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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

上司から「ぼけ」「腹黒い」時間外労働109時間…自殺男性への労災補償不支給取消し!(令和3年3月15日.読売新聞)

福岡県内の会社員男性(当時20歳代)が自殺したのは勤務先でのパワハラや過重労働が原因だとして、男性の遺族が国を相手取り、労災補償の不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、福岡地裁は令和3年3月12日、決定を取り消す判決を言い渡しました。小野寺優子裁判長は、上司のいじめと長時間労働で男性がうつ病を発症し、自殺に至ったと判断しました。

●判決によると、男性は2009年4月に県内の建設会社に入社。上司の部長は言葉遣いが荒く、指導の際に「ぼけ」「腹黒い」「偽善的な笑顔」などと叱り、机を手でたたくこともありました。さらに、2011年2~3月の1か月間の時間外労働は109時間で、労災の認定基準の月100時間を超えていました。男性は同月、自動車内で練炭自殺を図って死亡しました。

●判決は、部長の言動はパワハラやいじめに当たり、長時間労働で疲弊した男性に追い打ちをかけたと認定。自殺の原因は業務ではないとして、労災補償を不支給とした労働基準監督署の決定は違法と結論づけました。
2021年03月15日 15:45

自宅待機賃金未払い疑い書類送検!(令和3年3月11日.NHKnews)

自動車メーカーのダイハツ工業の子会社が、新型コロナウイルスの影響で自宅待機させた従業員1人に休業手当を支払わなかったとして神戸西労働基準監督署は会社と担当の部長を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。

●書類送検されたのは、自動車メーカーのダイハツ工業の子会社で、神戸市内の宿泊施設の運営を委託されている「ダイハツビジネスサポートセンター」と労務管理を担当する50代の部長です。神戸西労働基準監督署によりますと、会社は宿泊施設の従業員1人に対して、新型コロナの影響による業務の縮小を理由に去年4月から7月のうちの10日間、自宅待機を命じたということです。

●労働基準法では、会社側の指示で従業員を休業させた場合、その間の賃金の6割を支払わなければなりませんが、会社はまったく払っていなかったということです。従業員からの相談を受けて発覚したということで、労働基準監督署の調べに対して、部長は「法律をよく理解していなかった」と話し、すでに支払ったということです。
2021年03月11日 09:34

「労基署の調査が入った後も改善されず」…残業代79万円未払いと告訴状!(令和3年3月11日.沖縄タイムス)

浦添市の卸売・販売業社に勤務していた30代男性が、時間外労働の賃金が支払われていないとして、那覇・沖縄の両労働基準監督署に告訴状を提出しました。同日、県庁で記者会見を開き「厳正な処罰を求める」と述べました。79万円の残業代未払いがあったということです。

●同社は36協定を結んでいませんでした。男性は、2018年11月ごろに沖縄労基署が未協定の残業と未払いの調査に入ったと話しています。男性によりますと、その後も改善はされずに、同年12月から残業時間の記録もできなくなり状況は悪化しました。男性は2017年5月~2019年3月31日まで同社に勤務していました。男性を含めて、少なくとも4人の残業代が未払いだったといいます。
2021年03月11日 09:26

労基署にうその報告書提出 札幌の運送会社を書類送検「発注者に迷惑かけたくなかった」!(令和3年3月9日.北海道放送)

苫小牧労働基準監督署は、従業員が仕事中にけがをしたことについて、うその内容の報告書を提出したとして、札幌の運送会社と苫小牧にある営業所の所長ら2人を書類送検しました。

●書類送検されたのは、建設や運送業などを行う札幌の「スミセキ・コンテック」と、苫小牧営業所長、本社の営業部長の2人です。苫小牧労働基準監督署によりますと、この会社は、去年5月63歳の従業員の男性が空知の長沼町の建設現場で、トラッククレーンの荷台から荷物をおろしている最中に車が横転し左胸を打ったにもかかわらず、自社の敷地で荷台を整理しているときに男性が転んでけがをしたと、うその内容の報告書を、労働基準監督署に提出しました。

●トラッククレーンから荷物をおろすときは、アウトリガーと呼ばれる横に張り出した支柱で、車が横転しないようにする必要がありますが、事故当時、男性は使用していませんでした。うその内容の報告書によって男性は、必要な治療費や休業補償などを受け取っていました。会社側は、うその報告書を提出した理由について「積み荷の発注者に迷惑をかけたくなかった」と話しているということです。
2021年03月09日 09:15

新卒者内定取消し3日間で5人,労働局確認、大学には「繰り下げ」連絡も!(令和3年3月8日.琉球新報)

沖縄労働局は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3日から5日までの3日間で、県内新卒者の内定取り消しを2社5人確認しました。入社繰り下げは0件でした。企業の特定につながるとして、業種は説明しませんでした。

●件数はハローワークを通して労働局が把握しており、実数はより多い可能性があります。一方、県内大学では不動産業の営業職で1社2人の内定取り消しを確認しました。企業から「コロナの影響で業績が良くない」と、学生2人に説明があったといいます。観光関連業1社からは「入社時期を3カ月繰り下げる」と大学に連絡がありました。

●りゅうぎん総合研究所の久高豊専務は「コロナ後を見据えて採用活動していた企業も、3度目の緊急事態宣言で影響を受け、企業存続を懸けて採用しない方向に変えたのではないか」と指摘しました。労働局では昨年3~6月にかけて、内定取り消しを3社5人、入社繰り下げを4社37人確認しています。業種別では宿泊・飲食サービス業や卸・小売業などの観光関連産業で多くなりました。
2021年03月08日 09:30

ウーバー、配達員報酬を引き下げ 約3割、労働環境悪化に懸念!(令和3年3月5日.共同通信)

料理宅配サービスのウーバーイーツジャパン(東京)が3月から、一部地域で配達員の報酬体系を見直したことが3月4日分かりました。配送距離などに応じて算出する基本料の水準を下げ、報酬総額は平均で約3割下落したとみられます。

●新型コロナウイルス流行に伴う解雇や雇い止めの影響で配達員の成り手が増える中、労働環境の悪化が懸念されています。労働組合「ウーバーイーツユニオン」や複数の配達員への取材で明らかになりました。2019年冬以来の大幅改定で、ウーバーは今月から福岡県と京都府で新たな報酬体系の運用を開始しました。他の地域にも広げる可能性があるといいます。
2021年03月05日 09:38

ドイツ時短労働制度利用者が増加、接客・小売で顕著=IFO!(令和3年3月5日.ロイター通信)

ドイツのIFO経済研究所が令和3年3月4日に発表した統計によりますと、政府が新型コロナウイルス感染拡大を受けて導入した「時間短縮労働制度」の下で働いている人の数が2月は280万人と、前月の270万人から増加しました。

●全雇用者数に対する割合は8.5%と、8.1%から上昇。IFOの労働市場専門家、セバスチャン・リンク氏は「時短労働者は接客業と小売業で増加が顕著だったが、製造業では減少するなど、一様ではない」と述べています。

●ドイツ連邦雇用庁が2日に発表した2月の失業者数(季節調整後)は前月比9000人増加し、合計275万2000人となりました。失業者の増加は昨年6月以来初めてとなりますが、雇用庁によりますと、政府の時間短縮労働制度が雇用の維持に大きく貢献しており、失業を防いでいるといいます。
2021年03月05日 09:19

完全失業率1月2.9%に低下、有効求人倍率は上昇 緊急事態宣言の影響は限定的!(令和3年3月4日.ロイター通信)

総務省が発表しました1月の完全失業率は2.9%となり、前月から0.1ポイントの低下です。新型コロナウイルスの影響が続く中で緊急事態宣言の発令により雇用状況の悪化が懸念されましたが、大きな影響が出ることはありませんでした。厚生労働省による同日発表の1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から0.05ポイント上昇しました。

●休業者数(実数値)は244万人と、前年12月に比べて42万人増加しました。1月は11都府県を対象に緊急事態宣言が発令され、飲食店に対して営業時間短縮要請が出されましたが、宣言の対象が絞られたこともあり、前回宣言が発令された昨年4月ほどの急増はみられませんでした。

●緊急事態宣言が出されたものの、総務省の担当者は「社会経済活動の大幅な低下にはならなかった」と評価を述べています。労働力調査は毎年、1月分の公表時に前年12カ月分の結果を追加して季節調整値を改定。それをもとに過去10年分の数値を修正しています。2020年は新型コロナウイルスが大きな影響を与えましたが、学識経験者に意見を聞きつつ外れ値を設定したうえで改定されました。その結果、2020年12月の完全失業率は2.9%から3.0%に改定されています。
2021年03月04日 09:17

デジタル給与 安全性の確保に懸念がある!(令和3年3月1日.読売新聞)

政府が、銀行を通さずに給与をスマートフォンの決済アプリに振り込む「デジタル払い方式」を検討していますが、問題が多いといいます。拙速を避け、徹底した影響の検証が不可欠となります。労働基準法では、賃金を確実に受け取れるよう、企業は「通貨で直接労働者に全額を支払う」と定めています。金融機関の口座への振り込みは例外として認めてきました。

●デジタル払いはキャッシュレス化の推進が主な目的で、厚生労働省の審議会で論議されています。日本での口座開設が難しい外国人労働者の就労環境を整えることも狙いとしていますが、そうした措置を一般の国民にも広げることが適切と言えるのでしょうか。給与は多くの人にとって重要な生活の基盤です。何より、安全性の確保を最優先する必要があります。デジタル払いの受け皿と想定されるのは、電子マネー業者のうち送金が可能な資金移動業者で、「PayPay(ペイペイ)」などが該当するとみられています。銀行には、公的な預金保険制度があり、経営破綻した場合でも元本1000万円などが保護され、迅速に支払われます。他の事業が行き詰まった時に預金に損害が及ばないよう、本業以外を厳しく制限する規制があります。こうした安全対策は、いずれもスマホ決済などの資金移動業者は対象外となっています。

●NTTドコモの「ドコモ口座」を巡る不正引き出しなど、電子マネーを狙った犯罪が相次いでいることも不安視されています。アプリのお金が守られるのか、支払いが遅れることはないか。資金移動業者が手がける他の事業が破綻して、給与に波及する事態も心配です。こうした懸念を解消することが先決となります。また、出資法では、資金移動業者は預金のような資金の預かりは禁じられ、決済用の一時的な滞留が認められているだけです。数十万円単位で給与が振り込まれると、事実上、預金と同じになりますが、扱いは現時点ではっきりしません。多くの給与がデジタル払いに移行すれば、銀行の収益基盤が奪われてしまいます。個人のお金を預かって企業に貸し出す「金融仲介機能」が損なわれかねません。経済全体への影響は大きものとなります。しかし、厚労省の審議会は労使の代表や学者で構成され、銀行などからメンバーは入っていません。国民生活に重大な影響を及ぼす給与の取り扱いを変更するのであれば、もっと総合的、多角的に議論を尽くす必要があります。
2021年03月01日 09:15

ハローワーク職員1万人以上、雇い止めの可能性!(令和3年2月25日.京都新聞)

全国のハローワーク職員の7割を占める非正規職員が年度末に大量雇い止めになる可能性が高いとして、非正規職員の有志グループが、安定雇用の確保など改善策を求める田村憲久厚生労働相宛ての要請書を、2万2000筆の署名とともに提出しました。

●有志グループによりますと、各地の労働局やハローワークを含む厚生労働省の非正規職員は2万7000人を超えます。3年ごとに公募採用が繰り替えされるため、本年度末もハローワークの窓口で労働相談に乗っている1万人以上が雇い止めされる可能性があるといいます。

●要請書は「労働行政は高い専門性と職業意識を持つ非正規職員なくしては機能しないことがコロナ禍対応で明らかになった」と指摘。基幹業務を担う非正規職員の雇用の安定や、更新採用プロセスの透明性の確保など、非正規職員を巡る制度の抜本的改革を強く求めています。

●有志グループは「雇い止めになっても理由は告げられない。正規職員が気に入らない非正規職員を追い出す口実に使われることも少なくない」と指摘。「多くのハローワーク職員が3月31日まで求職者の相談に乗り、翌日からは失業者として求職カウンターに並ぶことになりかねない。当局は直視し、改善してほしい」としています。
2021年02月25日 12:46