定されたのは、去年3月に大阪・西区にある大阪メトロの本社ビルで自殺した40代の社員の男性です。大阪メトロの社内調査では、精神的な病気で会社を休み、その後、復職していた男性に対し、上司の課長が制限を超えて残業を命じていたことや、人格を否定するような言葉を何度も浴びせていたことが判明しています。遺族が去年11月、労災申請したのに対し、大阪西労働基準監督署は、男性は3週間に120時間を超える時間外労働をさせられたことで病気が再発し、およそ1か月後に自殺に至ったと判断して労災を認めました。一方、長時間労働で労災認定したため、パワハラについては評価を行いませんでした。

●会見を開いた20代の長男は「労災と認められてほっとしていますが、父にはもう親孝行ができず残念です。会社にはこのような事態が二度と起こらないように再発防止を徹底してほしい」と話していました。大阪メトロは「ご遺族におわび申し上げます。組織風土の改善と労働環境の見直しを進めてまいります」などとコメントしています。
2021年06月28日 09:16

最低賃金 改めて全国平均1000円を早期実現!(令和3年6月24日.日経新聞)

最低賃金を巡っては骨太方針に、早期に全国平均1000円をめざすという数値目標を改めて書き込みました。

●今は全国平均で902円で、昨年は新型コロナウイルス禍で引き上げの流れが中断した経緯があり、政権として所得環境の改善がなければ消費も景気も回復の道は危ういと考えました。安倍晋三前政権は2016年の骨太方針で、年3%程度引き上げ全国平均1000円をめざすと明記。以降、2019年までは政権の意向に沿った形で約3%を超えて引き上げてきました。2020年度はコロナ化の影響で0.1%にとどまっています。ただ、多くの業種では感染拡大後も人手不足が深刻で、製造業を中心に業況が急速に改善したことから、パートタイマーの賃金は上昇傾向が続いています。賃金相場から見た2021年度の最低賃金は引き上げに予知があります。
2021年06月24日 09:30

「6割の休業手当」もらえた人は4割に満たず・コロナ禍、非正規雇用の労働環境!(令和3年6月22日.共同通信)

コロナ禍で雇用環境が厳しくなる中、非正規雇用で働く人たちの中には、つらい思いをした人も少なくはありません。例えば、緊急事態宣言の影響で飲食店が休業や営業時間の短縮をして仕事そのものが減れば、勤務日・時間が減らされるということは十分考えられます。日本労働組合総連合会(連合、東京)が18歳~65歳の非正規雇用で働く人1,000人を対象に実施した「コロナ禍における非正規雇用で働く人の実態と意識に関する調査2021」でも、厳しい実態が浮き彫りになっています。休業手当の支給状況 「支給されなかった」勤め先が休業・時間短縮していた人の51.7%、「6割未満」は9.5%、一方、「10割支給された」は20.5%、「6割以上支給された」は18.3%にとどまっています。

●まず、勤め先がコロナ禍でどんな対応を取ったかを聞きますと、「出勤日数および労働時間削減」(22.5%)、「在宅勤務(テレワーク)の実施」(12.4%)、「休業などによる自宅待機指示」(9.8%)、「時差出勤の実施」(8.5%)などが中心。業種別で見ると、宿泊業・飲食サービス業では半数強の52.9%が「労働時間を削られた」と答えました。一方、コロナ禍の影響が比較的小さいとされた情報通信業ではテレワーク実施が47.1%に達するなど、業種間で大きな違いが出ています。勤め先の労働時間削減についてさらに聞きますと、同じ業務の正社員と非正規雇用の社員がいる場合、両方を対象に労働時間を削減したケースが66%、非正規雇用社員のみの労働時間を削減したケースは32.1%。やはり、非正規雇職員のみがつらい思いをするケースも少なからず存在するようです。

●休業となりますと心配なのが収入面。(勤め先が休業や時間短縮をしていた人410人に休業手当の支給状況を聞くと、「休業手当は支給されなかった」が51.7%と半数強で、「休業手当は6割未満」は9.5%。「休業手当は10割支給された」20.5%、「休業手当は6割以上支給された」18.3%。と、労働基準法の規定通りに休業手当が6割以上支給されたケースは計38.8%と4割に満たしませんでした。コロナ禍で勤め先から受けた労働契約内容変更では、「途中解雇」(11.7%)、「雇止め」(9.7%)、「退職勧奨」(9.1%)、「賃金の減額」(12.4%)といった回答が多くありました。
2021年06月22日 09:49

コロナ持続化給付金を詐取疑い 都内の高校生11人含む18人検挙!(令和3年6月21日.NHKnews)

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に国から支給される「持続化給付金」をだまし取ったとして、都内の高校生11人を含む合わせて18人が検挙されました。リクルート役の生徒が同級生などを勧誘し、うその申請を行ったとみられるということです。検挙されたのは、東京 新宿区の職業不詳、石谷貴裕容疑者(26)と、都内の高校に通う11人の男子生徒など、合わせて18人です。

●警視庁によりますと、18人は去年6月から9月にかけて、建設業者などを装って新型コロナウイルスの影響で事業収入が大幅に減ったといううその申請を行い、国の「持続化給付金」を、合わせて1600万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。石谷容疑者の指示でリクルート役の生徒3人が同級生などを勧誘し、都内の公園に集まって、それぞれのスマートフォンでうその申請を行ったとみられるということです。

●申請した生徒などは報酬としてそれぞれ20万円から40万円を受け取っていましたが、生徒の自宅に届いた持続化給付金に関する書類を保護者が見つけて発覚したということです。調べに対し石谷容疑者ら2人は黙秘し、16人は「遊ぶ金が欲しかった」などと容疑を認めているということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
2021年06月21日 09:49

どうなる「過労死ライン」20年ぶりの基準見直し注目!(令和3年6月21日.朝日新聞)

脳や心臓の病気を発症した働き手が労働災害を申請した場合の認定基準について、厚生労働省が20年ぶりの見直しを進めています。とくに働き過ぎだったか否かの判断材料として存在感の大きい「過労死ライン」の行方が注目されます。

●岐阜県で建築関係の仕事をしていた50代男性は2017年、脳出血を発症しました。平日は早朝から日付が変わる直前まで働き、休日も現場に出向きました。業務の負担が増えるなかでの発症だったといいます。男性は、労働基準監督署に労災申請しました。しかし却下され、現在、再審査を請求中です。代理人の一人の大辻美玲弁護士は「過労死ラインの『月80時間』がハードルになっている」と話しています。これまで労基署の判断の際、過労死ラインが重みを持つのは間違いなく、2019年度に認定された脳・心臓疾患の労災216件のうち、残業が月80時間未満だったのは23件だけです。

●過労死ラインは、発症前の労働時間が原因だったといえるかを判断する目安のことです。発症前1カ月間の残業がおおむね100時間あった場合、または発症前2~6カ月間の月平均がおおむね80時間を超えた場合、業務との関連性が強いと判断されます。この男性の場合、発症前1カ月の残業は約87時間、発症前2カ月の月平均は約68時間で、ラインに届きませんでした。過労死ラインは、あくまでも脳・心臓疾患の労災認定基準の一つにすぎません。業務中に受けた大きな精神的ショックや、1週間以内の過重労働で認められることもあります。厚労省の担当者も「時間以外の要素も踏まえて総合的に判断している」と説明しています。
2021年06月21日 09:35

接種担当の保健所職員「過労死ライン」越え…月152時間の時間外労働も!(令和3年6月18日.読売新聞)

新型コロナウイルスのワクチン接種の対応を担う新潟市保健所で、5月の時間外労働(残業)が「過労死ライン」とされる月80時間を超えた職員が6人に上ることがわかりました。最長は152時間で、職員の負担が増している状況が浮き彫りになりました。6月17日の市議会定例会一般質問の答弁で、古俣泰規総務部長が明らかにしました。

●市人事課によりますと、高齢者のワクチン接種が本格化した4月以降、保健所の業務が急増。兼務を含めて、担当の保健管理課職員を17人増やして55人にしましたが、4月には残業が月80時間超だった職員が4人、5月は6人に上りました。

●市は長時間労働が続いた職員には産業医の面接を実施し、受診先の紹介や相談窓口を案内しているといいます。古俣部長は「特定の職員に業務が偏ることで心身の不調を生じさせないよう、今後も必要に応じて体制強化を図る」としています。
2021年06月18日 09:17

コロナ禍で仕事失った外国人労働者 再就職の支援強化へ 厚労省!(令和3年6月18日.NHKnews)

新型コロナウイルスの影響で仕事を失った外国人労働者を支援するため、厚生労働省はハローワークで多言語に対応できるよう通訳を増やすとともに、支援団体と情報を共有するなど再就職の支援を強化することになりました。

●厚生労働省によりますと、日本で働く外国人労働者は去年10月末の時点で、およそ172万人とこれまでで最も多くなっています。一方で、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った外国人の多くが、ハローワークを利用していないとみられ、実態の把握や再就職支援が不十分だと、支援団体などから指摘されています。このため厚生労働省はことし3月に設置した有識者でつくる検討会で議論を続け17日、支援の強化に向けた報告書をまとめました。

●この中では外国人労働者が多く暮らす地域にある、全国140か所余りのハローワークで多言語に対応できるよう通訳を増員し、民間の支援団体と連携して仕事を失った外国人の情報を共有するなどして、再就職や生活の支援を強化すべきだとしています。また、出入国在留管理庁などと連携し、仕事を失った外国人労働者の状況を正確に把握できる仕組み作りを進めることが必要だと指摘しています。厚生労働省は、この報告書にもとづいて仕事を失った外国人労働者の支援に向けて対策を強化することにしています。
2021年06月18日 09:07

スーパー社員過労自殺訴訟 国が控訴断念 労災手続き進める意向!(令和3年6月17日.毎日新聞)

島根県出雲市のスーパー運営会社「ウシオ」の社員、高木教生(のりお)さん(当時36歳)の自殺を労災と認めた松江地裁判決(5月31日)について、国は控訴を断念しました。期限の6月14日までに控訴せず、労災保険に基づく遺族補償給付の支払い手続きを進める意向を遺族側に伝えました。

●高木さんは同社で酒のバイヤーをしていた2009年9月に自殺。判決は、直前の時間外労働が月120時間を超え、うつ病を発症していたと認定しました。島根労働局は取材に対し、「判決内容に従い、迅速に対応したい」とのコメントを出しました。

●遺族側代理人の岩城穣(ゆたか)弁護士は「国は相当な長時間労働があったことを否定できず、控訴しても結論が変わらないと判断したのだろう。過労死はいけないという世論も無視できなかったのではないか」と話しました。一方、訴訟に補助参加しているウシオは「コメントは差し控える」としています。
2021年06月17日 09:37

マスクつけ肉体労働、熱中症注意 学会「対策見直しを」!(令和3年6月17日.朝日新聞)

日本救急医学会は6月15日、新型コロナウイルス感染症の「第2波」とピークが重なった昨夏の熱中症について、分析結果を公表しました。マスクを着けた人の熱中症は、肉体労働中の発生が多かったことがわかり、学会は暑さが本格化する前に対策を見直すよう呼びかけています。

●昨年7~9月に、全国の救命救急センターなど143施設で、熱中症と診断された約1千人について調べました。このうち0・5%(5人)が、搬送後にPCR検査などで新型コロナ陽性と判定されていました。熱中症の約半数は屋内で起き、高齢者が多いなどの全体的な傾向は、2019年と比べて大きな違いはありませんでした。

●発症時のマスクの有無が判明した例をみると、マスクをつけていた人では肉体労働などが約6割を占めたのに対し、マスクなしの人では3割ほどでした。学会の神田潤医師はマスク着用時の熱中症について、「労働環境での対策の見直しなどを、本格的な夏になる前に、ぜひやっていただきたい」と話しています。
2021年06月17日 09:15