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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

残業月180時間、市職員が自殺 遺族が公務災害申請!(令和2年12月14日.朝日新聞)

今年1月、甲府市役所から飛び降りて亡くなった市職員男性(当時42)の遺族が、最長で月180時間を超える残業による過労が自殺の原因だとして、公務災害の認定を求める申請をしたことがわかりました。

●亡くなったのは、当時甲府市事務効率課(現・業務管理課)の係長だった向山敦治さん。遺族によると、1月17日午前5時半ごろ、市庁舎北側で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。庁舎6階から飛び降り自殺を図ったといいます。

●パソコンの稼働記録から推定すると、時間外労働は2019年9、10月が80時間超、11月が120時間超、12月が180時間超、今年1月も約半月で80時間を超えていました。時間外・休日労働が1カ月80時間超の状況が続くと過労死の危険性が高まるとされ、大幅に上回っていた可能性があります。
2020年12月14日 10:08

就職内定率低下 「氷河期」再来食い止めよ!(令和2年12月10日.西日本新聞)

就職は社会人としての第一歩です。その入り口がコロナ禍で狭められるとしたら、当事者に落ち度はなく、たまりません。第2の「就職氷河期世代」を生むような事態は何としても避けねばなりません。新型コロナウイルスの感染拡大が、来春卒業予定の大学生の就職活動に影を落としています。10月1日時点の内定率は7割に届かず、前年同月を7ポイント下回りました。短大生や専修学校生の内定率も大きく落ち込んでいます。人手不足で超売り手市場だった昨年とは様変わりした印象です。

●学生数が九州最大の福岡大でも、昨年は9割を超えていた11月末時点の内定率が今年は5ポイント以上、下回っているといいます。希望の会社、業界から内定を得られず就職活動を続ける学生は大勢います。卒業目前に就職先が決まるケースはこれまでもあったはずです。学生たちには視野を広げ、自分に合った仕事や会社を粘り強く探してほしい。それにしても今年は異例ずくめの就職活動となりました。春先に予定されていた合同企業説明会が軒並み中止になり、緊急事態宣言で大学は立ち入りも制限されました。大学での就職相談や模擬面接もオンラインとなり、学生の支援が難しくなっています。内定率が下がったのは、コロナ禍による経営悪化で採用数を絞り込んだり、取りやめたりする企業が増えたのが要因です。大手航空会社による採用活動の中止が、その典型例です。事態収束が見通せず、影響の長期化も懸念されます。2022年度についても、全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスが総合職などの採用中止を決め、JTBなど旅行業大手では採用見送りの動きが広がっています。

●航空業界や旅行業界は就職先として人気が高く、志望する学生にとって進路を閉ざされたショックは大きいです。状況次第では、採用の削減・中止が他の業界に広がる恐れもあります。将来への不安を強める学生を見過ごすわけにはいきません。人員削減や構造改革に取り組む企業が新卒採用に慎重になるのはやむを得ない面もあります。一方、中長期的な視野で若者を採用し活躍の場を与えることが重要であることも、経営者は忘れてはいけません。個別企業には最善の選択でも社会全体としては大きな問題となります。バブル崩壊に伴う1990年代半ば以降の就職氷河期を通じて学んだ教訓のはずです。政府は、新卒採用の維持や卒業3年以内は新卒扱いで採用するよう経済団体に要請しました。既卒者にも企業との接点を提供するなど、政府や大学には一段と踏み込んだ対応を求めます。
2020年12月10日 09:19

バス運転手自殺、市に6300万円賠償命令「アナウンスが葬式の司会者のよう」と上司注意!(令和2年12月8日.読売新聞)

2007年6月に名古屋市営バス運転手の山田明さん(当時37歳)が自殺したのはパワーハラスメントなどが原因として、両親が市に約8700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、名古屋地裁でありました。井上泰人裁判長は「勤務による心理的負荷で精神障害を発病し、自殺に至った」と認め、注意義務違反があったとして市に約6300万円の支払いを命じました。

●判決によりますと、山田さんは長時間労働が続く中、上司に車内アナウンスを「葬式の司会者のよう」と注意されたほか、乗客が車内で転倒する事故を起こした自覚がないのに警察へ出頭させられるなどしました。山田さんは出頭翌日、焼身自殺しました。

●井上裁判長は、市の転倒事故対応について「事態の収拾を急ぐあまり、山田さんが事故を起こした運転手と拙速に特定し、問題があった」と指摘。ストレス対応能力が低下する中、立て続けに起きた業務上の出来事が「客観的に精神障害を発病させるに足りる強度のものだった」として、市の注意義務違反を認めました。
2020年12月08日 09:03

俳優やアニメーターも労災加入OK 厚労省が対象拡大へ!(令和2年12月7日.朝日新聞)

雇われて働く人が対象の国の労災保険に、事故などに遭う可能性がある個人事業主が特別加入できる制度について、厚生労働省は、俳優などの芸能関係業・アニメーター・柔道整復師の3業種を追加する方針を固めました。令和2年12月8日の労働政策審議会に示し、了承されれば来年度から実施する見通しです。

●厚労省は、組織に雇われずに働く人のセーフティーネットを広げるため、特別加入の対象拡大を検討してきました。意見募集では、俳優などの芸能関係者から「舞台から落下してのけが」「舞台セットの落下による下敷き事故」など55件、アニメーターから「過労による腱鞘(けんしょう)炎」「長時間労働による精神疾患」など15件の傷病の具体例が寄せられました。ヒアリングで当事者団体は、これらの働き手は休業補償などもなく自費で治療費を払っているとして、加入を求めていました。

●特別加入は任意で、業種ごとに作られる特別加入団体に申し込んで保険料を払えば、労災時に保険給付を受けられるようになる制度です。特別加入は現在、個人タクシーの運転手や土木作業員、漁師などが対象で、2017年度末時点で187万人が加入しています。
2020年12月07日 12:31

「雇用調整助成金」特例措置 現行水準で2月末まで延長へ!(令和2年12月3日.NHKnews)

新型コロナウイルスの影響で厳しい雇用情勢が続く中、政府は、来月末に期限を迎える雇用調整助成金の上限額の引き上げなどの特例措置について、現在の水準のまま、来年2月末まで延長すると発表しました。

●経営が悪化した企業が雇用を維持するための「雇用調整助成金」について、政府は、新型コロナウイルスの影響を受けた企業への特例措置として、一人1日当たり8370円の助成金の上限額を1万5000円に、従業員に支払った休業手当などの助成率を、大企業は75%、中小企業は100%に、それぞれ引き上げています。来月末までとなっている特例措置の期限について、政府は、財政負担が重くなっていることなども踏まえ、縮小することも視野に延長を検討してきました。しかし、与党から、厳しい雇用情勢が続いているとして、特例措置の継続を求める提言などが出されたことや、感染が再び広がってきていることなどから、現在の水準のまま、来年2月末まで延長する方針を固めました。来年3月以降は、雇用情勢が大きく悪化しないかぎり、上限額や助成率を段階的に縮小することで調整を進める方針です。
2020年12月03日 09:34

労働審判の内容、口外禁止は違法 長崎地裁、賠償は認めず!(令和2年12月3日.東京新聞)

雇い止めを巡る労働審判の内容を口外しないよう労働審判委員会に命じられ、精神的苦痛を受けたとして、長崎県大村市の男性(59)が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、口外禁止条項を付けたのは違法と長崎地裁が判断したことが令和2年12月2日、分かりました。原告代理人の弁護士が明らかにしました。判決は12月1日付。

●原告代理人の中川拓弁護士によりますと、労働審判での口止めを違法と判断した判決は全国初といいます。原告男性は12月2日、長崎県庁で記者会見し「調停で裁判官から『禁止条項は一般的なことだから』と言われた。お世話になった人に報告もできないというのは受け入れられなかった」と話しています。
2020年12月03日 09:18

尼崎 工場爆発事故で書類送検!(令和2年12月1日.NHKnews)

去年、尼崎市の工場で爆発が起き、作業員2人がけがをした事故で、尼崎労働基準監督署は事故防止の措置を怠ったとして、法人としての会社と工場長を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。

●去年10月、尼崎市の工業用素材製造メーカー「キンセイマテック」の工場で鉱物をパウダー状にする機械が爆発し、近くにいた40代の男性作業員2人が顔にやけどを負いました。その後の尼崎労働基準監督署の捜査で、金属を粉にして貯蔵庫にパイプで送る途中で静電気が発生し、粉じんに引火したとみられることがわかりました。労働安全衛生法は、静電気によって爆発や火災が発生するおそれがある設備には、「アース」と呼ばれる電気の逃げ道を設けるよう定めていますが、事故があった機械には取り付けていなかった疑いが持たれています。

●労働基準監督署は、法人としての会社と、工場の安全管理の責任者だった40代の工場長を書類送検しました。監督署の調べに対し、工場長は「これまで事故が起きていなかったこともあり、対策を怠っていた」と話しているということです。
2020年12月01日 10:05

コロナで不当な退職勧奨” 労働組合が国に対策検討訴え!(令和2年12月1日.NHKnews)

新型コロナウイルスの感染拡大で雇用への影響が広がる中、企業から十分な説明がないまま従業員の判断で辞めたことにされる不当な「退職勧奨」が相次いでいる可能性があるとして、労働組合が国に対して対策を検討するよう訴えました。

●対策を訴えたのは中小企業などで働く人で作る労働組合「日本労働評議会」で30日、組合の担当者や弁護士などが会見を開きました。それによりますと、新型コロナウイルスの影響で休業している石川県内のホテルの元従業員はことし7月に退職しましたが、企業から十分な説明がないまま退職の同意書に署名させられるなど自分の判断で辞めたことにされたとして不当な「退職勧奨」だと訴えています。ホテルの運営会社は、NHKの取材に対して「従業員一人一人に説明し、了解のうえで、同意書にサインしてもらった」などとしています。

●厚生労働省などによりますと、「退職勧奨」は企業から退職を勧められ、従業員の判断で仕事を辞めることで、企業の都合で契約を打ち切る「解雇」に比べ、企業にとっては法律上の制限が少ない一方で従業員には失業給付の支給期間が短くなる場合があります。労働組合では不当な「退職勧奨」が相次いでいる可能性があるとして国に対して対策を検討するよう訴えています。日本労働評議会の中里好孝副委員長は「新型コロナウイルスの影響で、仕事を失う人がさらに増える可能性があり、国には対策を検討してほしい」と話していました。
2020年12月01日 09:42

寝るのが午前4時の日も…コロナ対策担う職員の2割が「過労死ライン」の残業 神奈川県!(令和2年11月30日.東京新聞)

神奈川県庁で新型コロナウイルス対応を担う部署の職員の2割が、10月までの半年間で月平均80時間超の残業をしていたことが、県への取材で分かりました。月80時間が「過労死ライン」とされるところ、最長で月150時間の残業をした職員もいました。今月に入り感染者が急増し、労働環境はさらに厳しくなっており、県幹部は「心身ともに限界の職員もいる」と危機感を強めています。

●患者の搬送先調整や宿泊療養施設の運営、濃厚接触者の調査などに当たる「医療危機対策本部室」の職員40人のうち、管理職を除く33人の5~10月の残業時間のデータを入手しました。県人事委員会規則で原則禁止する月平均80時間超の残業をしていたのは7人。このうち5人は複数の月で残業時間が100時間を超えました。1人の職員は10月に150時間の残業をしました。

●「災害や緊急時」に残業上限を除外する規定があるため、規則違反ではないといいます。ただ、ある職員は取材に「自宅に仕事を持ち帰って、寝たのが午前4時だった」と証言。サービス残業も常態化していた可能性をうかがわせます。県所管保健所で新型コロナ対応に当たる職員80人の同期間の残業データも入手。月平均80時間超の職員は1人でした。夜間の相談対応を一括して行う本部室の職員の残業が長くなる傾向にあります。
2020年11月30日 09:27

特定技能残業代未払いで是正勧告、飲食店の運営会社に労基署!(令和2年11月30日.共同通信)

外国人の就労を拡大するため新設された「特定技能」の在留資格を取得し、神奈川県鎌倉市の飲食店で働いていた20代の台湾人男性に対し違法な残業代の未払いがあったとして、藤沢労働基準監督署(同県藤沢市)が飲食店の運営会社に是正勧告していたことが11月29日、男性を支援するNPO法人「POSSE」(東京)への取材で分かりました。

●外国人労働者を巡っては、技能実習生に対する違法な働かせ方がかねて深刻な問題になってきました。2019年4月に運用が始まった特定技能制度でも違法労働が発覚したことで、政府は対策を迫られそうです。飲食店の運営会社は「取材は受けない」としています。
2020年11月30日 09:06