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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

「同一賃金」へ中小支援も=働き方改革、企業にプラス!(平成28年9月12日.時事通信)

加藤勝信働き方改革担当相は、報道各社のインタビューに応じ、仕事の内容が同じなら雇用形態にかかわらず同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」について、体力の弱い中小企業の経営を圧迫しないよう支援を検討する考えを示しました。

●加藤氏は「『働き方改革』は生産性の向上を通じて企業側のプラスになっていく」と指摘。「中小零細企業の生産性向上をどう進めていくか、どういう支援が必要かも議論しなくてはいけない」と述べ、月内にも発足させます「働き方改革実現会議」で具体策を検討する意向を明らかにしました。  

●高齢者の就業促進に関しては「アンケートを取れば、約7割は65歳になっても働きたいと言っている」として、継続雇用や定年の延長に向けた環境整備に改めて意欲を示しています。
2016年09月12日 10:15

労働時間、是正目標を…国際水準に!(平成28年9月8日.毎日新聞)

加藤働き方改革担当相は、長時間労働の是正に関し「国際比較したうえで是正されるべきだ。その立場で議論していかなければならない」と語り、国際的な労働時間の水準を参考にして、是正目標を設定すべきだとの考えを示しました。

●長時間労働の是正は「働き手にとってプラスなだけではない。生産性の向上により企業側の収益拡大にもつながる」と述べ、企業側に協力を求めました。

●今月下旬にも初会合が開かれる安倍首相が議長の「働き方改革実現会議」の位置づけについては、「首相が問題解決の先頭に立ち、取り組む場だ。ここで一元的に議論して政府全体としての答えを出す」と説明。厚生労働省などで似たテーマを扱ってきた既存の組織とは性格が異なると強調しました。同一労働同一賃金については「日本の雇用環境を踏まえながら議論を進めていきたい」と語りました。
2016年09月08日 09:30

過労死の責任、役員一人ひとりに 遺族が株主代表訴訟へ!(平成28年9月5日.朝日新聞)

過労死や過労自殺を生じさせた企業が負った賠償責任は、役員一人ひとりが負うべきだ――。4年前に自ら命を絶った銀行員の遺族が、株主の立場で当時の役員11人を相手取り、2億6千万円余りを銀行に賠償するよう求める株主代表訴訟を起こします。訴訟を通じ、過労死防止の責任は経営陣にあることを明らかにし、意識改革を促したいといいます。

●原告は熊本県内の地銀最大手・肥後銀行の当時40歳の男性行員の妻。代理人の弁護士によりますと、過労死・過労自殺問題をめぐる株主代表訴訟は全国で初めてといいます。男性は為替・手形システムを改める作業の責任者を務めていた2012年10月、本店から飛び降りて亡くなりました。熊本労働基準監督署は死の直前4カ月間の残業時間は月113~207時間と推計。2013年3月、働き過ぎで重いうつ病になったのが自殺の原因として、労災と認定しました。

●妻ら遺族5人は同年6月、肥後銀行を相手取り、損害賠償を求めて提訴。熊本地裁は2014年10月、従業員の健康に注意する義務を怠り、漫然と過重な長時間労働をさせたとして、慰謝料など計1億2886万円の支払いを命じました。銀行側は控訴せずに判決が確定し、賠償金を支払いました。妻は男性が保有していた株式を相続しており、今回は株主の立場で株主代表訴訟を起こします。訴訟では、役員が過労死を防ぐ有効な体制作りを怠ったため、賠償金を支出することになり、銀行に「損害」を与えたとしている。さらに過労自殺で銀行の信用も傷つき、少なくとも1億円の損害が生じたなどと主張しています。
2016年09月05日 16:23

最新の労働分配率8年ぶり低水準、内部留保は最高!(平成28年9月5日.日経新聞)

企業の利益のうち、労働者の取り分を示す「労働分配率」が低水準になっています。財務省の法人企業統計から算出した2015年度の労働分配率は66.1%で、リーマン・ショック前に企業の利益が膨らんだ2007年度(65.8%)以来の低さとなりました。一方で企業の利益の蓄積である内部留保は4年連続で過去最高を更新しています。

●労働分配率は付加価値額に対する賃金などの割合で表します。付加価値額は年度の人件費や営業利益、減価償却費、支払利息等を合計したものです。賃上げや賞与の増加で人件費の総額は2年連続で増えましたが、利益が過去最高水準となるなか、分配率は低下しています。2015年度の内部留保は377兆円で前年度比6.6%増となりました。内部留保の増加に関して、企業経営者には「内部留保そのものを悪とする考えはおかしく、経営の自由度をあげる唯一の原資だ」(日本商工会議所の三村明夫会頭)との声が根強いようです。

●石原伸晃経済財政・再生相は「経済を成長軌道に乗せるには内部留保を設備投資や賃金増加につなげることが重要だが、残念ながらそういう状態に十分にはなっていない」と現状に不満を述べています。一方、麻生太郎財務相は「もっと労働分配率の比率が高くなってこないとおかしい」と今後の上昇に期待を示しました。直近では、4~6月期の設備投資は前年同期と比べ3.1%増と、プラスだが伸び率は鈍っています。経常利益は減益だが、前年同期に続き過去2番目の高水準を維持しました。企業が利益を投資に回すのに慎重な姿勢は続いています。
2016年09月05日 09:31

働き方改革推進室が始動!(平成28年9月2日.時事通信)

平成28年9月2日、多様な働き方を可能にするための「働き方改革実現推進室」(室長・杉田和博官房副長官)が、40人体制で始動しました。

●内閣府での看板掛けには安倍晋三首相も参加し、「長時間労働を自慢する社会を変えていく。働く人々の考え方を中心にした改革をしっかりと進めていく」「働き方改革は最大のチャレンジだ。困難も伴うが先頭に立って取り組んでいく」と訓示しました。 

●一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジとなる「働き方改革」を強力に推進していきます。高齢者や女性が働きやすい環境を整えて経済の活性化につなげることが狙いで、非正社員の処遇改善に向けた「同一労働同一賃金」や、長時間労働の是正を目指します。
2016年09月02日 10:13

コンビニ店長の「過労自殺」を認定 労災支給認める!(平成28年9月2日.毎日新聞)

東京高裁 国側が逆転敗訴の判決。東京都内のコンビニエンスストア店長だった当時31歳の男性の自殺を巡り、遺族が労災を支給しなかった国の決定を取り消すよう求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は平成28年9月1日、国の決定を支持した1審・東京地裁判決を取り消し、労災支給を認める遺族側逆転勝訴の判決を言い渡しました。

●判決によりますと、男性は大手コンビニの首都圏店舗を運営する会社に勤務していましたが、店長になって約5年後の2009年に自殺しました。1審では、男性が心身の不調を訴えた時期から自殺まで半年以上あったことから「業務と自殺の関連性は乏しい」と判断。これに対し、高裁は、男性が死亡する前の1年間で月120時間の時間外労働が6カ月続いた点を挙げて「長時間労働は過酷で、売り上げのノルマによる心理的負荷も小さくなかった」と業務との関連性を認めました。厚生労働省は「判決内容を検討し、関係機関と協議する」としています。
2016年09月02日 09:55

うつ理由解雇の差し戻し審、東芝に6000万円賠償命令!(平成28年9月1日.朝日新聞)

過重労働が原因でうつ病になったのに不当に解雇されたとして、東芝社員の50歳の女性が同社に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し後の控訴審判決が、東京高裁でありました。裁判長は、差し戻し前の高裁判決が認めた賠償額を増額し、東芝に約6000万円の支払いを命じました。

●判決によりますと、埼玉県深谷市の工場で働いていた女性は2001年にうつ病を発症して休職し、2004年に解雇されました。女性が訴える解雇無効については、差し戻し前の2011年の高裁判決で確定しています。ただ高裁判決は、女性が発症を同社に申告しなかったことなどを理由に、賠償額の2割を減額しています。

●賠償額をめぐる争いで、最高裁は2014年にこの高裁判決を破棄し、改めて賠償額を判断するよう審理を差し戻していました。この日の判決は、女性の落ち度を理由とする減額を認めませんでした。
2016年09月01日 12:51

完全失業率7月は3.0%で21年2カ月ぶり低水準、有効求人倍率横ばい!(平成28年9月1日.ロイター通信)

総務省が発表しました7月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月から0.1%ポイント改善して21年2カ月ぶりの低水準となりました。厚生労働省が発表しました同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.37倍となり、24年10カ月ぶりの高水準となった前月から横ばいとなりました。

●雇用情勢は改善基調が継続しています。完全失業率において、季節調整値で見た7月の就業者は前月比20万人増の6476万人となり、4カ月連続で増加しました。一方、完全失業者は同7万人減の201万人で2カ月連続の減少です。非労働力人口は同12万人減の4394万人となりました。この結果、完全失業率は前月から0.1%ポイント改善し3.0%となりました。これは1995年5月以来の低水準です。総務省では「雇用情勢は引き続き改善傾向で推移している」と判断しています。

●有効求人倍率は1.37倍。新規求人倍率は2.01倍と前月と同水準。有効求人数は前月比0.7%増、有効求職者数は同0.4%増でした。

►ポイント
7月完全失業率------3.0%
7月有効求人倍率----1.37倍
2016年09月01日 09:26

介護労働者の離職率15%!(平成28年8月29日.読売新聞)

県内の介護労働者のうち、2015年9月までの1年間に離職した人の割合が15・9%に上り、前年比で3ポイント上昇したことが、公益財団法人「介護労働安定センター」(東京)の調査でわかりました。6割の事業所が従業員不足と回答したほか、6割弱の従業員も「人手が足りない」と感じており、依然として人手不足が深刻化しています。

●調査は全国の介護サービス事業所と従業員を対象に行い、9005事業所(県内は事業所97か所、従業員247人)から回答を得ています。事業所が従業員不足と答えた理由は「採用が困難」(71・1%)が最も多く、「離職率が高い」(20%)が続き、それぞれ前年より微増した。前年の採用難の要因だった「賃金が低い」(53・1%)、「仕事がきつい」(34.4%)に関しては減少した一方で、「今の介護報酬では十分な賃金を払えない」との回答は10ポイント以上増加し62・9%でした。

●親族らの介護を理由にした「介護離職」についての質問も新設し、過去3年間で該当する離職者がいた事業所は14・4%ありました。従業員への意識調査では、「人手が足りない」(56・3%)、「仕事の割には賃金が低い」(46・6%)、「有給休暇が取りにくい」(46.6%)との声が、いずれも前年より上昇し、待遇改善が求められています。
2016年08月29日 09:28

失業率、「やむなく非正規」含むと8.4%台 内閣府試算!(平成28年8月25日.日経新聞)

内閣府は正社員になれずやむなく非正規労働者になっている人なども含めた「広義の失業率」が1~3月の平均で8.4%だったとの試算をまとめました。

●完全失業者のみを対象にした完全失業率の3.2%と比べるとなお高い結果です。現在も状況は大きく変わっていないとみられ、賃金の上昇圧力が高まりにくい一因となっている可能性があります。

●内閣府の分析によりますと、1~3月の「広義の失業率」は3年前から1.7ポイント下がっています。要因を分析しますと、完全失業者の減少で1.0ポイント下がったほか、正社員の職がなくやむなく非正規社員で働いている人の減少で0.6ポイント低下しています。企業が人材をつなぎとめるため、一部では正社員待遇に切り替える動きが出ているようです。職探しをあきらめた人が減ったことも0.1ポイントの低下につながっているようです。

one point
広義の失業率とは:
「正社員になれず不本意なまま非正規で働いている人」や「就業希望はあるが直近は職探しを諦めた人」を完全失業者に含めた数値です。
2016年08月25日 13:09