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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

電通強制捜査、異例スピード 労働局幹部「しっぽ切りだめ」!(平成28年11月8日.朝日新聞)

新入社員の過労自殺に端を発する電通の長時間労働を巡る問題は平成28年11月7日、厚生労働省による強制捜査に発展しました。

●過労自殺し、労災認定された電通の女性新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)の遺族が記者会見を開いてからちょうど1カ月。電通への捜査は異例のスピードで進んでいます。東京労働局などが労働基準法違反の疑いで電通本社を抜き打ち調査したのは、会見から1週間後の10月14日。全国の主要子会社5社にも、18日までに立ち入り調査に入りました。

●違法な長時間労働について労働局が調べる際、立ち入り調査に着手してから強制捜査まで通常、数カ月はかかりますが、今回の電通のケースでは1カ月弱。労働基準監督官の経験がある厚労省職員は「こんなに早く展開するとは、さすがに驚いた」と話しています。

●本社と3支社に対する平成28年11月7日の強制捜査には全国で88人を動員。これも「異例の規模」だといいます。強制捜査から書類送検までも半年から1年かかるのが通例ですが、立件までの期間も早まる可能性があります。違法な長時間労働をさせた疑いで過去に2度の是正勧告を受けていて労務管理の実態把握が進んでいることや、政府が長時間労働是正を政策目標に掲げていることがスピード捜査の背景にありそうです。
2016年11月08日 10:58

残業規制へ労働基準法改正案を2017年中に国会提出!(平成28年11月8日.ロイター通信)

政府は、時間外労働時間の規制があいまいな現行の労働基準法を改正し、2017年中に改正法案を国会に提出する方針です。複数の関係筋が明らかにしました。具体的には労働基準法36条もしくは関連法案を改正し、月間45時間ないし80時間の上限を明記する公算が大きいといいます。また、現行法では残業規制の例外職種となっている運転手や建設労働者にも、残業上限を適用することも検討しています。

●関係筋によりますと、連合は月45時間の上限を基準にどこまで譲れるか、交渉次第とする姿勢を示す見通しです。経団連は「過労死基準」と呼ばれる月80時間や、割増賃金が上がる60時間などを基準として連合との間で歩み寄りを探ります。

●運転手や建設労働者など現行法で規制の例外業務となっている職種にも、経団連、連合の両者で適用を検討する予定です。このほか、法律に違反した場合に適用される罰則(現行:罰金30万円あるいは6カ月以下の懲役)規定を強化することなども検討対象になる見通しです。
2016年11月08日 08:53

有効求人倍率9月は25年ぶり高水準、失業率も3.0%に改善!(平成28年10月31日.朝日新聞)

総務省が平成28年10月28日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月から小幅改善しました。厚生労働省が発表しました同月の有効求人倍率(季節調整値)も1.38倍と前月から小幅上昇し、約25年ぶりの高水準となりました。

●雇用情勢は改善傾向が続いています。完全失業率は前月から0.1%ポイント低下し3.0%となりました。完全失業率が3.0%となるのは2カ月ぶりで、約21年ぶりの低い水準で推移しています。原数値でみた就業者数や就業率、雇用者数なども改善基調が続いており、総務省では「雇用情勢は引き続き改善傾向で推移している」と判断しています。

●有効求人倍率1.38倍は1991年8月の1.40倍以来、25年1カ月ぶりの高水準となります。新規求人倍率は2.09倍と前月から上昇。有効求人数は前月比0.4%増、有効求職者数は同0.6%減でした。

►ポイント
9月完全失業率------3.0%
9月有効求人倍率----1.38倍

2016年10月31日 09:07

大阪府「保育支援員」新設へ 保育士不足解消に独自資格!(平成28年10月27日.毎日新聞)

待機児童問題の解消を目指す大阪府は、国家戦略特区を活用し、不足する保育士を補う人材として「保育支援員」を新設する方針を固めました。

●大阪府独自の資格で、国が定める保育士の配置基準を緩和して支援員も活用できるようにし、より多くの子どもを受け入れられるようにします。特区が認められれば来年度から育成を始めたい考えで、国への要望を強める方針です。
2016年10月27日 13:26

年金受給資格10年に改正しても無年金高齢者26万人!(平成28年10月27日.産経新聞)

塩崎厚生労働相は平成28年10月26日の衆院厚労委員会で、年金を受け取るのに必要な加入期間(受給資格期間)を現行の25年から10年に短縮する年金機能強化法改正案が成立しても、なお加入期間が足りずに救済されない無年金の高齢者が26万人に上るとの推計を明らかにしました。

●国民年金保険料の支払いは原則60歳までですが、受給資格期間が足りない場合は、70歳まで任意加入して支払いを続けることができます。塩崎氏は「70歳まで加入しても10年の受給資格期間を満たさない人は26万人と見込まれる」と述べました。
2016年10月27日 08:53

独自の“社内通貨”活用 社員に労働時間の削減促す!(平成28年10月24日.NHKnews)

利用が拡大しているビットコインなどの仮想通貨の技術を基に会社が独自に発行する、いわば「社内通貨」を活用して社員に労働時間の削減などを促す取り組みが、東京の証券会社で始まり、働き方改革を進める企業の新たな試みとして注目されます。

●東京に本社を置くネット証券の会社では、仮想通貨のビットコインなどに使われている技術を基に独自に発行した社内通貨で、社員の働き方改革や健康の増進を図る試みを今月から始めました。通貨の単位は、商売繁盛を連想される「オオイリ」で、残業をしなかった場合には、1回につき10オオイリ、1日に1万歩以上を歩いた場合には100オオイリを支給します。残高の管理や利用は、ビットコインなどと同じようにインターネット上で行いますが、社員だけがアクセスできるように制限をかけています。今年度中をめどに、会社の周辺にある飲食店で利用できるようにする計画で、飲食店は、会社に請求して現金に換えてもらう仕組みです。

●会社が独自に発行する社内通貨を活用して労働時間の削減などにつなげようという取り組みは、大手銀行の三菱東京UFJ銀行も、近く一部の部署で導入する方針で、働き方改革を進める企業の新たな試みとして注目されます。
2016年10月24日 09:24

長時間労働の疑い スーパーと役員2人書類送検 大阪!(平成28年10月21日.NHKnews)

関西などでスーパーを展開する会社が社員に違法な長時間労働をさせていたとして、大阪労働局は会社と役員2人を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。書類送検されたのは、関西や東海地方で80店舗以上のスーパーを展開する、大阪・鶴見区に本社がある運営会社の「コノミヤ」と、執行役員と専務取締役の2人です。

●大阪労働局によりますと、「コノミヤ」はおととしから去年にかけて、本社の経理部門などの社員4人に対し、労使間の協定で決められた1か月30時間の限度を超える残業をさせていたほか、残業代およそ300万円を支払っていなかったとして、労働基準法違反の疑いが持たれています。中には、残業時間が過労死の認定の目安とされる1か月100時間を超えていたり、勤務記録を改ざんして残業していないように見せかけたりしたケースもあったということです。

●調べに対し執行役員は「漫然と時間外労働をさせていた」と容疑を認めているということです。労働局によりますと、この会社ではことし3月までの2年間に、およそ700人の社員の残業代、合わせておよそ1億8000万円が支払われていなかったことも分かり、労働局の指摘を受けて支払われたということです。書類送検されたことについて「コノミヤ」は、「労働局の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めていきたい」とコメントしています。
2016年10月21日 09:18

関電原発技術者が自殺、労災認定 高浜2基の審査に対応!(平成28年10月20日.朝日新聞)

運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長を巡り、原子力規制委員会による審査に対応していた関電課長の40代男性が4月に自殺し、敦賀労働基準監督署が労災認定していたことがわかりました。2基は7月7日までに規制委の審査手続きを終えなければ廃炉が迫る状況にありました。

●関係者によりますと、男性は工事関係の技術系の課長。高浜1、2号機の審査手続きに含まれる工事計画認可申請を担当し、規制委への説明や対応にあたっていたといいます。4月に出張先だった東京都内のホテルで自殺しているのが見つかりました。

●男性は管理職に適用される管理監督者に該当するとされ、労働基準法による労働時間の規制から外れます。しかし、会社側は管理監督者についても健康状態を管理し、過重労働とならないよう努める義務があります。
2016年10月20日 14:40

労働局 労災の加害者側に1億円超の弁済請求せず!(平成28年10月20日.NHKnews)

仕事中に事件や事故に巻き込まれ、けがを負った人などに、労働災害の保険給付が行われたとき、厚生労働省はその費用の弁済を加害者側に求められるのに、各地の労働局が昨年度までの5年間に1億1500万円余りを請求していなかったことが、会計検査院の調べでわかりました。労働災害の発生から3年間、請求しなかったおよそ9800万円分はすでに権利が失われたということで、会計検査院は厚生労働省に対して、加害者への請求を適切に行うよう求めています。

●働く人が仕事中に事件や事故に巻き込まれてけがを負うなどし、労働災害と認定された場合、国は原因をつくった加害者側に保険給付の費用弁済を請求することができます。しかし、会計検査院が昨年度までの5年間の請求状況を調べたところ、全国12の労働局が合わせて177件、1億1500万円余りの請求をしていなかったことがわかりました。

●各労働局は、請求しても加害者に支払える資産がないと見込んで控えていたと説明していますが、中には、加害者が処分できる自動車を所有するなどしていて、弁済が困難とは認められないケースもあったということです。
2016年10月20日 13:56

派遣の78%は通勤費自腹 同一労働同一賃金どこへ!(平成28年10月17日.中日新聞)

通勤にかかる費用は、働くだれにとっても必要経費のはずですが、現実には多くの派遣労働者が受け取っていないといいます。政府の「働き方改革実現会議」でも論議されている同一労働同一賃金の観点から適切なのかどうか、派遣業界の対応が問われています。

●「通勤しているのはみんな同じなのに、なぜ通勤費の出る人と出ない人がいるのか。意味がわからない」。東京都町田市に住む40歳の派遣社員の女性は、通勤費の付かない給与明細に目を落としながら話しました。これに対し、なぜ通勤費を支払わないのかについて、派遣業大手のテンプホールディングス広報担当は「派遣で働く人には自分で仕事を選ぶ選択肢がある。勤務地も明示しており、自宅から近いところも選べる」と説明。同じく大手のスタッフサービス・ホールディングス広報担当は「給与は職務への対価として支払われている。仕事も本人の希望に合ったものを紹介している」。業界の主張は、派遣では仕事そのものの対価として給与を支払っており、勤務地などの条件は本人も納得して仕事を選んだはずだ-という理由のようです。

●これに対し、派遣労働者でつくるNPO法人「派遣労働ネットワーク」などは今年8月、人材派遣協会に通勤費支給を推進するよう要請しました。労働組合「派遣ユニオン」の関根書記長は「同じ派遣会社でも、正社員や無期契約の派遣労働者には通勤費が支給される。大半を占める有期契約の派遣労働者に対する明らかな差別だ」と指摘しています。有期・無期で労働条件に不合理な差を設けることを禁じる労働契約法20条に反すると主張します。労働法制に詳しい名古屋北法律事務所の白川弁護士によりますと、労働者派遣法では、派遣労働者の賃金は派遣先の賃金水準との「均衡」を考慮しながら決めるよう定めています。「処遇を差別しない『均等』と、ある程度の違いの中でバランスを取る『均衡』とは法解釈も違うが、法律上賃金には通勤費も含まれており、通勤費にも配慮すべきだという方向性は明らか」と話しています。

2016年10月17日 16:04