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一般社団法人日本人材育成協会

JAPAN PERSONNEL DEVELOPMENT ASSOCIATION

労務管理TOPICS

残業を「業務外」に書き換え 労基法違反容疑で浪速学院を書類送検!(令和4年3月28日.朝日新聞)

教員が行った残業を「業務外」と申告するように勤務データを書き換えさせ、割増賃金を支払っていなかったとして、大阪南労働基準監督署は、学校法人・浪速学院(大阪市住吉区)と労務担当の男性役員を、労働基準法違反の疑いで大阪地検に書類送検しました。

●同労基署によりますと、浪速学院は2020年12月、運営する浪速高校に勤務する教員8人が、試験の採点や保護者対応、朝早く出勤する当番、クラブ活動など法定時間を超える業務を行ったにもかかわらず、「業務外」として勤務データを意図的に書き換えさせた疑いがあります。

●関係者によりますと、過去にも残業代の未払いといった違反行為がくり返されていた疑いがあるといいます。労基署は学校側に是正勧告をしましたが、改善がみられなかったため、より重い措置となる書類送検をしたとみられます。浪速学院の担当者は、朝日新聞の取材に対し、労基署の調査を受けていたことを認めたうえで、「送検された内容をまだ把握しておらず、対応はこれから検討していく」とコメントしました。
2022年03月28日 16:25

研修医過労自殺、病院側に賠償命令 「労働時間の適切な把握怠る」!(令和4年3月28日.朝日新聞)

新潟市民病院の女性研修医(当時37)が2016年に過労自殺したことをめぐり、遺族が病院を運営する新潟市に損害賠償を求めた訴訟の判決が3月25日、新潟地裁でありました。篠原礼裁判長は病院側の安全配慮義務違反を認め、計約1億600万円の支払いを命じました。

●判決によりますと、研修医は2015年4月から同病院に勤務。同8月には時間外労働が160時間を超える長時間労働が続き、9月にうつ病を発症。2016年1月に自殺しました。判決は、長時間労働とうつ病との因果関係を認定。病院は「研修医の労働時間を適切に把握し業務を軽減すべきだったのに怠った」としました。病院側は、うつ病発症は自殺の直前で「自殺を予見するのは不可能だった」と主張していました。
2022年03月28日 08:59

介護職員の平均給与、月32万3千円 増額するも全産業とは差!(令和4年3月24日.朝日新聞)

介護職員の昨年9月時点の平均給与(賞与も含む)は、常勤で処遇改善の加算をうけている場合、月額32万3190円でした。前年の同じ時点より7780円増えています。

●厚生労働省が令和4年3月24日発表しました。2021年度の介護報酬改定などで押し上げられたとみられますが、依然、全産業の平均35万2千円(2020年時点)を下回る状況が続いています。

●調査は昨年10月、計1万3724カ所の施設・事業所に対して実施。8812カ所から回答(有効回答率64・2%)を得ました。このうち経験や技能のある職員らを対象にした処遇改善加算の手続きをしています72・8%の施設・事業所についての平均額を算出しています。
2022年03月24日 10:03

花畑牧場、ベトナム人従業員側の要求受け入れ 田中義剛社長は謝罪も!(令和4年3月22日.朝日新聞)

タレントの田中義剛氏が社長を務め、生キャラメルなどの製造販売で知られる「花畑牧場」(本社・北海道中札内村)で、ベトナム人従業員が待遇改善を求めてストライキを起こし、その後も労使が対立していた問題で、会社が従業員側の要求を受け入れる形で和解が成立しました。従業員と支援する札幌地域労組は3月19日午後に北海道帯広市内で集会と記者会見を開き、「ベトナム人労働者の権利と名誉が回復する形で和解にいたり、非常に意義があると考えている」(同労組)と評価しました。

●ストは1月26日、ベトナム人従業員約40人が待遇悪化に抗議し、十勝第2工場(中札内村)で起こしました。従業員寮の水道光熱費は月7千円でしたが、十分な説明がないまま昨年10月以降値上げされ、今年1月には約2倍になっていました。スト時に同社に労組はなく、会社側は「正当なストではなく、職場放棄」と主張。ストを主導したとみなしたベトナム従業員3人に対し、1人あたり50万円の損害賠償を請求しました。スト前の田中社長と従業員の話し合いの音声ファイルが意図的に編集され、報道されたなどとして、3人を名誉毀損(きそん)容疑などで道警に刑事告訴もしていました。一方、従業員や札幌地域労組は「ストは正当な権利だ」と主張。3人の従業員(当初は4人)はスト後に労組を結成し、会社側との対立が続いていました。

●札幌地域労組によりますと、会社側から問題解決の提案があり、労組側が示した和解条件案を受け入れる形で18日に和解が成立し、協定を結びました。田中社長からは「申し訳ありませんでした」との謝罪の言葉があったといいます。和解協定の内容は9項目。まず会社側が、昨年10月以降の光熱費値上げ後の一連の対応が不適切と認めて謝罪。その上で、従業員3人への損害賠償請求と刑事告訴を「理由がない」と認め、取り下げることとなりました。また、従業員3人の雇用契約は3月15日で満了しましたが、契約書類と出入国在留管理庁への提出書類で契約期間が異なっていました。この問題については、当局への提出書類通りに9~10月までの給与と、ストに対する7日間の出勤停止処分期間の賃金を解決金として支払うことになりました。3人は当初、雇用継続を求めていましたが、労組側が「労使紛争の激化で3人が会社に戻るのは難しいと判断した」とし、賃金補償に切り替えたといいます。
2022年03月22日 09:18

「医師は全て管理職」に是正勧告 残業代1億円支払いへ気仙沼市立病院!(令和4年3月14日.河北新報)

医師の時間外労働などに対する割増賃金の未払いがあったとして、宮城県気仙沼市立病院が石巻労働基準監督署から5月に是正勧告を受けていたことが分かりました。病院は未払い分として、対象者79人に計約1億円を年度内に支払う方針です。

●市立病院によりますと、全ての医師を管理職と位置付けて割増賃金を支給してこなかったことが不適当と指摘され、5月26日付で是正勧告を受けました。これを受け同院は7月、時効にならない2019年6月~2021年3月に在籍した医師101人に聞き取りなどを行い、対象者の時間や金額などを算出しました。

●2017年5月と2018年9月にも同じ趣旨の勧告を受けており、2020年度以降は診療科長以上を管理職とするよう規則を改めたといいます。市は未払い分1億56万円を計上した2021年度一般会計補正予算案を開会中の市議会12月定例会に提出しました。可決後に市立病院が支払い手続きを始めます。
2022年03月14日 10:29

大阪メトロ 長時間労働の社員自殺でパワハラも認め遺族に謝罪!(令和4年3月8日.NHKnews)

おととし3月、大阪メトロの男性社員が職場で自殺し、長時間労働が原因だったとして労災が認められた問題で、会社側は遺族に対して上司によるパワーハラスメントがあったことも認めて謝罪し、再発防止策を公表しました。

●おととし3月、大阪・西区にある大阪メトロの本社ビルで45歳の男性社員が自殺し、大阪西労働基準監督署は、男性はこのおよそ1か月前に3週間で120時間を超える時間外労働をさせられたことで精神的な病気が再発し自殺に至ったとして労災を認めました。 これを受けて、遺族が会社に責任を追及したところ、会社側は3月7日、長時間労働に加えて、上司の課長が男性に対して人格を否定するようなことばを何度も浴びせていたとしてパワハラがあったことも認めて適切に対応できなかったことを謝罪しました。 また、遺族に対して解決金を支払うとともに、再発防止に取り組むことを表明したということです。

●大阪メトロは、ホームページで、謝罪とともにハラスメントの撲滅に向けてメール相談窓口を設けていることなど、再発防止の取り組みを掲載しました。男性の20代の長男は、会見を行い「二度とこうした悲惨なことが起こらないようにしてほしい。父親には、一区切りがついたと報告したい」と話しました。大阪メトロの河井英明社長は「二度とこのような取り返しのつかないことを発生させない決意のもと、徹底的な組織風土の改善と労働環境の見直しを進めてまいります」というコメントを出しました。
2022年03月08日 09:05

最新1月の失業率0.1ポイント悪化 求人倍率は1.20倍に上昇!(令和4年3月8日.日経新聞)

総務省が令和4年3月4日発表しました1月の完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月から0.1ポイント上昇しました。失業率の悪化は2カ月ぶり。厚生労働省が同日発表した1月の有効求人倍率(同)は1.20倍と、前月から0.03ポイント上がりました。

●完全失業者数は185万人と前年同月から14万人減り、7カ月連続のマイナスとなりました。就業者数は前年同月に比べ32万人減の6646万人で4カ月連続で減少しました。休業者は前月から59万人増えて249万人となりました。コロナ感染が拡大した「第5波」の時期にあたる2021年8月(250万人)以来の水準でした。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大やまん延防止等重点措置の適用が影響しました。有効求人倍率は仕事を探す人1人に対して何件の求人があるかを示します。コロナ感染が本格的に拡大する前にあたる19年後半や20年初めの1.5倍前後の水準には届いていません。

●1月の有効求人(季節調整値)は前月比2.6%増え、有効求職者(同)は0.7%増でした。新規求人は前年からの反動もあり前年同月比で14.6%増えました。産業別にみると宿泊・飲食サービス業(38.8%増)や製造業(38.5%増)などが上昇しました。
2022年03月08日 09:01

最低賃金未満でパート募集・イオン九州、熊本県内などのスーパーで!(令和4年3月7日.熊本日日新聞)

流通大手イオングループの「イオン九州」(本社・福岡市)が、熊本県内などのスーパーのパート従業員を法定の地域別最低賃金より低い時給で募集していたことが、熊本日日新聞の調べで分かりました。イオン九州の採用担当幹部は、福岡地方最低賃金審議会の委員を務めています。

●募集していたのは、イオン九州が運営するスーパー「マックスバリュ」の熊本県内の2店舗と大分県内の「イオン」の1店舗。このうち合志市の店舗では時給793円、大分県由布市の店舗では792円と、それぞれレジスタッフなどとして、熊本県(821円)と大分県(822円)の現行最賃額を下回る金額を改定発効(熊本は2021年10月1日、大分は同6日)後に提示。「イオン九州」の公式ホームページの採用サイトで募集し、問い合わせ先を本社の人事教育部としていました。また、熊本市内の店舗では、店内掲示のポスターで2020年度の熊本県の最賃額793円も下回る時給790円を示し、夜間担当スタッフを募集していました。合志市と熊本市の店舗は高校生対象の募集としていましたが、地域別最賃は原則全ての労働者に適用されるもので、高校生も除外されません。3店舗の募集はいずれも、熊日からの通知を受けた熊本労働基準監督署などが指導して、既に時給額などを訂正しました。

●イオン九州の人事教育部長は、厚生労働省福岡労働局長からの任命で福岡地方最賃審議会の使用者代表委員を務め、福岡県の最賃額決定などに携わっています。またイオン九州の労組副委員長も2021年度、審議会の百貨店・総合スーパー専門部会の労働者代表委員を務めていました。人事教育部は「時給を掲示するシステムなどの更新がきちんとできておらず、チェックからも漏れていたもので、大変申し訳ない。再発防止に努める」と話しています。一方、「最賃を下回る賃金で雇用した従業員がいなかったことは、過去にさかのぼって賃金台帳で確認し、労基署からも了解を得た」と説明。熊本労働局監督課は「任意の調査・指導であり、個別の内容については公表できない」としています。
2022年03月07日 11:30

コロナの雇用調整助成金】特例措置が6月まで延長に!(令和4年3月4日.TBS NEWS)

コロナの影響を受けた事業主に対する「雇用調整助成金」の特例措置について、厚生労働省は期限を6月末まで延長する方針を決めました。

●雇用調整助成金は事業主が従業員に支払う休業手当などの一部を助成する制度で、現在、コロナ禍の特例措置として、1人あたり1日最大1万5千円に助成額が引き上げられています。この措置は来月(3月)末が期限となっていて、厚労省はきょうの専門部会で期限を6月末まで延長する案を示し、了承されました。また、厚労省はコロナの影響で学校が休校するなどして、仕事を休まざるを得ない保護者を支援する助成金についても、6月末まで延長することを決めました。7月以降については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に沿って、雇用情勢を見極めながら助成内容を検討、2022年5月末までに公表するとしています。

●新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、支払った休業手当などの一部を助成する「雇用調整助成金」の特例措置について、厚生労働省は2022年4月~6月の運用内容を公表しました。解雇などを行っていない中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率9/10(解雇などを行った場合は4/5)、大企業は3/4(解雇などを行った場合は2/3)、1日1人あたりの上限助成額は9000円の現行の原則的措置について、4月~6月も維持します。大企業への助成率は4/5で解雇せず雇用を維持した場合は10/10、中小企業の助成率は4/5で解雇せず雇用を維持した場合は10/10、1人1日あたりの助成額の上限は1万5000円とする「地域特例」「業績特例」も現状維持となります。
2022年03月04日 09:29

コロナ禍「心折れる」公務員 過労死ライン超え勤務!(令和4年3月3日.産経新聞)

2年以上にわたる新型コロナウイルス禍で、感染者対応に加え、ワクチン接種や給付金支給などの業務に携わる自治体職員の過重労働が続いています。災害時を想定した労働基準法の例外規定を根拠に、超過勤務が常態化。過労死ラインを超え、体調不良でも休めないケースもあり、職員の疲弊は限界に達しています。

●「夜、寝る前も頭の中で電話の音が鳴り響いているんです」。大阪府の保健所で感染者の発生届に関わる業務を行う50代男性は、感染流行のたびに職場の電話が鳴りやまない日々を過ごすうち、就寝時に幻聴に悩まされるようになったといいます。昨秋の人間ドックでは胃潰瘍の痕が見つかりましたが、気づく余裕もないほど仕事に忙殺されていました。同僚の女性保健師からは深夜に帰宅し、小学生の子供が自分の服にくるまって寝ているのを見て、思わず涙を流したと聞きました。朝早く出勤し、夜遅く帰る生活が続き、子供が不登校になっていたことに気づかなかった別の職員もいました。人員不足を訴え続け、他部署から応援がくるようになりましたが、第6波を迎え、絶対数が足らない状況は変わらず、業務の簡略化や職員の大幅増員など抜本的な改善を望まれます。「このままではずっと苦しめられるのではないか。2年たっても先が見えず、心が折れる」と男性は漏らしています。

●東京23区内でワクチン接種に関する情報発信や住民からの問い合わせに対応する30代男性は、高齢者向けの接種が始まった昨春、残業時間が過労死ライン(月80時間)の2倍となる160時間に及んだといいます。ワクチンの供給量が限られる中、接種を受けられない住民の不満が噴出し、罵声を浴びせられるのは日常茶飯事でした。ゴールデンウイークも連日出勤し、集中力が落ちてミスが増えました。周囲から顔色が悪いと心配され、「過労死が頭をよぎり、いつ死んでもおかしくないと思った」と男性は振り返ります。半年ほど月100時間を超える残業が続き、その後は60時間まで下がりましたが、最近は3回目接種に関わる業務が降りかかり、再び残業が増えるのは避けられない状況です。コロナ関連の給付金を担当する職員も激務が続いています。都内自治体の60代男性は定年退職後に復職した嘱託職員ですが、残業や休日出勤を余儀なくされています。岸田政権の肝煎りだった子育て世帯への10万円給付では、支給方法の変更や、給付日の前倒しなど、政府方針が二転三転し、現場はその都度対応に追われました。低所得世帯や一人親世帯などにも対象が広がり、自治体独自のものも含め、5種類の給付金に同時並行での対応が求められているのが現状です。

●「過労死弁護団全国連絡会議」代表幹事の松丸正弁護士は「民間企業は捜査権限のある労働基準監督署が監督していますが、自治体の人事委員会は是正勧告を行うのみで、地方公務員の勤務時間の適正把握は極めて遅れている」と指摘しています。「災害等による臨時の必要がある場合」に、法定を超えた時間外労働や休日労働が可能と定めた労基法33条3項が、抜け道に利用されているとする松丸氏は「もはや臨時ではなく、超過勤務が恒常化しています。過労死ラインを超え続けているのは違法状態ではないか」と注文を付けました。保健所などで新型コロナウイルス対応に当たる職員の2割以上が過労死ラインの月80時間を超える時間外労働を経験していたことが、自治労のアンケートで分かりました。鬱的な症状があった人も3割以上に上り、蔓延する過重労働の深刻さが鮮明になりました。

●調査は40都道府県の保健所や保健センターなどの職員に昨年1年間の労働実態を尋ね、1771人が回答。411人(23%)が月80時間以上の時間外労働をしており、月200時間以上も17人(1%)いました。流行「第5波」のピークだった昨年8月に最も時間外労働が多かったとの回答が目立ちました。感染拡大の前後で増えた業務は電話対応が最も多く、事務作業、積極的疫学調査と続きました。「この1年間で鬱的症状があったか」との質問には35・5%があったと回答。コロナ対応に当たる職員ほど高い傾向がみられ、月80時間以上の時間外労働を経験した職員に限ると半数以上があったとしています。自由記述欄には「仕事が遅い」などの暴言やクレームに関する被害報告があり、「患者の家族や近隣者から偏見を含む言動を受けた」との訴えもありました。
2022年03月03日 09:46